さて、2人目の話を続けます。
クラス内でのリーダーを決める投票で、自分がぼろ負けをし、自分が絶対に選ばないだろう同級生が圧倒的な指示を得て1位になりリーダーとなりました。これで「なんでだよ!」と理解できず憤慨したそうです。
2人目の子は、なかなか自分のプライドを傷つけられたことからの怒りが収まらず、親も気持ちが収まるには時間がかかると感じていました。彼の場合は自信が自己肯定感を超えて、自分の欠点を見たくない・そんなものは取るに足らない、という自信でマイナス部分を隠す、覆うというアンバランスさから、それが言動に露骨に出ているので、周囲からアンバランスさを不安視されて「選ばれない」という結果に至っています。それを本人が理解するには、モデルタイプを見ること、知ることが大事です。彼より優秀か、彼と同等に優れた人で、かつ、自分のマイナス部分をすんなりと自然に受け入れる人と身近に接する機会を持つことです。
これはモデルタイプが親族の子にいるので(その子は定型ですが)、何度かお出かけをし、ある日、家族で朝から晩までディズニーランドで過ごしました。子供はこの2人だけなので、ずっと共に行動です。そうすると、自分の自慢や自信ある部分を全面に出してしまう子とは対照的に、しまった、やっちゃったなぁ、という多少の失敗やうまくいかないことをすんなりと口に出して認め、失敗を気にも留めず、さらっと修正をかける姿を目の当たりにして、かつ同級生とは違いいとこ同士なので、とても相手に優しく甘いぐらいなので、高飛車に出てもいいよいいよ、と立ててくれる・・・そんな気持ちのいい相手と一緒にいて、自分だけが虚勢を何時間もはる、ということができないというか、警戒心が薄れて、特性持ちの子の方が素直になってきます。
自分に自信があり自慢をするタイプの裏側に、仲間から疎まれて信頼されない経験が積みあがっていますので、対人面で警戒心が強く、心を開けないという傷もあり、その対人不信が原因で自分のマイナス面や欠点を余計に認められないという部分が増幅する子はこのタイプの子には多いです。
この子に必要なのは、くどくどと説明することではなく、信頼できる気持ちのいい相手との人間関係の構築です。心を開ける、安心できる相手には素直になる、そういう面を持ち合わせている子だからです。親の指導は必要ありません。むしろ親が指導をすると、同級生の味方をしたと歪んで受け取り、親を敵認定して頑なになりますから、「お膳立てをしてあげる」ことに全力を尽くしたほうがいいタイプです。そして、この相手はクラスメートでは無理だった、というのもポイントです。「良い刺激になるモデルタイプ」でないと、良い結果につながらないのがこの警戒心の強いタイプの子によくあることだからです。
手を出さず、環境を調整するというか、お膳立て、つまり回りくどいですが、学べるチャンスをつくる、学べる環境を大人の目で選んで用意してあげる、それが一番必要なタイプです。この子は午前中は同級生にするように小憎らしい口利きで、上に立とう、自分の凄さを前面に出そうととげとげしい様子でしたが、相手がにこにこと優しく、久しぶりに従弟と楽しいディズニーランドで遊べる!という子供らしい嬉しさを全面に出されて、警戒する自分が空振りしていることに気が付いたのか、昼過ぎにはシューっとガスが抜けたように、笑顔でいい調子でいとこ同士、仲良く過ごしました。相手の子のように、ちょっとゆずってみたり、ちょっと気を利かせてみたり、ありがとうと言われて照れてみたり。それこそ、年齢相応の子供らしい子に戻りました。
対人関係に頭脳の良しあしを持ち出す必要ない、ということです。優れている点を誇り声高に相手にわからせようとするのは自分を満足させたいだけで、相手はそんなことは必要としていません。相手が必要としているのは、お互い楽しい時間を過ごせる「穏やかさや落ち着き」だったり、「相手への好意」であったり、「少しばかりの気づかい」であったりするのです。
リーダーは、そういう対人関係を上手く持てる人が上位に来ます。優れた頭脳を持つ人間が対人関係も上手くやれるのであればそれがベストですが、頭脳は特別優れていなくても、対人面でよい関係性を持てる人は信頼を得ていきます。逆の、対人面が独りよがりで攻撃性があったり、自分が優れている、と自己主張が強いタイプは頭脳が良くても、大多数の人からは好意を寄せられることが少なく、つまり用事を押し付けられるリーダーには選ばれても、慕われる・信頼されるリーダーとしては選ばれないという結果になりがちなのだと思います。
さて、最後に3人目の子の話です。次の記事で最後です。