ミステリアスな、皇族の暮らし。
けれど、
彬子女王の『飼い犬に腹を噛まれる』
を開けば
高貴な香りの向こう側から
人間くさいユーモアが
ふわりと立ちのぼってきます。
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それは
私たちがついつい
自分をよく見せようと
力を入れるあまりに
忘れてしまいがちな
「自分を笑う」という、
このうえなく贅沢な嗜みでした。
女王と聞くとイメージするのは?
女王、
と聞いて思い浮かべるのは誰でしょう。
悲劇の幕を引いた
マリー・アントワネットか
氷の魔法を操る
『アナと雪の女王』のエルサか。
あるいは、
華やかな逆転劇を描く
韓国ドラマ『涙の女王』かもしれません。
けれどこの日本に、
生まれながらに「女王」と呼ばれ
常に
側衛さん(SP)が寄り添うという、
物語よりも現実味がない現実を
生きる方がいらっしゃいます。
三笠宮(みかさのみや)家の
彬子(あきこ)女王殿下。
女性皇族として初めて
海外(オックスフォード大学)で
博士号を取得された才媛であり、
前作『赤と青のガウン』は
大ベストセラーに。
その明晰でユーモラスな筆致に、
魅了された方もいらっしゃるはず。
そんな殿下の
“その後の日常”を綴ったエッセイが、
『飼い犬に腹を噛まれる』。
……もう、このタイトルだけで降参です。
しかも『きょうの猫村さん』でお馴染みの
ほしよりこさんが描く表紙。
ネコムライス
(レシピ:飯島奈美さん)
を作ってみるほど
猫村さんが好きでもあるワタシ
なんて素敵で
そしてまた
「事件が起きそう」な予感。
皇族エッセイの魅力|彬子女王の素顔とユーモア
ページをめくると
そこには「雲の上の人」という先入観を
心地よく裏切る、
ひとりの女性の体温があります。
「大浴場好き」という殿下。
到着してすぐ、寝る前、そして翌朝。
最低でも
合計三回は湯船に浸かりたいという
その
”来たからには、
もとを取りたい精神”は、
(あえてこう呼びたい!)、
私たちと全く同じではありませんか。
湯気に包まれて、手足を伸ばし
「はぁ」と溜息をつく。
「このあと掃除しなくていいのも極楽だなぁ」
その瞬間
殿下と私たちのあいだの見えない垣根は、
湯気のように
するりとなくなってしまうのです。
笑いと共感が止まらない理由|猫村さん×彬子女王の名コラボ
本書には
ほしよりこさんの
温かな挿絵と漫画が添えられています。
女王自らのラブコールで
成立したコラボとか。
『きょうの猫村さん』でおなじみの、
愛らしく力が抜けた、
それでいて本質を突くタッチ。
「自他共に認める事件体質」
と語る殿下の日常に、
これ以上ないほど
寄り添っています。
日々に追われて失敗を恐れ
「きちんとしなきゃ」
と肩を張っていきる私たち。
それを楽しんでいるうちは
いいのですが、
ときに
息苦しくなることもありますよね。
そんなとき、
殿下が綴る「珍事件」の数々は
冷たい雨の日に差し出される
温かな紅茶のように沁みてくるのです。
声を出して笑ったエピソード|それは「皿」から始まった失敗の美学
なかでも声を出して笑ったのが
『それは「皿」から始まった』
というエピソード。
格式高いお茶会の一等席。
完璧な所作を求められる場面で、
事件は起きます。
緊張のあまり、
芳名録(ゲストブック)に
「四月」と書こうとして、
なぜか「皿」と書いてしまう彬子女王。
よりによって、皿。
なんで、皿。
でも、そういうときってありますよね。
重要な手紙ほど
住所を書き間違えちゃったり...
さらぴんの
(新品の、という意味です)芳名録に、
堂々と鎮座する「皿」の一文字。
慌てて縦線を一本足して
「平成」の「平」に見せようとする
殿下のごまかし(w)。
(おそらく、かなり味のある字)
思わず「お見事」と
肩を叩きたくなってしまいます。
さらに殿下、
ハンカチを忘れて小パニック。
頭が真っ白になった結果
作法の手の左右がわからなくなり
最後には
お菓子のきなこで盛大にむせる。
あまりに人間らしい。
勝手に
皇室の方々はマナーの化身で、
一生に一度も転んだり
むせたりしないものだと
思い込んでいました。
でも、
そんなはずないんですよね。
大人の愛され力・品格とは|失敗をユーモアに変える力
「失敗してはいけない」と
肩を力ませて生きる私たちに、
「あら、お皿だって書いちゃうわよ」
そんなふうに
微笑みかけてくれるような
やさしさと包容力。
殿下の文章には、
気取りがありません。
失敗を隠すのではなく、
とっておきの小噺のように
披露してくださる。
その姿勢には、
日常のおかしみへの
深い敬意も宿っています。
どれほど立場が高くとも、
人は人。
失敗もするし、焦りもする。
そして、恥もかく。
当たり前のことですよね。
けれど、
その「綻び」をどう処理するか。
そこに、
その人の品格が表れるのだと
教えられます。
「皿」事件のお茶会のあと、
その友人との
メールのやり取りの最後には、
「皿」の写真が
送られてくるのが定番だったそう。
そんな愛されキャラの
殿下が素敵すぎる。
自己肯定感を上げる一冊|頑張り疲れた大人に読んでほしい
自分の至らなさに
ふと落ち込む夜もあります。
仕事のミスや、言いすぎたひと言。
心に小さく引っかかる出来事。
そんなとき、
このエッセイを読んだ後は、
そんな自分も
「まあ、いいじゃない」
と許せる気がするのです。
失敗を隠したり
なかったことにするのではなく、
笑いに変えて、誰かと分かち合う。
それこそが、
本当の意味での
「女王の余裕」であり、
静かににじむ
美しさや品格なのかもしれません。
それすなわち、
愛され力
読み終える頃には、
殿下のファンというより、
どこか「お仲間」に
なれたような気さえしてきます。
(もちろん、気のせいです)
今夜はゆっくりお湯に浸かりながら、
自分の中の
「皿」を思い出してみてください。
ちょっと笑えたら
ふっと肩の力も抜けて
きっと明日がやさしく始まるはず。
最後までお読みいただき
とってもありがとうございました🫶
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※全て2026年3月25日執筆時の情報です。









