はじめに

この話を団体さんにも言わなかったことを
お詫びします。
大変、申し訳ありませんでした。

和奏ちゃんを看取り1年以上経ちました

過去の自分と同じ経験をする人を減らしたいという思いから、
この話を書くことにしました。


私は、逸走が怖いです。

首輪が抜ける
ハーネスが抜ける
シングルリードで金具が壊れる
ダブルリードで自分が転ぶ
フレキシブルリード
自宅以外の室内でリードを外すこと
病院でも
怖くて仕方ないのです

Y字ショルダーリードを知り、
自分にはこれしか無いと思いショルダー部分を握って散歩に行きます

私には、逸走が怖い過去の経験があります。

ここから、その話を書きます。
おそらく読んでいて辛くなると思います。
覚悟を決めてから、読んで下さい。





30年以上前の話です
ネットも携帯もない時代
犬は外が当たり前の田舎

姉が帰ってきて言いました
「会社近くの駐車場に仔犬が2匹段ボールに入れられて捨てられてた」

寒い日で降り始めた雪が積もり出していました。

「誰か拾ってくれてるかも知れないけど行こう」
と車で捨てられている駐車場に着くと
段ボールの中で震えている2匹の仔犬がいました

車に乗せて家に連れて帰りました

家に着いて、「さて、両親にどう話そう?」と
悩んでいるとき、、
ちょうど母がお風呂に入っていたので
少しドアをあけて2匹を風呂場に入れました

お風呂の中から
「あらー、あなた達、かわいいわね、うちの子になる?」と声が聞こえてきて

姉と一緒に「やったーー!!」と喜びました。

名前をつけました
左側がハッピー
右側がまめ



家族で担当も決めました
私の担当はまめ

次に迎える犬は室内飼育がしたかった姉妹、
犬は外の父
どっちでもよい母
父の言うことは聞かずに成犬になっても室内飼育のまま暮らしました

2匹は見事に室内をボロボロにしていきましたが
かわいいしかありませんでした

父親は、いつまでも怒ったままでしたが
庭を高さのあるフェンスで囲ってくれました
そのおかげで、
オシッコやウンチをしたいときは窓をカリカリして
お庭でオシッコするようにもなりました


いつも側に居ました。
一緒にテレビを見て、
その日にあった出来事とか
一緒に笑って、たくさん話をしました
寝る時も一緒
お散歩してても、私が止まると「どうしたの?」
と立ち止まり見上げてくれて



月一でトリミングに通い
避妊手術もし
定期的に健康診断
異変があれば、すぐ病院に連れて行きました



かわいくてかわいくて
その存在がいてくれることの幸せが
毎日、溢れていました



まめは、本当に優しくて賢くて良い子でした


私は「ウチの子は大丈夫」っと思い込み、
その自分の考えを信じることを疑いませんでした。

名前を呼べば一目散に私の元に来てくれ
リードを着けなければ玄関に降りることもなく

お散歩中にリードの持ち手を落としたりしても
拾うまで、そのまま待っててくれる子でした




あの日、あの瞬間、、、


突然、逸走しました


名前を呼んでも止まらなかった

そのまま車道に飛び出し

車に跳ねられました

すぐに駆け寄って抱き上げると
まめは反射的に私の手を噛みました

噛まれた手から血が流れていても
私は病院に連れて行くことばかり考えていて
大声で助けを呼んでいました

まめに視線を戻すと
申し訳なさそうに私を見上げていました

お顔から聞こえてきた
「噛んじゃった、ごめんね、ごめんね」

次の瞬間、脱力し、
私の腕の中で息を引き取りました



10年以上
テレビやお散歩してる犬を見るたびに
犬を飼う資格はないと自分を責めるのと同時に
自分には守れないかもしれないと怖かった

それでも、犬と暮らせる環境になり
犬と暮らす生活を諦められませんでした

「二度と同じ思いをさせない」
自分の心に固く誓い迎えたのが塩くんです

怖がりで逸走ばかりの和奏ちゃんを守ることに
対しては必死でした。

和奏ちゃんにはカートだけのお散歩も
虹の橋に渡る日の数時間前に病院に連れて行く時も
診察以外でスリングから降ろすことはないのにY字ショルダーリードを着けていました。


時代は変わり、いまはネットの時代
逸走する条件を知ることができます
逸走迷子防止のための物も買うことができます。

迷子にしたいと思って、するわけではないと
ほんの一瞬の出来事だということを身体の芯まで知っています。

今は、私の経験をせずとも知ることが出来て
家族の犬を守れる時代になっていると思っています。

私の過去の経験をする人が減りますようにと
切実に願っています。


30年以上経った今も
私の手の平と手の甲の両方に
あの時にまめが噛んだ痕が残っています


その痕が、一生忘れないようにと
まめが私に残してくれた遺言です

雪の日に助けたい守りたいと家に連れてきた命、
守れずに死なせてしまったのは私自身でした


一瞬の出来事のあと
人生が変わってしまうこと、
家族との関係が壊れてしまうこと
愛してやまない家族の犬と二度と逢えなくなること
そんな経験は誰にもして欲しくありません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました