視聴率50%超えのデンマークTVドラマ。
その伝説的北欧ホラーの最終章が25年の時を経て蘇る。
前作品、「キングダムⅠ・Ⅱ」で根底に流れる、ラース・フォン・トリアー色はここでも健在。
驚愕の結末まで、瞬きする間の319分。
善も悪もあることを心得よ!
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映画「キングダム」
エクソダス<脱出>
2023年 デンマーク 319分
<監督>
ラース・フォン・トリアー
<キャスト>
カレン:ボディル・ヨルゲンセン
(夢遊病者。助けを呼ぶ謎の声に導かれ、デンマーク・コペンハーゲンの巨大病棟(キングダム)にたどりつく)

ヘルマーJr:ミカエル・パーシュブラント
(キングダムに赴任してきた、スウェーデン人の医師)
ボントビタン:ラース・ミケルセン
ブルザー:ニコラス・ブロ
アンナ:ツバ・ノボトニー
<内容>
1990年代にデンマークで社会現象を巻き起こしたラース・フォン・トリアー監督によるテレビドラマ「キングダム」の25年ぶりの続編となる最終章。
デンマークの架空の病院を舞台に、個性的な登場人物たちが数々の怪事件に巻き込まれていく姿を、全話5時間以上をつないだ映画作品として上映する。
夢遊病者カレンは夢の中で助けを呼ぶ声に導かれ、謎に包まれた巨大病院キングダムにたどり着く。カレンは用務係ブルザーや心臓外科医ユディットとともに病院の呪いを解こうとするが、悪魔の力に反撃されてしまう。
一方、キングダムに赴任してきたばかりのスウェーデン人医師ヘルマー・ジュニアは、亡き父スティグ・ヘルマーの秘密を探るが……。
怪優ウド・キアらオリジナルキャストが一部続投するほか、「ノースマン 導かれし復讐者」のアレクサンダー・スカルスガルド、テレビドラマ「THE KILLING キリング」のラース・ミケルセンらが出演。
(映画COM)
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9月23日横浜シネマリンにて鑑賞。
319分の映像、見ごたえありました。
ついにキングダムが25年の時を経て完結。
延べ鑑賞時間約15時間、完走いたしました。
面白かった~~!
さてと、これまたどう書きましょうか、この物語はネタバレしないようにしないといけないし、話が本当に色々と入り組んで展開しますのでどうしたものか・・・。
基本、呪われた巨大病院でその呪いを解こうとする老婆と、デンマークに対してディスるスウェーデンから赴任してきた医師、そこにまつわる病院内の関係者が入り組んで展開する話の構図は、「キングダムⅠ・Ⅱ」と同じ。
ホラー、サスペンス、コメディと玉石混交いやいや全てが玉のみだと思いますが・・・!
今作品もトリアー劇場炸裂でした。
意表を突く冒頭からの展開。
フィクションなのか?
ノンフィックションなのか?
まず冒頭からのシーンがこれまた秀逸。
少しだけネタバレしてしまいますが、今回の主人公カレンがドラマ「キングダム」を観ているシーンから始まります。
ん?ん?そのパターン、あの~・・・少し前にブログアップした映画「ムカデ人間2」と一緒じゃないか!!と思って鑑賞しておりましたw
カレンがそのドラマ「キングダム」を観て、これではこの物語は中途半端で何も解決していない、ということで病院へ乗り込み色々と奮闘する物語とでも言っておきましょう。
その訪れたカレンに対して病院では、
「あのドラマのせいで病院は迷惑千万、評判はガタ落ち。すべてはラース・フォン・トリアーの戯言なのに」
と病院スタッフが嘆くありさま。
もうこの辺からすでに、
ドラマと思われていた世界が現実なのか、
それともこれもドラマなのかと交錯していきます。
この辺も「ムカデ人間2」といっしょw
でも、前作品から25年の月日が流れての続編なので、この挿入展開は前作品とはうまく差別化を図っていたと思います。
前作品を踏襲している数々のシーン
冒頭の漂白池のシーン、
耳に残ってしまうあのテーマ音楽、
セピア色の荒い映像、
クレジットのデザイン、
そして話の途中で挿入される洗い場スタッフの会話、
とどめはエンドロールに登場のトリアー監督
前作と変わらないテイストを引き継いでくれていました。
エンドロールのトリアー監督、あの名セリフ
「善も悪もあることを心得よ」
も、もちろん健在。
でもその監督登場場面は、ちょっと変化球でしたよ。
こうご期待!
そしてこの映画の核の一つである、デンマークVSスウェーデンの構図もしっかり生きております。
スウェーデン医師ヘルマーJr(前作ヘルマー医師の息子として登場)の、デンマークに対するでディスりも健在なのですが、そのスウェーデン人ヘルマーJr医師の顛末は、強烈なラスト落ちがありました。
ありゃ~~えぇ~まじ?
そうなの?
でして、劇場内では笑い声もあちらこちらで、私もクスっとしてしまいました。
セピア色の映像
全体的にセピア色がかかり、粒子の荒い映像も踏襲されています。
冒頭では、ごく普通のカラー映像でしたが、助けを呼ぶ声に導かれる主人公カレンが病院へ入るや否や、セピア色にカラーチェンジするところはにくいですね。

映画オペラ座の怪人がモノクロ映像から、カラーに徐々に変わる冒頭シーンの感動にも匹敵するほど。
そして個性豊かなキャストと、ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)全盛の今の時代に逆らうかのように、人種やジェンダーなどきわどい言及も満載。
ここがトリアー監督の真骨頂でもあるかと思ったりもします。

