去る火曜日に前回の記事をアップしていらい、3日間で5000件以上のアクセスを頂きました。また、ツィッタの告知ツイートにもたくさんのレスポンスを頂きました。これまでに各方面から寄せられたあたたかいお言葉のかずかずに対し、略儀ではございますが、この場で一括して御礼申し上げます。ありがとうございました。友として、また遺された者として、自分に与えられた使命を少しは果たせたかと安堵しております。
このように多数の方々に見送られたこと、SNS上のこととは申せ、決してヴァーチャルではない「現実」として自分は受け止めております。これもすべて故人の人柄ゆえのことと、寂しさの中にもそこはかとなく嬉しさも感じています。
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さて、28日の話に戻ります。この日の朝からhiroyukiさんの妹さんと連絡を取り合っていたところ、夕方、表記のライブが始まる直前に高校時代の恩師(こちらも僕にとってはかけがえのない大切な方でした)の訃報も受け取り、普段から鈍感な自分もさすがに滅入りました。悪いことは重なります。その時の僕は咄嗟に「式が重なったらどうしよう」などと世俗的きわまりないことを考えていました。人間とは悲しい生き物です。そんなこんなで気持ちの整理もつかず、高いところからZepp の入り口をぼんやり眺めているといろんな思いが去来して、正直なところライブを楽しむどころではなかったことは確かです。
しかしながら、いざ始まってみると、僕にとってはそんな日にまことにふさわしい、平和であたたかで、それでいて歌にも演出にも見どころにあふれた素晴らしいライブ、自然と笑みが浮かびました。
すでに日にちが経って、しかもいろいろなことがあったので、今となっては細かいことはよく思い出せません。選曲とか曲の並びに両チームの真心が込められていたことは感じました。あ、それと彩ちゃん、お願いだからあの曲でバナナを持って彼女のモノマネするのはやめてね(冷汗)。
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今回のエビネギの3公演については、いろんな方がいろんなことを言ったり書いたりつぶやいたりしています。そのそれぞれが各々にとっての真実であるのは間違いありません。僕も末席ながら1986年いらい、聴いた音楽や観たライブ、コンサートについて書く仕事を細々と続けてきましたが、駆け出しの頃はたくさんの人に自分の書いたものを読んでもらいたい、名前を売りたいという気持ちがどうしてもありますので、新奇で突飛な表現を使ってみたり、世論とは逆に張ってみたり、いろいろ工夫したものです。若気の至りです。
もちろん何かを批評、評論するためには、その何かとある程度の距離を取らないといけません。対象とズブズブでは偏った見方しかできませんから。かと言って、対象との距離が離れたままでは上っ面のことしか書けません。対象への愛がない文章は見ればすぐにわかります。
このあたりのさじ加減には随分と悩みました。もちろん今でも悩んでます。正解なんて見つかりません。
でも、話を戻しますが、故hiroyukiさんと知り合って、彼の動向を近くで拝見していると、なんとなくその命題に対する答えが徐々に見出せたような気がします。
フリーライブ後に行われる握手会やツーショット会、あるいはさまざまなゲーム。僕はエビ中現場に行き始めた頃、それらを遠目に見て、面白そうだけどとてもそこには入れないと思いました。すでに自分はいわゆる分別盛りの年頃でしたから。手紙や花やプレゼントを贈るなんてことも自分とは別世界の出来事でした。
でも、それらのことを臆面もなく実行するhiroyukiさんの姿、持病で2回目の入院(この時も結構危なかった)から現場へと生還したあと、見る見る元気を取り戻して行ったさまを間近で見て、僕のアイドル観は全く別のフェイズに入ったというか、やっぱり一度その世界にどっぷり入って、その上で距離を置いて見る、その2つの心がないと、書くものに血は流れないとふと思いました。以来、自分の中でヲタクとレビューワの調整をはかりつつ、楽しいことも悲しいことも経験しながら今日に至ったこと、このブログをお読み頂いたり、現場で僕と実際に交流して頂いたり、あるいはたまに書くほかの媒体で自分の文章を目にして頂いたりするとおわかりいただけるかと存じます。
どんな評論も書き手の主観を逃れられるものではないと自分は思います。そして、もしそれが真であるなら、多くの他者の主観、あるいは心に、それらをおもんばかって目を配り、寄り添うこと、その気持ちを忘れないでいれば、そうそう大きな間違いを犯すことはないんじゃないか。hiroyukiさんとの付き合いの中で僕はそんなことを学んだような気もしますし、その点では彼は僕にとってひとりの恩人でもあります。
彼も来るはずだったエビネギ the Final の当日、開始時間の午後7時に彼は息を引き取ったと聞きました。それを暗合とみるか単なる偶然とみるかは人によってさまざまですし、その一致に意味なんて当然ありません。でも彼と知り合って、友だち付き合いをし、そんな中で自分とエビ中との関係性も変化してきたこの数年間を経た上での、このタイミングでのエビネギ the Final。僕としては複雑で重層的で豊穣な味わいの忘れ得ないライブとなりました。りかちゃんとNao☆ちゃんが両グループを代表して(というのもこちらの勝手な思い込みですが)「アンタ」を歌ってくれたこととか、考えだすと妄想は止まりませんが、こういうことを考えたり同好の士と語り合ったりするのもアイドルを観る大きな楽しみ、喜びの一つであり、こういう味わいのある世界に僕をいざなってくれたhiroyukiさんには改めて感謝したいと思う次第です。
