この記事は「記事リクエスト・質問・その他:その5」(記事はこちら☆)のコメント欄にいただいたご質問への回答となります。
以下が、そうたママさんのご相談内容です。
お子さんについて:
・小3、ADDグレー
・小学校は普通級で毎日楽しく通っている
心配な点:
・読み書きについて、学校、通っている塾ともに指摘されたことなし。ただし読み書きともに心配している点あり。
・音読で、「初見のものに関して、たどたどしく読んだり、助詞を呼び飛ばしたり、語尾を読み間違い」する。
・書き、特に作文では「同じ内容を二度書くや、文法がおかしかったり、助詞を書き飛ばしもあり、めちゃくちゃ」な状態。
・先生に相談しましたが、書けない子がいる中で、書けるだけ良しとしましょうと言われている。
ご質問:
親としてどうサポートすれば、伸びますか?
というご質問です。
お子さんのサポートのためには、まずはできるだけ正確に「原因に基づいた、効果のある対処法」ができることが成果が大きくなります。原因が不明のまま、あれこれ試しても空振りすると親も子も疲労を感じるばかりで、また「成長しているなあ」という実感がないと、とても頑張れません。よって、こうした迷走をしないため、一番大事なスタート地点で
「なぜ、子供はこういう状態になるのだろう」
「特性なのか、特性部分であれば具体的にどういう点で、どんな困難を引き起こしているのだろう」
「特性以外の、何か他の、例えば声を出す、読む際に疎外するような何かがあるのだろうか」
等々、いろんな方面から「もしかすると」という仮定をいくつも想定して、かつ「子供の状態をなるべく事実に基づいて調べて」照らし合わせる、ということをするのがおすすめです。結局、原因を正確につきとめられれば、少ない労力で早いフォローアップにつなげられるので、困った部分を補うことができれば、またその部分を具体的に対策や工夫ができれば、本人も楽になります。
お子さんの音読以外のノートや板書の状態、塾でのテストの文字や読解の状況なども併せて「根拠」を探すのがいいかと思います。
この記事では、いただいた情報内から「親族のケースを思い起こしながら」いろんな想定を考えてお返事しますので、現実の根拠をもとにしておりませんので、外す予測も多々含む、ということをご了承ください。そのうえで、私達の親族の過去から今のケースを掘り起こすと数通りのケースが思い浮かびます。そしてそれは、それぞれに全く違った特性や身体状態のケースです。お子さん自身がどれに当たるか、をつきとめるには、やはり専門家の手が、それも「専門分野が限定されている」慣れた専門家の検査などが必要となるかと思います。
親族の「音読、作文などが難しい」ケースでも違いがある部分は以下の通りです。
・書字・読字のみの障害のあり・なし
・目の動き(眼球運動)の問題のある・なし
・学習の経験度合いの遅れ・または情報量の足りなさのある・なし
・学習方式(定型方式)がご本人の特性と合っている・合っていないのある・なし
・心理的なストレス、緊張、プレッシャーなどが読む、話すという同時処理時に発露しやすい(緊張による能力の阻害)
などです。どれも親族の子達に実際にあった・今もあるケースで、上記のある・なしで症状も原因も異なっています。それぞれにかかっている専門家や対処法が全く違います。よって、お子さんの今の「音読をすると読み飛ばす」のが
・眼球運動ゆえなのか
・そもそも学習能力の発達度合いと今の学習の内容が見合っているのか(発達年齢相応かどうか、背伸びをしているのか、時期がくれば成長とともにできるようになるのか)
・学校で履修している総合的な学習理解度はどれぐらいなのか(学習能力そのものが遅延しているのか)
・緊張すると音読という形式に最も弱点が出やすいのか(緊張すると震える、上がり症で顔が赤くなりわけがわからなくなる等と似た状態)
・他の授業のプリントや算数のテスト、塾の授業などでは音読以外で極端な症状が出ているのか
・「初見のものに関して」ということは、慣れると読める能力があるのか、読めない凹み特性を補うために「記憶する」方法に頼って凹みをカバーしているのか
など、全体的な観察と根拠を用意する必要があります。
先ほど書いたように、できるだけ数多くの根拠となる要素や情報を仕入れた上で、最も「これが原因のような気がする」順番に、専門家の門をたたき、科学的、医学的に検査をしていただき「原因を特定する」方法が、最もすっきりすると思います。以下、親族たちがそれぞれに具体的に取った対応です。