主人公以外の人達も本当の個性的で、だれが主人公かわからなくなってくる感じもあります。ちなみに、前作のスウェーデン人医師ヘルマー役を演じていた役者さんがお亡くなりになったので、そのJrが赴任してきたという設定。新しいキャストもまた、前作からの登場しているキャストもでてくるのが嬉しい限りです。
ただ25年の月日が経過しているのでそこは・・・ですが。

またこの映画の根底に流れている「善悪不二」のテーマ性がある部分もそのまま継承。
中途半端な謎を多く残したまま20数年を経過。
ある程度モヤモヤが回収されてはいますが、それでも私の中ではまだクリアーにはなっていない、説明しろといわれれば判らない部分も多々あり。でも、それでいいのかも・・・だってトリアー監督だもの。
しかし、アルツハイマーを発症しながらこの作品を撮ってくれたことへ本当に感謝です。もうこの続きは無理でしょうかね?
前述しましたが、今作品も奇人変人たちのオンパレード。
ご覧になっていない人は、ここまでお読みいただいてもこの内容では
「何いっているか、よくわからない?」
かもしれませんが、まだまだ続きますのでご辛抱ください。
ただ飽きてしまってほとんどの方が読んでいないかとは思いますが、読まれている方には最後に特典もありますので、もうしばらくお付き合いくださいね!w
イングマール・ベイルマンのオマージュか?
ラストシーンでは、スウェーデン人のイングマール・ベイルマン監督、映画「第七の封印」の中でラストに出てくる、死神に先導され数珠つなぎになって踊る犠牲者たち。

(↑映画「第七の封印」)
そのシーンをオマージュしたような映像が登場。
ん?オマージュなのかどうかな?
ただそれまでのデンマークVSスウェーデンのなかで、つまらない映像を撮る監督ということで、べイルマンをあげている会話が出てきてはいるのです。
日本人ツアーの聖地巡礼も登場!

病院内はキングダムのドラマを見た人たちが、聖地巡礼で訪れている。
アジア系のツアー団体?と思っておりましたが、
「ここがあそこで登場した場所でしょ」
みたいな、はっきりとした日本語が聞こえ、ビックリと同時に笑ってしまいました。
聖地巡礼が、ここでも行われていたとはw。
このようなことばかり書いてはおりますが、ただしこの映画コメディ映画ではありません。
「善も悪もあることを心得よ」
と監督が登場し、発するこの言葉。
その言葉の通り邪悪な物との戦いが軸にもなっているのです。
まぁとにかく、個性豊かなこの病院に集まる人々の奇妙な世界が同時進行していく。
そして物語の最後はある意味、唖然としてしまうような最悪のラストになっています。
そこはネタバレしませんが、善も悪もあるとはいいつつ、
悪だけじゃないの?
悪が勝っている?
って感じでしたよ。
そしてデンマークの病院キングダムが嫌になり脱出するヘルマーJr。
その先ではデンマークの人魚の像がでてきて、
「すべては盗まれた」
と注釈が加えられています。
あれは何だったのだろうか?
監督だけがわかる世界観落ちなのか?

先ほどもちょいと書きましたが、物語の本当に最後は、普通に見ると最悪のバットエンドのようなラスト。
本当にそこまでやっちゃうのですか?トリアー監督さん~~!と嘆きたくなるくらい。
ただし、もしかしたら監督自身はそれがハッピーエンドとして撮影を終わらせたのかもしれません。
とにかく私の頭では理解不能。
小難しく語るとしたら、デンマーク育ちの監督が品行方正な人々(スウェーデン人)や、その他の国々の人々の既成概念、窮屈な世界、善と思われている事象などに抵抗し、自身の心の開放をしたかったのかな?と思ったりも。
監督のこの作品に対する思い入れはあるのでしょうが、遊び心多く感じられる内容の作品でした。
きっちりとした解説は、ご専門のかたにお任せしましょう。
ユーモア・狂気・不条理極まりないシーンの連続。
そのカオスの世界に魅了されること間違いなし。
善も悪もあることを心得よ!
この作品、今年のほくとのグランプリ候補に浮上の予感です。
5点満点中4.3
(画像全てお借りしました)
冒頭部分~予告映像
予告映像
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ここまでお読みいただいた方へ、感謝の意を込めて特典記事!w
(おまけ)
映画のストーリーとは関係ありませんが、登場するスウェーデン医師がデンマークの事をバカにするシーンが数多く出てきます。スウェーデンのジョークをいくつかご紹介です。

【スウェーディッシュジョーク1】
インターポールがデンマークに逃げた囚人を探すため、デンマーク警察に男の写真を送った。
その写真は左右両側と正面から撮られていた。
2・3日たってデンマーク警察が言うには、「我々は左向きの男と右向きの男は無事捕まえたが、正面向きの奴だけまだ捕まえられていない」
【スウェーディッシュジョーク2】
Q:なんでデンマーク人はかくれんぼを絶対しないの?
A:誰もデンマーク人を探したがらないからさ。
【スウェーディッシュジョーク3】
デンマークの飛行機がスウェーデン・ストックホルムの空港に着陸しようとしていた。
管制塔はパイロットに無線をつなぎ、彼の位置を尋ねた。
デンマーク人のパイロットは驚いて、何もしなかった。
もう一度管制塔はパイロットに無線で呼びかけた。
「お願いです、我々にあなたの位置を教えてください」
するとパイロットは理解し、答えた。
「私はいつものようにフロントシートに座っていますよ」
【スウェーディッシュジョーク4】
デンマーク人の男は悩んでいた。
彼の妻は電車で帰宅することになっていた。
しかし、彼は妻の帰宅時間が8時40分と4時80分のどちらだったかを覚えていなかったのだ。


















