今日の記事は、大人にも子供にも共通の内容となります。

そして、特に非定型の人間はうっかりと失念する内容なので、自分で気にしておく必要があります。それは、体調管理の「時間的な把握」です。


定型の人とは違い、非定型の人間は子供も大人も、自分の行動を「その時だけ」で把握する傾向が強いです。何か一つのことをしていると、そのことしか考えない、というようなことです。例えば、仕事をしていると、仕事に全力を使い、その後の帰宅するとき、帰宅してからの家事、食事の用意、その後の夜までのあれこれ、翌日の朝の疲れのことなどはあまり頭にない・・・という感じでしょうか。

子どもだと、全力で遊び、宿題などの余力は全くなく、疲れてご飯を食べるのもしんどい、歯磨きも寝る支度も、時間割もおっくうで、親から声掛けされると疲れてしんどいあまりに激高したり癇癪で表現してしまいます。自分で自分の疲れに気づきにくいので、周囲の家族が見てもこれはただの「めんどくさがり」と思われることが多いですが、実は体力の限界であることが多々あります。


定型の人は、何かに過度に集中しすぎて、その後に動けなくなるぐらいまで自分自身を消費するということが少ないように思います。自戒しているのもありますし、そこまで全力でやらなくても器用に立ち回れますし、また気楽に楽しむということができます。

ただ、ゲーム依存やパソコン依存など、定型の人でも過度に何かに一点集中してしまうと、非定型と同じように他のことをする気力がそがれ、生活が立ち行かなくなることがあるようなので、そこは人として同じだと思います。


発達障害の子は、この定型の人の依存の状態が過集中である部分に似ているのと、周りが見えない視野の狭さや、一つのことをするとそこで完結してしまい、先のことを予測したり予定したりできないという「点で動く」「点で経験する」という傾向が、余計に「経験や行動は時間でつながっている」という概念が欠けているので、体調を崩しやすいのだと思います。


幼稚園児や小学生、中学生、高校生は特にこの点を気を付けてあげないと、気力がわかない毎日を送り、そうした体調不良の毎日を「自分はやる気がない」とか「何にも興味がわかない」という風に誤解してしまいます。

疲れている人は、気力もやる気もなくなり努力も工夫もできなくなります。

疲れている人は、何もせず休むことを体が強く要求するので、その他の行動、例えば趣味とか今やらないといけない事、学習や日常のルーティーン、例えば片付けや入浴でさえ、おっくうでできなくなります。

疲れている人は、アンテナがたたなくなり、感性が眠ってしまいます。結果として視野が狭くなり、自分の内面にだけしか目がいかなくなり、本来持っている気づかいや優しさの種は全く育たないです。

疲れている人は、常にイライラし、「ちゃんとしなさい」と声をかけて無理を強いる人を嫌い、敵のように感じます。アドバイスとして聞ける余裕は一切ありません。ひたすら体が求めている休息を邪魔する相手として無意識に身を守るために声掛けした人を全面的に拒否します。


以前、以下のような記事を書きました。


親にしかできないこと。子供の「一日の精神・身体的な活動の調整」をす
る。



発達障害の人間が、会社で信頼されるためにできることは?絶対に知っておいてほしいこと。


私たちの地域で時々、発達関係の役所や部署からボランティアを頼まれて出かけることがあります。その際によく見られるケースが、体力の消費と体調管理について、定型のお子さんと同様に考えておられることから生じるギャップ(発達障害の子の振る舞い、つまり結果)が原因の大変さです。

発達障害の子を育児する際にとても困っている保護者の方がいると、まずお子さんの余力について考えます。点でしか生活していない発達障害の子は、その子にやりたいことをするように全面的に任せていると午前中で精神力や体力を使い果たしてしまい、昼頃から泣き叫ぶだけの1日を過ごすこともあります。

しかも、この疲れの状態に気づかずに日々を送っているとその疲れが習慣化してしまっていて、朝起きた時から疲れでしんどくて起きるなり泣き叫ぶ、前日の疲れがどっと来ているので「動けない」という、悪循環な状態になっていることもあります。


なぜ、うちの子は他の子とちがってこんなに泣いたり癇癪を起すの?

なぜ、うちの子はこんなに所かまわず走り回って騒ぐの?