☆ テストや読書、どの教科・どの学習・学校や塾でもひとしく読み書きも読み飛ばしが多いため、大きな大学病院のLDセンターで書字・読字障害の検査とそのフォローであるトレーニングのような療育を用意されていますので、そちらを利用しました。素人ではできない領域の検査と的確な「具体策」をはじき出して提示してもらえ、トレーニングによって子供が「自分が読める範囲、読み方、記憶と入力と出力」について学びました。
☆ 運動が苦手で体の動きもおおざっぱで不器用なため、音読ができない・読み飛ばしが多い・文字がノートの枠におさまらない、などの原因が目の動きも同じかもしれないと視覚機能検査を受けました。ビジョントレーニングをすることで、小学校高学年になるまでに読書が楽にできるようになりました。
眼球運動と運動については関連性がありますので、日常生活の中で体を壁にぶつけやすい、転びやすい、球技がとことん不器用でできない、体の使い方がとても下手、学校で板書をノートに写すのが壊滅的にダメ、というのであればこちらを考慮されてもいいかと思います。
検査はビジョントレーニングをされている眼鏡屋さんの視覚機能検査ができる有資格者の方がされることが多く、眼科ではされないことも多いですので、眼科に行かれる場合は「ビジョントレーニング」「視覚機能検査」ができる場所を選ぶ必要があります。眼科にも視覚機能検査とビジョントレーニング専門ではない所では、上記の不器用さとの関連性につなげての助言がいただけません。
☆ 得意な算数や「おしゃべりが得意」で人付き合いが上手であるため、気がつきにくかった「国語的な学習能力の低さ」を具体的に発達検査の結果と照らし合わせて、凹み部分の成長を待つことにし、学習系の国語の補習をやめ、得意分野での底上げに切り替えた。結果的に、作文が書けない、音読ができない1年生の状態から5年生ぐらいで読書好き(読める)となり、解けなかった国語の読解問題は急に5年生の終わりから負担なくできるように変化した。
☆ 小学校時代は理数は伸びたが、国語は音読、読解問題、作文が全くできず、6年生時点で自力で作文を書くとほぼひらがな、汚い字となり頑張っても「感想」が書かれておらず、ほぼ「出来事の事実」だけの羅列のような短い文章で終わっていた。
中学で古典の暗唱の宿題が多くなった頃から、「読まずに暗唱する」ことはできるため好むようになり、「音」で物語や小説、説明を聞くという行動が増えた。NHKの番組やラジを良く聞くようになり、おそらく語彙数が急激に中学で増えたことにより、高校の入試はパスすることができる程度には成長した。作文に関しては「不得意」の領域から出ていない(つまりできない)。
というような感じです。
お子さんに合う学び方も、困り感の種類やタイプによって異なってきますので、できる限り「根拠」となるプリントや学校、塾での足跡をたどってみてください。全科目(音楽や総合なども含む)のテストの手書きの状況や、学習の理解度なども本人に聞かなくても枚数を多くチェックしてみると、傾向が見えてくるかと思います。
原因を探らずにとりあえず「現状を良くするために」あれこれ対策すると、それが負担になって学習意欲が低下したり、違う刺激をしてしまって「自分はできないんだ」と思いむと挽回する(思い込みから解放する)のに倍の時間と手間がかかりますので、こじれないように、親は焦るかもしれませんが小学校の成績などはあってもなくても、将来困るわけではありませんので、今にとらわれず、中学・高校で対応できればいいのだ、というつもりで「子供の困難をさぐる・探ってから、工夫や対策をとる」という順番で、気長にサポートを考えてみてください。そのためには専門家の検査や分析も参考にしてください。
参考までに、過去記事を以下にリストアップしておきます。
☆ 勉強が嫌い、宿題に時間がかかる、本が苦手、ノートが汚い、姿勢が悪い、頭痛がするなど、その原因。
☆ 2年生の国語1ページの理解に1日かける、不登校4年生の奮闘。
☆ 発達障害の子の「国語の読解」の問題。教科書を読んだだけでは理解できない。受験対策にもなる方法。
☆ 発達に凸凹がある子、学習時の「物の見方・理解の仕方」にも凸凹がある。その2
☆ 本が嫌いな子に。よくやった「小わざ」と、時期と、絵本のタイプ。
☆ 不器用、多動、読み書きの困難や感覚過敏の状態をマイルドにする本、先生の理解を得やすい本をご紹介。
☆ 聞いた言葉を「そのままの意味で受ける」と「かけ離れた意味で受ける」が共存する。国語の療育。
