恥の多い生涯をおくってきました
太宰治の名作中の名作の映画化!
中学生時代に原作を読んだ時は、自分の将来の姿が見えた気がして怖くなった覚えがある。
(「嫌われ松子の一生」を観た後も同じこと思ったっけ
)
名家に生まれ、何一つ不自由しない生活を送っていた主人公。
幼いころから、本当の自分を隠し、道化師のように他人を笑わせて楽しませることに満足して生きてきた。
学校を卒業した後は、なんとなく画家を目指す。
そんな時、悪友が教えてくれた、酒と女と遊び。
生きる意味、過去、現在、将来への不安。何もかもを忘れさせてくれた。
様々な女達と恋愛とも言えないような関係を結び、生きていく。
心中に失敗。純真無垢な少女と結婚するも、非情な現実に奪われる。
最終的に、酒とモルヒネ、結核に体をむしばまれて精神病院に入院。
廃人同様になった彼は思う。
「私は、人間失格」と。
ただただ、現実に流されて堕ちていくという、おも~い、くら~い映画に思われがちですが、
優しく誠実で、生きることに一生懸命だからこそ、自分の弱さやずるさ不甲斐無さに悩む。
「人間」だからこそ、悩んで苦しんで。
それが、生きているということ、輝いているということ。
今の私に「弱い処があってもいいんだよ。その生き方でいいんだよ。」と優しく囁いてくれた気がした。
この映画がすごいのは、観る人が凡て違った想いを持つであろうということ。
人それぞれが違った人生の価値観を持っていて、
結局、「人生の意味」の答えは自分の中にしかないから。
また数年後に観ると、間違いなく違った思いをするのだろうなあ。
原作も久々に読み返してみたくなりました。
後は、とかく映像も音楽も美しかった。
花瓶の桃の花と山桜の嵐、オランダシシガシラの赤と出目金の黒。
白い雪山に、暗闇で瞬いて落ちていく線香花火・・・
美しい日本の風景と、まだ、汚されていない日本語。
そして、大楠道代、坂井真紀、寺島しのぶ、小池栄子、三田佳子、石原さとみ、室井滋。
そうそうたる女優陣が演ずる、大正(昭和?)美人達がすばらしい!
皆、主人公に魅かれ、ついつい世話を焼いてしまうのだが、
「助けてほしいのです」
「お酒を飲みたいのですけれど、お金はないのです。」
なーんてボソボソ言われたら、女なら間違いなくほっとけないですわ
あ~ズルイ。
最後に、半ズボンの少年イメージを一掃し、
弱くてずるくて愛おしい主人公を熱演した、生田斗真君に大きな拍手を送りたい!
パチパチパチパチパチ![]()
中原中也役の森田剛が裏ヒットでした。
人間、失格
今の私には幸も不幸もありません
ただ一切は過ぎていきます