今日は国語、主に読解が苦手な子むけの記事を書こうと思います。
国語が苦手、と言っても、他の理科や社会、算数の科目が全滅ではない、カラーテストで言うと50点ぐらいはとれるか取れないか、というぐらいの学力がある子向けです。他の教科も等しく、小学校のカラーテストで全く点数が取れない場合は学習障害の方を考えてみたほうがいいかと思いますので、この記事にはあてはまりません。
国語の読解、とくに教科書を読んでいても、登場人物の「心の移り変わり」とか「心情」とか、「ストーリーで大事な部分」が読み取れない親族の子達の場合、だいたいは「言葉で読んでいる」だけで「想像したり、場面を頭に描いたりすることは苦手なまま」読んでいることが多いです。
言葉が巧みで算数はクラスで一番、という子でも、国語は苦手、というケースもあります。その場合も、登場人物が増えれば増えるほど、またストーリーの最初から最後まで登場人物の心情に変化があればあるほど、その「見えない部分、場面の切り替わりや登場人物の心情の変化というもの」を把握しきれず、読み切れずにいるということが多々あります。
親族で持ち回りしている主に不登校の子達向けの勉強会で、最近、国語の興味深いテキストを持参してきている子がいました。こちらがそのテキストです。
この本そのもの、を使って学んでいるわけではなく、アイデアと書き方の参考例として持ってきていて、課題は親族の母親が作っていました。母親が作ったのは、「あなたのお部屋の説明をしてください。あなたの部屋を見たことがないおばちゃんが文章を読んで部屋の様子がよくわかるように、工夫して文章を書きましょう。最初に絵をかいて、その次に文章を書いてください。」という指示文でした。 これはなかなか、よくできていて、親族の子はうーん、あー、えーっと、と言いながら、絵が苦手な子ですが一生懸命に自分の部屋を思い出して図を描いていました。その後、「僕の部屋は・・・」という風に、説明を始めるのですが、「あなたの部屋を見たことがない」という部分に思いっきり赤で線が引いてあり、見たことのない人が文を読んでわかるように書くって言うのは~・・・と、あれこれ、時々まわりの子達にアイデアをもらいながら、書いていました。 結局、この子は部屋の入口を入った所から順番に説明したわけですが、この「絵と文章が共同で成り立つ世界」という視点はとてもこの子達に大事だな、と思いました。国語の文章を読むとき、良く感じるのは 「文章の域を出ていない」=文字を目で追って意味の一つ一つを拾っているだけで、現実社会やフィクションの世界は意識していない という部分が大きい、特徴的な読み方をする子が一定数いる、ということです。ですので、ちょっと「言葉の意味」がわからないものがあると、その前後の文章の内容全部が「あーわからない!」という風になってしまい、「場面の流れから想像して、たぶんこういう展開になっているのだな」という流れでは考えることができていません。 場面の流れ、というのは頭の中でストーリーが絵的に把握できている時や、具体的に人物像が頭の中に浮かびつつ、文章を読む中でその人たちの特徴や癖などをどんどん追加して肉付けしていくような感じだと思います。つまり、こうした頭の中の処理作業によって文章を読むにつれて人物像や話の内容への「理解が深まる」段階に入って行くわけですが、親族の発達障害の子達の半数近くはこの段階に入っていけません。 彼らは言葉の字面を追い続けているだけで、意味を国語辞典で引くかのような作業で理解していくことはできますが、その奥にある「言葉が示す先の、人物像やストーリー内容の理解」にまで進んでいないことが多々あります。また、自分が大好きなトピックの時には「慣れ」があるのか、想像しやすいのか、「そのトピック限定」で優れた読解力を示したり、その「限定的な」分野の小説などであれば楽しく読める・理解できる、ということも起こっています。ですが、その子達でも「興味のない、知らない分野、慣れていないトピック内容」であると、とたんに読んでも全く理解できない、と言い始めることもざらにあります。 言葉を使いこなす、当たり前に大勢の人が「文章を読むときに処理している作業(場面の想像、登場人物たちの気持ちのかたどり・追走、新しい情報に対する想像力・まとめ能力など)」を、非定型の子達は当たり前にできず、ただ「文章の言葉にはそれぞれに意味がある、読みながら意味を翻訳していく」という作業で終わる子がかなりいるわけです。 ですので、国語力を伸ばすには「たくさん本を読みましょう」では伸びない子が多いのも事実です。「たくさん翻訳する作業」をしただけでは、内容の深い理解にまでは到達できないことが多いからです。とんでもない情報量を頭に入れて対応している親族は、「文の内容は理解しないが国公立レベルの試験では点数が取れる」状態にまで持って行くことがありますが、相変わらず「文章を読んでもさっぱり本当のところの意味はわからない」という人もいます。 読書が好きな親族が国語が不得意、というのはよくあることですし、試験となると点数が取れないこともあります。ですので、いかに「言葉を現実社会と結び付けてパッと頭に思い浮かべることができる」状態にしてあげるか、が国語力をつけることにつながるのだとも言えます。 実際、勉強会では繰り返し、動物のビデオを見て図鑑を持ち歩いている子に「動物関係の随筆文」を読ませると、その文章だけはよく理解していて深い内容の質問にもすらすら答えられました。頭の中の映像や情報量が上手く使いこなせるほどに、動物関係の情報は熟成させていたのでしょう。この場合、経験値が国語の読解を支えています。 こんな例ばかりではないと思いますが、案外私達の親族の子にはこの「文章を読みつつ頭にその場面展開を思い描く」ということが生まれたそのままの状態ではできない子が多いので、経験値を上げる学習方法として、取り出して書いてみました。 参考になれば幸いです。
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