2025年6月11日:パート4
22時。高崎の自宅で、パソコンを起動させた。熱い紅茶を飲みながら、一気に「温泉文化に関するブログシリーズ」の続編(その④)を書く。
この問題に関して、ずっと抱えて来た2つの疑問がある。一つ目は、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に関して、「観光振興や経済的な効果みたいなアピールを全面に出すのは、逆にマイナスになる!」という、登録を推進する運動を牽制するかのような論法だ!!
この問題との関わりを振り返ってみると、自民党県議団等からの強い要請を受け、2019年の9月議会(?)で、「今後は、知事である自分が、群馬県が発祥の地となっている『温泉文化をユネスコ無形文化遺産に登録する運動』の先頭に立つ!」と宣言したのが最初だった気がする!!
上記の答弁をした翌日には、元文科大臣で、参院当選同期の盟友でもある馳浩 石川県知事に連絡を入れた。その場で、「力を合わせてこの運動の実現に取り組む!」ことで意見が一致した。
何度か2人で話し合い、議員連盟の設立や、知事の会の立ち上げに向けた戦略を練った。
が、その後、この計画は、2020年の3月から始まったコロナウイルスの流行で、いったん中断を余儀なくされた!!それでも(コロナ禍の中で)あきらめずに、粘り強い運動を続けて来た。
温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録を政府に働きかけ始めて以来、(文化庁側から)ずっと言われ続けていたことがある!!
それは、「ユネスコは、あくまで文化的な価値を判断する場所だ!したがって、その登録がもたらす経済的効果みたいなことを強調するのは御法度だ!」みたいな理屈だった!!
事実、複数の文科大臣経験者からも、「観光が全面に出過ぎると、かえってマイナスに働く!!」と言われたのを、よく憶えている!!
実際のところ、この指摘があったために、ある時期まで、温泉文化の登録がもたらす地域経済への効果の発信や、観光振興を全面に出した動きを、控える傾向にあったことは否めない!!
が、この論法には、最初から強い「違和感」があった。途中から「明らかに間違っている」ことにも気がついた!!
だって、そうでしょう?!例えば、日本のある「文化素材」がユネスコの無形文化遺産の国内候補になったとしよう。日本側の窓口として、対応するのは文化庁だ!!
どんな案件であろうと、文化庁はユネスコに「文化としての価値」を説明する。そもそも、経済的な効果なんてアピールするはずがない!!(笑)
すなわち、国内候補となることを狙った日本の「ある文化」を、登録実現で恩恵を受ける業会や団体が応援し、盛り上げていくことは、ユネスコ側の審査に何の影響も与えない!!
ましてや、ユネスコが経済的、商業的側面を嫌う(?)から、関連の業会や団体が全面に立って政府に要望するのは、やり過ぎると逆効果などというのは、そもそもおかしな理論なのだ!!(キッパリ)
例えば、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」(日本人の伝統的な食文化)に関して、主体的な役割を果たしたのは農水省だった。ご存知のとおり、「日本酒」も和食の一部として登録されている。
その農水省は、和食のユネスコ無形文化遺産登録を推進するため、国内外での情報発信や普及活動を、熱心に展開していた!!
加えて、日本食文化推進協議会でも、和食の文化的価値を広めるためのシンポジウムやイベントの開催、教材の制作などを通じて、普及活動に力を注いでいた!!
さらに言うと、地域の自治体や観光協会だって、伝統的な食文化を紹介するイベントやツアーを実施し、和食の魅力を国内外に発信していたではないか!!
全ては、力を結集して文化庁を動かすための働きかけだ!!
「日本酒」の場合は、どうだろうか?!
ここでも大活躍したのが農水省だ。日本酒のユネスコ無形文化遺産登録に向けて、業界団体と連携し、登録に必要な調査や資料収集を支援している!!
加えて言うと、全国の酒蔵を代表する業界団体(日本酒造組合中央会)も、ユネスコ登録に向けた活動を主導していた!!
具体的には、杜氏や蔵人の団体:酒造りの技術を継承・発展させるための団体を発足させ、登録に向けた活動を実施していたのだ!!
もっと言うと、地域の酒蔵や観光協会だって、酒蔵見学や試飲ツアーを通じて、日本酒の魅力を国内外に発信する努力を積み重ねていた!!
上述した関係者や団体は、ユネスコ無形文化遺産登録に向けて、連携しながら精力的に活動を展開していた!!全国の旅館・ホテル関係者、温泉地の人々が運動を盛り上げ、政府への働きかけを強めているのは、至極、当然の流れだと言える!!
様々な「民意」で政府を動かそうとすることを逡巡する理由など、全くない!!観光振興と地域経済の活性化を前面に掲げて「温泉文化」の運動を盛り上げることに、何の遠慮も要らない!!読者の皆さん、そうですよね?!
ちなみに、和食や日本酒のユネスコ無形文化遺産登録は、文化の保護・振興にとどまらず、地域経済の活性化や観光誘致にも大きな効果を上げている!!
和食の登録(2013年)を契機に、国内外での関心が高まった。農林水産省の推計によれば、海外の日本食レストランの数は、2006年の約2万4000店から、2015年には約8万9000店、2023年には約18万7000店に増加している!!
日本酒に関しても、その文化的価値が国内外で認識されたことで、消費拡大や観光誘致に寄与している。日本酒造組合中央会のまとめによると、2023年度の輸出金額はおよそ411億円!!この110年で、約4倍に増加している!!
あ、気がつくと、もうこんな時間(23時30分)だ。熱いお風呂に入って、早めに就寝する!!もう1つの疑問に関しては、シリーズの続編(その⑤)で取り上げる。
明日も午後から東京。温泉文化の要望活動に全力を注ぐ!!(ふう)