ぼくが新米先生だった頃にね、
保護者の方々との飲み会の場でね、
酒を酌み交わしながらたくさんのことを教えてもらいました。
その中にね、
「〇〇先生のげんこつが痛かったけど楽しい思い出だなぁ…。」
とか、
「〇〇先生は、怖かったけど尊敬しているんだ。」
なんて話してもらったのよね。
その先生は、ぼくも尊敬していて目指す先生像だったからね、
真似しようと思ったの。
まずは完全コピーをしようって決意したんだ。
ぼくは剣道をずっとやっていたのよね。
でね、剣道には見取り稽古っていうのがあるの。
先生や先輩や他の人の体裁きや技を見て自分のものにするの。
だからぼくは、物まねや完全コピーがうまい…。あは。
ぼくはその先生を徹底的に真似をしたの。
語り方や冗談の言い方や叱り方から腕の組み方まで、完全に真似をした。
授業を見せてもらって、授業中の先生の眼差しや表情、話すスピードや間の取り方まで真似していったの。
特にね、わんぱく坊主たちが起こす問題をね、サラッとげんこつと一言で片づける技がかっこよく見えたの。
ガミガミ怒らないでスパッと怒る。
子どもたちも反省してすぐに行動に移れている。
若いぼくには、それが神業に見えたの。
家でげんこつの練習なんかしたりしてね…。
ははは…汗。
昔の子どもたちっていろんなことを悪気はないけどやってしまうのよね。
例えば、校舎に泥んこや石を投げつけて遊ぶとかね。
当然校舎の壁が汚くなったり、窓ガラスが割れたりする。
そこをガミガミと長~く怒ったりしないで、ゴンと一発だけ。
その方が子どもは十分に反省して、
すぐに素直に謝ることができた時代だった。
経験を積んでいくと、もうげんこつなんか必要なくなった。
大声で怒鳴る必要もなくなった。
小学校の2年生くらいになると、先生の空気感を読み取れるようになるからね。
子どもたちが気づけばいいし、反省できればいいんだもんね。
もう40歳を過ぎたあの頃の教え子たちからは、
「早川先生のげんこつは痛かったけど、楽しい思いでです。」
なんて言われる。
いくらそういう時代だったとは言え、とっても恥ずかしくなってしまうのよね…。
やっぱり申し訳なく思うんだ。
未熟だったぼくを受け入れてくれた教え子と保護者の皆さんには、今も感謝の思いでいっぱいです!!!
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