なぜ、なぜ・・・

という話をするその合間にも、部屋中を走り回ったり、ハイになっている様子を見ることがあります。

午前中の様子を聞くと、起きたばかりの時がまだましで、3時間ぐらい経つと機嫌が悪くなり、あれ嫌、これ嫌、と文句を言い、外出をすると歩かなかったり、あっち行きたい、こっち行きたいと欲望にストップがきかず、親の説得も通じない・・・

特性もありますが、特性が全開になるときは、きまって精神的・体力的な余裕のないときがほとんどです。疲れている状態ではどんなストッパーもきかず、ただ生まれたばかりの赤ん坊のように、八つ当たりし、泣き叫び、癇癪を起こし、周囲の人の言うことなど耳に入りません。


スケジュールや本人の様子を見ると、体力は限界、脳内は疲れでハイになっていて、走り回っているのもふわーっと意識が浮いているからです。眠りたいのに眠れない状態を過ぎるとハイになることがありますが、あの状態で外出しているので、マナーや人の話を聞くということなど大人でもできるはずがないのです。


体調を管理する、体力と精神力を余力があるように保つというのは「何でもない普通の生活を送る」ために、発達障害の子には必須であり最優先事項であると考えています。




よく見られるケースとしては、

発達障害の子供を育てる時に環境整備をするのは、家にいるだけでもいろんな「物」にあふれていると、その時、その時の1分、2分、3分を色んな物に意識をとられ、忙しく気があれこれに取られていて、それを外から見ると「ぼーっとしている」と見えますが、意識があっちやこっちに飛んで脳内多動を引き起こしており、その結果、疲れ果てて何もできない、というのはよくあるからです。

家にいるだけで疲れないように、部屋はシンプルに色んなものは戸棚に収納し、見えないようにカバーをかけたりして、「今使う物だけ」を出すように習慣づけると、この疲れが軽減し、余力があると人の説明も少しずつ聞ける状態に育っていきます。


混乱の中にあると疲れやすく、混乱に翻弄される以外のことは正直何もできないのです。食事も片付けも、服を着替えるのも、目の前にいろんなものがおいてあったり飾ってあれば脳内多動で思うように動けないでしょう。

疲れている子に、夕方に宿題をしなさい、片づけをしなさい、ちゃんとしなさい、と日常で当たり前にできそうなあれこれを言っても、実際にはできる余力はないのでぐだぐだです。

定型の人から見たら「何もしていないのに疲れるはずがないでしょう!」と思われるかもしれませんが、1日パソコンをしていたり、ゲームをしたことがある方ならわかるように、動かなくても、ものすごい疲労というのは経験できます。パソコンやゲームをしていませんが、発達障害の子の脳内は忙しいので、ぼーっとしている時間は全部脳内がフル回転で何かの刺激、見たもの、聞こえたもの、そこに置いてあるもの、そうしたものを「認知する」作業をひっきりなしにしているのでパソコンやゲームを一日しているのとほぼ同じ状態ぐらいには疲労しています。


休息、というものを自分で取ることができません。

何もしない、刺激の少ない場所を選んで神経を休める(感覚的な認知をひっきりなしにする作業を止める)ということが全くできないという人の方が多いです。特に乳幼児、児童などはその傾向が強いです。


発達障害の子供の育児で大変だと感じることがあれば、まずはその大変な子どもの体調管理をすることをおすすめします。

そしてその子の1日の生活を余力があるように調整するには、「翌朝の状態まで考えて」調整できることがベストです。

朝から夜までの時間帯で調整すると、翌日の朝にどっと疲れがたまっていて、学校へ行く余力がない、起き上がれない、仕事へ行くのもやっとこさで遅刻する、という状態になります。

ですので、朝から翌日の朝の登校や出勤までの時間帯を一つのかたまりと捉えて、その日の疲れを翌朝の登校や出勤までこなせる程度の活動量に押させておくことが大事です。つまり、前日に「普通に頑張らせる」と、翌日の朝はダメ、ということにならないように、前日に余力がある状態で就寝する、そして朝はその余力で起きられるようにする、というのがスムーズな流れをつくるコツです。


疲れると脳が動かず、体も動かないので、学校で一番困ります。できない、だめだめな自分を発揮してしまいます。自分が工夫して何とかしようとしても、疲れた頭や体は動いてくれません。

そうならないように、家にいる時や習い事や課外活動は精神力や体力と相談して、翌朝まで余力を維持できる程度の精神活動量におさえ、1日、1日を「意識が起きている、意識が開いている状態」にしておくことが、こどもの成長の助けになります。

成長しないな、停滞している、という時は疲れてそれどころではない乳幼児になっていないか、忙しすぎて考えたり動いたりする力が残っていない児童になっていないかをまず、生活の全体を管理できる大人が見て調整してあげることこそ、最大の支援だと思います。


健康であれば発達障害の子は伸びます。体調管理が成長のカギだと思いますので、再度この記事を書いて、この1年で最も精神力や体力のいる新学期に、へとへとになっている発達障害の乳幼児や児童、思春期の子達がいれば、この記事の内容を思い出して


「朝から、翌日の朝まで余力があり、疲れ果てていない状態を維持できているか」


を意識してもらいたいと思います。

参考になれば幸いです。




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