この仕事に関わるようになったのは18歳・大学1年の頃だ。

大学生になって東京出てきて、

何となく「芸能界」の仕事にぼんやり憧れて…

幸運なことに「ラジオ局のバイト」に就かせてもらったのがこのキャリアのスタート。

 

地元で暮らしていた高校時代に読んだ「雑誌から吸収した知識」で

「芸能界の人は、何時でも「おはようございます」って言う」ってことは知っていた。

 

実際、ラジオ局に行ってみると確かに何時でも、

聞こえてくる挨拶は「おはようございます!」

これに当時、「おぉホントや!」と衝撃を感じたのを覚えている。

 

と同時に、実はそれ以上に衝撃を受けたことがあった。

「業界の人達がタレントさん、芸人さん、ミュージシャンの方々のことを

その当人がいない場でも「さん」づけで呼んでいたこと」だ。

 

例えば・・・会議の場などでの会話。

ディレクター「ゲスト、誰呼んだらいいと思う?」

作家「「芸人コンビの〇〇さんどうですか?」

ディレクター「俳優の〇〇さんもアリだよね?」

みたいな感じ。

 

当初、この「さん付け」がすごく印象深かった。

 

当たり前だが高校時代まで、

友達との間の会話でタレントさん・芸人さん・ミュージシャンの方について話す時、

そりゃ普通に呼び捨てで話してた。

 

「俺、リンドバーグの渡瀬マキの声好きなんよねぇ」みたいな感じ。

 

だから、その『さん付け』がとかく新鮮で・・

でもすぐに頭の中で

「そりゃそうか。年上だし、業界の中でも先輩だし」と理解して、

自らも「さん付け」で話をしよう。と決めたのを鮮明に覚えている。

そして即「さん付け会話」実行。

当初半分は、出会ったこともないタレントさんにも

「さん付け」している自分に、若干酔いながら実行。

 

「俺も業界で仕事しょうる人間やけんね。(バイトやけど)」みたいな気分。

 

その後、当然だが自己陶酔なんてのはすぐに消え、

普通に「さん付け」で話すようになり今に至る。

 

でももちろん、友達とかとの会話の中で

周りの人が著名人の方々を「呼び捨て」していても全く違和感は感じない。

(僕だって馬券買ってるレースは、ジョッキーのことを呼び捨てで応援するし)

 

ただ・・・仕事してる中で、時々ビクッてすることがある。

「番組会議」という公の場で

自分より年上のタレント・ミュージシャンを

「呼び捨て」で話す人がいる時だ。

 

別に会議だから、屈託のない意見を交わす場だから、

全く問題はないといえば全く問題はない。

 

でも、

タレントとしてトップクラスに成功している人のことを

作家だなんだぁで別の立場だが同じ業界の人間が

「呼び捨て」している場面に遭遇するとまぁ内心ざわざわする。

本人を目の前にしてその呼び捨てできんの?

そもそも業界人として、社会人として、

どちらのキャリア歴でも後輩なのに何で呼び捨て?

って気持ち。

 

もっと言うと、この仕事のジャンル特有なことだが・・

てめぇは、その人と知り合いじゃなかったとしても

その人と直接の知り合いが会議の場にいる確率って

めっちゃ高い。

会議なんて20人は出席してるからまぁその確率って

めっちゃ高い。

 そんな環境でも呼び捨てにする事が、

自分自身にとってもリスキーだと思わないのかな?

って思う。

もしかしたらそういう人は自身の生理として

「自分は知り合いじゃないから呼び捨てでも気にならない」

のかもしれないが・・・

「こちとら、その人の知り合いだわ」って思ったり。

 

つまりは先輩が、適当な人に

会議の場とかで呼び捨てにされてたりしてる場面に遭遇すると

まぁ楽しくないなぁと感じる。

 

・・・とか思って、改めて考え直してみると

仕事できる人だなぁって感じる「スタッフの人」って

一見どんだけ豪快な人でも、「さん付け」を忘れなかったり

1番根本のマナーを忘れていないなぁと思う。