あっちゃぁ〜
これは大変だねぇ
タンは改めて
ぐちゃぐちゃな客間や
周りを見回し
それから母親の胸で
泣いている末の弟のゴンの
頭を撫でた
ゴン
何があったの?
う・・・ん?
ボクの本
とろうとするから
そっかぁ
ゴンは頑張ったねぇ
誰かと争うようなことは
決してしないゴンは
人の感情にも聡い
ゴンの気質を
兄姉はよく知っている
大好きな屋敷や母親が
嫌な目に遭うのが
耐えられなかったのだろう
とタンは察した
でも やぶれた
本がやぶれちゃったの
うんうん
そおだね
でも心配ないよ
これはユニョンに任せよう
ユニョねぇに?
タンの後ろには
三つ子たちが控えていた
誕生日パーティの準備のため
ソダンを切り上げ
にぃにと一緒に
帰って来ていたのだが
ユニョンはにっこり頷いた
は〜い
任せて!
あああ ゴンったら
泣き虫さんねぇ
でも泣いているゴンも
可愛いから許しちゃう
ユニョンはゴンの
やぶれた書物を受け取ると
そそくさと
自分の部屋に向かった
サンとスニョンは
女中たちと一緒に
クリームの片付けを手伝い
床を拭き始める
さてと ゴン
一緒にお着替えしにいこうか
チマにクリームついているよ
いまだに呆然としている
母ウンス
その腕の中から
弟を引っ張り上げると
タンはにこやかに笑った
オンマ ゴンのことは
僕に任せて
でも・・・
へジャ
オンマにあっついお茶を
入れてあげて
スニョン サン
じゃあ ここは任せたよ
タンはテキパキと
弟や妹に指示を出すと
ゴンを連れて子供部屋へ
入れ替わりに
娘を自宅に連れ帰ったポムが
再び戻ってきて
ウンスに寄り添った
なんだか・・・
とんでもないことに
なっちゃったて・・・
ゴンに可哀想なことしちゃった
オンニは悪くないでする
ゴンちゃまもわかって
いるですよ
自分勝手なこと言って
台無しにしたのは
招待客の方でする
ううん
ゴンのためを思っていた
はずなのに・・・
自分の思いだけが先走って
反省してる
ヨンはね
お友達を招くお誕生日会に
乗り気じゃなかったのよ
きっとこうなることが
わかっていたんだと思うわ
気持ちがしゅんとした
もしかして今までの暮らし方も
考え方も 何もかも
自分の独りよがりだったのでは
とさえ思えてくる
身分や富や出自に対し
厳しい目が向けられる時代
そんなことには関係なく
誰にでも平等に接したい
それが自分の信条だと思ってきたが
チェヨンの妻で天界人という
恵まれた身分と
医仙という肩書きがあってこそ
成り立っていたことなのだと
痛感した出来事だった
私が浅はかだったわ
オンニ それ以上言ったら
怒るですよ!
オンニは浅はかじゃないです
お優しいくって
思慮深いお方です
だから皆が周りに集まって
オンニと仲良くなりたいって
思うんでする!
まあ 今回のお母様たちは
若さゆえか?
ちょっと度がすぎて
はしゃいでましたけど・・・
ポムは苦笑いで答えた
確かに参加者は
若い母親が多かった
価値観の違いも
あったのかも知れない
ウンスは子供たちと一緒に
床に拭きながら
ふぅとため息をついた
オンマ
オンマが笑ってないと
ゴン また泣いちゃうよ
サンが心配そうに
ウンスの顔を覗き込む
そうでするよ!
サンちゃんのいうとおりでする
ウンスオンニ
こういう時こそ笑ってくだされ
うんうん
オンマの笑顔は高麗一
なんだから〜
スニョンは母親の手に
手を重ねて静かに言った
みんなに
心配かけちゃったわねぇ
そおね
私がいつまでも
クヨクヨしていても
仕方ないわよね
気持ちを切り替えて
ゴンのパーティの続き
やらなくっちゃね
そうでする!
ポムはようやく笑顔を見せた
ウンスに安堵し
客間が片付いたのを
確認してから帰って行った
奥の間では
仕切り直しとばかりに
女中たちが張り切って
大きな卓にご馳走の準備を
始めている
パーティに駆けつけた
大叔母のチェ最高尚宮は
昼間の事情を聞いて
スニョンやサンと一緒に
部屋の飾り付けのお手伝い
それは大変だったねぇ
ゴンはしっかりしているけど
まだまだ幼い子
兄姉たちみんなで
守ってあげるんだよ
わかった!ばぁば
サンにまかせて〜ね
ねぇ ところでさ
ばぁば
ゴンのソンムルはどこに
あるの?
