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新たな研究結果によると、解熱鎮痛剤「タイレノール」の商品名で知られるアセトアミノフェン(一般名)の服用が意思決定の心理的苦痛も緩和できることが示された。もしそうであれば「タイレノールの服用で、持家の売却者に価格の値引きをさせやすくなるか」という疑問が生まれる。
学会誌「実験社会心理学」に来年掲載される予定の「アセトアミノフェンが意思決定の痛みを緩和できるか」という記事は、感情的痛みは身体的痛みと重なる可能性があるというこれまでの研究結果に新たな所見を加えている。
ケンタッキー大学の心理学教授でこの記事の共同執筆者ネイサン・デワル氏は「人は下さなければならない決定について話すとき、痛みというかたちで表現する」と指摘する。隣人が自宅の売却を「つらい」と言ったり、2社から同時に仕事のオファーを受けて引き裂かれる思いをしている同僚を考えば分かる。
ある実験で大学生95人を、アセトアミノフェンを100ミリグラム投与群と、プラセボ(偽薬)投与群に割り当てた。大学のロゴいりのマグカップを差し出し、この2群のそれぞれ半分の学生にマグを自分のものにしていいと伝え、2群のもう半分の学生にはマグは研究所のものだと伝えた。学生全員はマグに愛着をもってもらうために30秒間与えられた。
アセトアミノフェンが効き目の頂点に達した時点で、学生はマグを売るよう伝えられた。研究者が予想したとおり、全4群のうち最低の売却価格を要求したのは、アセトアミノフェン投与群のうちマグを自分のものにしていいと伝えられた学生で、平均4.15ドルだった。プラセボ投与群のマグを自分のものにしていいと伝えられた学生は、平均6.27ドルを提示した。
この結果は「損失回避」という意思決定理論を説明している。人は利益を得るより損を避ける傾向にある。この実験は、マグを失うという考えが心理的痛みを引き起こしたが、アセトアミノフェンを服用することによりその痛みが緩和され、マグに愛着を持ったにもかかわらず学生が低価格で売却する決定を下すのを助けたということになる。
デワル氏はアセトアミノフェン群について「所有物を手放すことは学生にとって容易なことだったが、それは本当はやりづらいことだ」と述べた。
ここでは、自宅の売却に感傷的になった所有者が不動産業者の差し出した売却価格に納得せず、高い価格を要求するのと同じ心理が働いている。
デワル氏は複雑なシナリオを使ってさらに研究をする必要があると述べた。例えば実験の参加者がもっと個人的で高価な所有物について売却を迫られる場合、結果は一層顕著になるのかどうかだ。
もちろん、この実験で洞察は得られるが、すべての回答は得られない。同氏は「アセトアミノフェンを服用すれば、不動産業者とけんかしなくなると言っているのではない」と念を押した。
By STEFANOS CHEN
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