エディ・ハリスは日本の一般的なジャズファンにはほとんど無視されていますが、彼ほど天才という概念を感じさせる人はなかなかいないと思う。このレコードだって、ジャケットだけ見たらまず手は出ないでしょう。でもこれ、ジャズでもファンクでもソウルでもない、まさしく「エディ・ハリス」としか形容のしようがない、非常に不思議なアルバム。でも聴いていてこんなに心地よいレコードもそうそうない。素晴らしいです。
本職はテナーサックスですが、歌も歌う、トランペットも吹く(このアルバムではトランペットはドン・エリス。軍楽隊時代の同僚だったそうです)、ピアノも弾く。電気サックスやその他いろいろ特許を取っていて、アナログとデジタルの隙間というか、この人の作る音は独創的、見た目とは裏腹に繊細かつゆったりとした藝風、大衆音楽としてのジャズを考える場合、この人に触れないわけにはいきません。
初期のVeeJay盤から最盛期のAtlantic盤、晩年のVirginやEnja盤まで、彼の録音はほぼ全て聴いてきましたが、最近になっていよいよ好もしく思えてきました。玄人受け、というといかにも自分が玄人のような物言いで恐縮ですが、マイルズやコルトレーンだけがジャズだと思ってるような人には決してわからない境地、ここまでたどり着いた人だけが楽しめる、そういう種類の音楽です。亡くなって今年で20年、彼のことを表立って取り上げて来なかったのは、日本の一部音楽ジャーナリズムの怠慢と言うしかない。まあどうでもいいけど。
この人のレコードは中古市場で余程のことがない限り捨て値でゴロゴロ転がっています。集めるなら今のうちですよw

