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 企業は会社のお金やデータ、同僚らを危険にさらす可能性のある問題社員をうまく見つけ出す方法を探している。



 もちろん大半の経営者は問題社員をそもそも雇いたくないと思っている。しかしサイバー攻撃の多発や、不満を抱える社員や退職した元社員が「重大なサイバー攻撃の脅威をもたらす」可能性があるとの連邦捜査局(FBI)の警告を受けて、経営者は「腐ったリンゴ」を取り除くためにスクリーニング(適性検査)の強化や、新たな技術の導入などを試みている。



 従業員はさまざまな面で会社の重荷になり得る。インサイダー取引、経費や給与の水増し請求、贈収賄、恐喝といった行為のほか、単純に非生産的であることも問題だ。データへの不正侵入が一般的になるにつれ、従業員のネットワーク上での行動を監視し、危険な動きを特定する手助けを行うセキュリティー関連会社が登場してきた。



 「腐ったリンゴ」を取り除く動きは大きなトレンドになりつつあるが、従業員のコンピューター上での行動分析という技術が使われるようになってきた。仕事場での適性テストは年間5億ドル(約540億円)規模の市場になっている。例えば私欲のために他人を踏み倒したり、同僚を脅したりといった性質や、不誠実さ、共感力の欠如などといった「サイコパス(精神病質者)的」な要素を持った採用候補者や社員を見分けることも狙いの一部だ。



 テクノロジー面での取り組みを追加する価値はあるかもしれない。FBIによると、従業員によるサイバー攻撃により企業が受ける損害は5000ドルから300万ドルに及ぶ。こうしたサイバー攻撃にはデータやソフトウエアの窃盗から、会社のウェブサイトへの妨害などが含まれる。



 社内の脅威から企業を守る事業を手がけるパーソナム社(バージニア州)の創業者兼最高経営責任者(CEO)クリス・カウフマン氏によると、特に大衆向けの事業を行う企業に、サイバーセキュリティー予算に内部の脅威に対処するための項目を入れるケースが出てきたという。「企業は内部の脅威を非常に意識しており、かなり懸念を持っている」。同社の顧客には金融サービス企業、法律事務所、ヘルスケア関連企業などが含まれる。



 パーソナムは従業員の行動プロファイルを作成する。同じような業務を行っている従業員の作業を基準として利用し、データベースの作業に不当に時間を使っていたり、無許可で不自然な時間帯に作業をしていたり、古いデータをダウンロードしていたりする人物を見つけ出す。



 カウフマン氏は「内部の犯罪者は違法行為に完全に移行するわけではない。彼らは自分の業務をし続けている」と言う。「われわれの技術は彼らの小さな行動の変化や、彼らと緊密に仕事をしている人たちとの違いを捉えるために作られた」



 社内の脅威となるような従業員はたいてい、入社当初からそんなふうではない。専門家によると、大半の人は会社から何かを盗むつもりで仕事を探すわけではない。犯罪行為は数カ月もしくは数年後に始まる。昇進が見送られたり、上司に人前で激しく非難されたりといった人生を変えるような出来事がきっかけになる。



 フォレンシック・コンサルタンツのデービッド・バーンスタイン社長はヘッジファンドからバイオテク企業まで年間約100社のコンサルティング業務を手がけている。顧客企業が人材を採用する際、将来インサイダー取引や妨害行為を行う可能性のあるサイコパス的な傾向を持った人物を特定する作業をバーンスタイン社長は手伝う。忠誠心や共感力の欠如、人を操りたがる傾向、精神障害など、倫理的な境界線を侵しかねない要素を持った性格的特徴を探すのだ。



 サイコパスを雇うことに伴う従来のリスク――同僚を危険にさらしたり、会社を法的問題に巻き込むような違法行為を行ったりするリスク――に、今やコンピューターへのハッキングという恐れが加わった。



 バーンスタイン氏は「今は誰もがネット上に存在する」と指摘する。サイバー犯罪者や会社の業務を意図的に妨害する従業員は、金が目当てだ。「彼らは会社のことは気にも留めていない。忠誠心はまったくない」



 FBIは企業に対し、従業員が何にアクセスしているかを定期的に検査し、業務に必要ないシステムへのアクセスは排除するよう勧めている。また、第三者のサービス提供企業を常に社内に関与させ、社内コンピューターへのインターネットを介したアクセスを制限し、パスワードの再利用を禁止することもアドバイスしている。





By Priya Anand