もしかして貸本屋を
丸ごととか???
まさか
いくらなんでも
それは無理ってもんだよ
でもちょっとばかり
いいものをね
あとでゴンに渡そうと
思っているよ
サンは何を用意したんだい?
サンは山葡萄をとってねぇ
それを煮詰めてじゃむってのに
したんだ
ゴンは桜桃のじゃむが好きだから
山葡萄も好きかなぁ〜
って思ったんだ
それはいい考えだねぇ
スニョンはね
虎の刺繍をしたの
ゴンは虎が好きって
前に言っていたから
ほおほお
スニョンは手先が器用だから
きっと
立派に仕上がっただろうね
どうかなぁ
あとで見せてあげるね
ユニョンのソンムルは
今 作っているとこだよ
え?今?作って?
うん きっと素敵に
仕上がると思う
ゴンもうれしいと思うよ
元々ユニョンは
押し花を散りばめた
書物を覆うカバーをゴンに
贈ろうと思っていたのだが
そのソンムルの内容を
事前に知っていた兄のタンに
やぶれた本の修復を頼まれた
というわけだ
オンマは今
けえきづくりをしているよ
それに 夜のごちそうは
ふらいどちきんって
へじゃが言ってたから
サン 楽しみなんだぁ
あっ ばぁば
いらっしゃい
ゴン お昼寝したよ
寝かしつけるのに
本を二冊も読んじゃった
今のうちに大急ぎで
ぱーちい準備だね
タンが戻ってきて
大叔母に言った
そうだね
さあ 急ごうか
皆 手を止めることなく
せっせと働いた
陽が沈んだ頃
チェヨンの帰りを
出迎えたのは妻のウンス
ではなくへジャだった
少しばかり
遅くなってしまった
宴は無事に終わったの
だろうか?
そんな思いが顔に出ていた
ようで
へじゃが恐る恐る
ことの顛末を主人に話した
奥様は少々気落ちされて・・・
今は厨房でお菓子づくりを
なさっております
チェ最高尚宮様もお越しで
お子様たちと奥の準備を
そうか
わかった
へジャ これを頼む
ゴンへのソンムルだから
丁重に扱うように
皆が揃ったら奥へと
持ってくるように
はい お任せを
へジャは見た目よりも
ずしっと思いかごを
うやうやしく受け取った
それからチェヨンは
妻のもとへ急いだ
ヨン
お帰りなさい
出迎えもできずに
ごめんなさい
ケーキ
もうすぐ完成するわ
ところであれは?
受け取れた?
ああ へジャに預けてある
そお よかった
これでゴン
笑顔になるといいんだけど・・・
そうだな
ヨン
へジャから聞いた?
私・・・失敗した
お友達をたくさん呼べば
いい誕生会になるって
わけじゃないのに
タンのよう盛大に
してあげなくちゃって
変に焦っていたのかも・・・
タンはタン
三つ子たちは三つ子たち
ゴンはゴン
それぞれ違うのに
そんなことも忘れるなんて
本当やんなっちゃう
母親失格ね
そんなに自分を責めるな
イムジャは一本気で
猪突猛進なところもあるが
俺はそれで良いと思うぞ
イムジャには
思うままに進んでほしい
後始末が必要ならば
俺がいくらでも始末する
イムジャを守るのは
俺の役目だ
だからそんな泣きそうな顔
するな
俺がイムジャの涙に弱いのは
知っておろう?
うん・・・
あああ だめねぇ
サンにも言われたのよ
笑顔笑顔って〜
ああ いや
泣いている顔も美しくて
俺は好きだぞ
もう!
ヨンったら うふふ
さて 仕上げちゃうわね
最後はゴンの好きな果物で
飾り付けして完成よ
ああ 俺も手伝おう
チェヨンは愛しい妻の
頬に口付けてから
腕まくりして手伝い始めた
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『今日よりも明日もっと』
時には空回りすることも
あるけれど
思いは人の間を巡り
心が潤う
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ゴンのパーティ準備も
着々と・・・
それにしても子供達
成長したなぁとしみじみです
まだ夏だと言うのに
インフルエンザの流行期ですと!
異常気象にインフル
色々ありますが
どうぞ
安寧にお過ごしくださいませ
またお付き合いくださいね