OP
昼下がりのニャン寺。
入口。
風だけが通る。
そこに――
白い影。
マイティーちゃん。
遊びに来た。
だが。
挨拶しない。
歩き回らない。
吠えない。
ただ――座る。
完璧な姿勢。
まるで「待つ」という概念の化身。
その正面。
寺の用心棒(自称)、
テツオ。
腕組み。
直立。
無言。
動かない。
空気が、重い。
いや。
濃い。
通りかかったジャンジャン和尚。
止まる。
見る。
固まる。
小声。
「……増えてる。」
沈黙。
30秒。
1分。
……
ジャンジャン、耐えきれず。
「どっちか瞬きしてください!!」
※二匹とも瞬きしない。
ジャンジャン和尚、小走りでトラ住職を呼びに行く。
奥から――
コツ…コツ…
トラ住職、登場。
マイティーちゃんを見る。
ほんの一瞬。
表情がゆるむ。
「……来たか。」
マイティーちゃん。
尻尾、ふわり。
一度だけ揺れる。
それだけ。
だが住職には十分だった。
「久しいな。」
ジャンジャン和尚、驚愕。
「知り合いなんですか!?」
住職。
「二度目だ。」
ジャンジャン。
「静かすぎて気配ゼロでしたよ!?」
トラ住職、テツオを見る。
「客人だ。」
テツオ。
ゆっくり。
本当にゆっくり。
うなずく。
ギ……
ジャンジャン。
「その動き怖いんですよ!!」
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