これからも内部被ばくによる健康被害に関しては、政府も国連も徹底的に否定していくという意思表示が、日本に原爆が投下される契機となった12月8日に出されました。
「放射能影響研究所」は、広島、長崎の原爆による放射能の影響について膨大な調査データを持っている唯一の機関です。ここのデータと見解が、ICRPが勧告する世界標準の基準についての基礎ともなっています。
この見解は保存して後世の科学がどう評価するかをしかと見届けたいと思います。
今春にも、「被ばくに安全なしきい値はない」と英語の論文を書いた後で、日本語のコメントでそれを否定するような見解を出しました(英語の論文に訂正はありません)。
なお、文中に「幹細胞以外はがん化しない」との記述がありますが、それは誤りです。増殖能さえあれば、普通の「体細胞」でもがん化することはあり得ます。
http://sugp.wakasato.jp/Material/Medicine/cai/text/subject07/no8/html/section4.html
むろん、細胞自体が生きられないような高線量では、ガンにはならなくてもその臓器の機能低下をもたらすことは想像に難くないでしょう。
「残留放射線」に関する放影研の見解
2012年12月8日 公益財団法人 放射線影響研究所
P.5 「内部被曝」の場合、体内に取り込まれた放射性粒子から放射状に放射線が発せられるので、その粒子の近傍では線量が相当高くなることがあり得ます。しかし、局所的に線量が高いことが直ちに発がんリスクに結びつくかは別問題です。それは、発がんに関係する幹細胞は普遍的に存在している細胞ではないので、放射性粒子のごく近傍に幹細胞が存在していなければ、放出された放射線は、細胞がん化に関与しないで終わることになります。
また、局所の放射線量が極めて高い場合には、細胞自体が生きられず、がん化のリスクはかえって低下します。このような知見から、国際放射線防護委員会(ICRP)は、体内に取り込まれた粒子からの放射線(つまり「内部被曝」)によるがん化について、放射性物質が全身に均等に分布した場合に「外部被曝」と同等になり、偏在した場合にはむしろ低下するのではないかと考えています。
