『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965)感想|本多猪四郎×円谷英二の昭和特撮、ラストの大ダ | ほくとの気ままなブログ

ほくとの気ままなブログ

ブログの説明を入力します。

怪物より印象に残ったのは、

まさかの"アイツ"でした。

 

映画『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』

 

 

=====================

原爆が生んだ怪物か、

それとも人間が生み出した悲劇なのか。

 

怪獣映画でありながら、

戦争と生命について考えさせられる異色の一本でした。

=====================

 

■作品情報

1965年/90分/東宝

<監督> 

本多猪四郎

<特技監督> 

円谷英二

 

<出演>
高島忠夫、ニック・アダムス、水野久美、土屋嘉男、藤田進、志村喬 ほか

 

 

■内容

終戦間際、ドイツから日本へ極秘裏に運ばれていた「フランケンシュタインの心臓」。

しかし、広島への原爆投下によって、その存在は闇に消えたはずでした。

 

 

それから十数年後、広島に正体不明の少年が現れます。

 

週刊映画鑑賞記(2018.4/30~2018.5/6) 『フランケンシュタイン対 ...

 

放射能の影響を受け、異常な速度で成長するその少年は、やがて「フランケンシュタイン」と呼ばれる存在に。

 

 

一方、日本各地では家畜が襲われる事件や失踪事件が相次ぎ、地下に潜む未知の怪獣「バラゴン」の存在も明らかになります。

そして物語は、二つの異形の存在による壮絶な戦いへと向かっていきます。

 

 

**********************

 

 

■『ガス人間第一号』から気になっていた一本

少し前に鑑賞した『ガス人間第一号』。

 

 

その続編企画として『フランケンシュタイン対ガス人間』という構想があったことを知り、そこから発展した本作が以前から気になっていました。

今回は配信で初鑑賞です。

 

タイトルだけを見ると、いかにも昭和の怪獣映画という印象ですが、実際には戦争、原爆、そして生命とは何かというテーマまで盛り込まれた、意外にも深い作品でした。

 

■特撮は……うん、時代を感じます(笑)

1965年の作品ですから、現代のCG技術と比べるのはもちろん野暮ですよね。

そこは百も承知なのですが、正直に言うと、1954年の初代『ゴジラ』と比べても、特撮部分は少し物足りなさを感じてしまいました。

 

映画DVD『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』(3) 有名な ...

 

特に、家畜や動物が襲われるシーンのミニチュア。

「あ、これは完全に模型だなあ(笑)」

と思ってしまう場面もあり、どうしても画面越しにクスッとなってしまいます。

 

もちろん、1965年当時としては精一杯の技術で作られた作品ですし、時代背景を考えれば十分楽しめるのですが、このあたりには少し時代を感じました。

 

■怪獣映画というより、戦争が生んだ悲しい物語

この映画で一番印象に残ったのは、怪獣同士の戦いではなく、フランケンシュタインという存在でした。

 

 

彼は自ら望んで生まれたわけではありません。

戦争という時代に翻弄され、巨大化したことで人々から恐れられ、追われ続ける存在になってしまいます。

 

 

だからこそ、単なる怪物ではなく、どこか哀愁を漂わせる悲しい存在として映りました。

 

怪獣映画という枠を借りながら、人間の愚かさや戦争の悲劇を描こうとした本多猪四郎監督らしさを感じます。

 

■ラストに突然現れた「アイツ」にビックリ(笑)

そして今回、一番驚いたのがラストです。
(※少しだけネタバレになります)

 

今回私が観たのは「大ダコ出現版」。

バラゴンとの壮絶な戦いが終わり、

「これでエンディングかな」

と思ったその瞬間…。

 

まさかの巨大なタコが登場!

 

「えっ!? なんで急にタコ!?」

と思わず画面にツッコミを入れてしまいました(笑)。

 

 

後から調べてみると、実は『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』には2種類の結末が存在することが分かりました。

 

劇場公開時の「オリジナル版」では、バラゴンを倒したフランケンシュタインが地割れにのみ込まれて幕を閉じます。

一方、今回私が観た「大ダコ出現版」は、その後に巨大なタコが現れる場面が追加されたバージョンです。

 

この大ダコのシーンは海外公開用に追加撮影されたもので、アメリカ側から

「もっと怪獣を出してほしい」

という要望を受けて作られたそうです。

 

何も知らずに観ていたので驚きましたが、こんな裏話を知るのも昔の映画ならではの楽しみですね。……と、少し真面目にまとめたいところですが、やっぱりあのタイミングで現れる大ダコには、半ば呆れながらも思わず笑ってしまいました(笑)。

 

 

■ほくと的まとめ

正直な感想を言えば、期待していたほどのインパクトはありませんでした。

特撮もストーリーも、初代ゴジラと比べると少し物足りなさを感じます。

 

東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)-19 – 国立映画アーカイブ

 

しかし、「原爆」と「フランケンシュタイン伝説」を結び付けるという大胆な発想は非常に興味深く、単なる怪獣映画では終わらない作品でした。

 

本多猪四郎監督が描きたかったのは、怪物の恐ろしさではなく、戦争が生み出す悲劇や、人間の愚かさだったのかもしれません。

 

もちろん、ラストの大ダコには思わずズッコケましたが(笑)、それも含めて今では本作の個性の一つ。

 

昭和特撮ならではの味わいと、時代背景を感じながら楽しめる一本でした。

 

評価:5点満点中2.8

 

(画像はお借りしました)·