おしゃべり夢ちゃん、寺に来る。① | 猫ポスト

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コーギー、猫との暮らし。昨年はベンガル猫をお迎えし、ダックスと銀次郎を看取りました。

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〜無口なテツオと対峙〜


ある日の午後。

寺の門前が、やけににぎやかだった。


「ねぇねぇねぇ!ここがお寺!?

 静かって聞いたけど、静かすぎない!?

 逆に落ち着かないんだけど!!」



――現れたのは、

おしゃべり夢ちゃん


一息もつかず、

三文芝居も挟み、

勝手に自己紹介は第三幕まで進行。


そのとき。

寺の裏手。

腕を組み、微動だにせず立つ影。

テツオである。


夢ちゃん、気づく。

「……あっ。

 えっ。

 なにこの人(猫)」


夢ちゃん、話しかける。


「こんにちは!えっと、あなたは誰で、

 ここで何をしてて、

 あとお昼ごはんは何派ですか!?」


テツオ、

無言。


腕、組んだまま。

視線、わずかに夢ちゃんの方向。


以上。


沈黙。


夢ちゃん、負けない。

「えっ?

 今の間は『塩対応』ってやつ!?

 それとも修行!?

 無言修行!?

 あっ、私しゃべりすぎて逆に邪魔してる!?」


テツオ、

無言。


風が吹く。


夢ちゃん、

なぜか正座する。



「……

 え、ちょっと待って。

 この人、

 何も言わないのに

 めちゃくちゃ圧がある……」


テツオ、

腕組みのまま。


一歩も動かない。


夢ちゃん、

小声になる。


「……あの……

 えっと……

 私、少し静かにします……」


沈黙。


五秒。


十秒。


夢ちゃん、限界。


「無理!!!

 静かって難しい!!!」


つづく