村田さんの作品は『コンビニ人間』以来かなあ?
『生命式』
早く続きが読みたくて、いつもは苦痛な通勤時間が楽しみになったぐらい、面白かった!
お葬式の代わりの「生命式」
表題作「生命式」の世界では、お葬式の代わりに「生命式」というものが行われる。
死者の肉を食べて、その場にいる誰かと生殖活動に励む。
それが弔いの形として、当たり前に受け入れられている社会。
「人肉はみぞれ鍋が一番だよね!」とか
「山本くん(死者)のカシューナッツ炒め」とか。
ふざけたことを、大真面目に、丁寧に書いてある。
その温度差がおかしくて、読みながら何度も笑ってしまった。
まるで漫才を見ているような、
ボケとツッコミのテンポで物語が進んでいくような、独特のリズムがある。
私だったら、夫をどんなレシピで料理しようかな、とか真剣に考えてしまう。
だんだん「あり得るかも」と思えてくる
不思議なのは、最初は笑って読んでいたはずなのに、途中からその世界が現実に地続きに思えてくることだ。
人肉を食べることも、生命式という制度も、常識として当たり前に描かれている。
読者はその「当たり前」の中に少しずつ引き込まれていく。
こういう世界、あるいは未来が、本当にどこかにあるのかもしれない、と思えてくる。
そう思わせてくる村田沙耶香さんの筆力は、すごい
笑いと恐怖が、同じところから生まれている
『生命式』が面白いのは、ホラーとして怖がらせるのではなく、笑いの延長線上に恐怖がある構造だと思う。
常識がずれた世界を、大真面目に、淡々と描くことで、読者は笑いながらじわじわと不安になっていく。
このバランス感覚は、他に類をみないと思う。
いやー、おもしろかった、村田ワールド。
読んだことがない方には、ぜひ一度手に取ってみてほしいです!!
他にも面白い短編があったのだけど、長くなったのでまた〜
そして、この本を知ったきっかけ、
「東京の人は冷たい?」件についてもまた~









