スニョンは普段
王宮のムガクシの
宿舎暮らしだ
大叔母がそうだったように
実家に帰省することは
滅多にない
公私の区別もないくらい
朝から深夜まで
ただひたすら
王家の女人たちの警護のため
気の抜けない日々を送り
自分のことは後回し
もともと父や大叔母の
後ろ姿を見て育ったから
そういう自分に
疑問も抱いたことは
特になかった
妹のユニョンが
すったもんだの挙句
子供の頃から一筋に
愛していたイサとの結婚を決め
あんなに頑張っていた貿易商の
仕事をさっさと辞めて
良き妻良き母と
なることを選んでも
その生き方を肯定はしても
羨ましく思ったことも
もちろんない
彼女は彼女 自分は自分
母親とも大叔母とも違う
自分なりの道を見つけて
しっかりと歩いているという
自負があった
けれども
そんなスニョンにも
唯一胸の奥がちくりと痛む
そんな瞬間がある
それは
兄の親友であり
幼馴染のミョンの存在だ
チェ尚宮・・・
元気そうだね
そう呼ばれて振り返ると
さっきまで
兄といたはずの
ウダルチ乙組組頭の
ミョンの姿があった
ペ・ミョン様も
元気そうでよかったわ
兄がいつもお世話になって
ありがとう
ああ・・・いや
こちらこそ・・・
タンの婚礼が晴れてよかった
二人は社交辞令のような
ぎこちない言葉を交わし
それからミョンは
近くにいた
チェヨンとウンスに
会釈すると
すっとその場を離れた
ペ・ミョン様か・・・
ミョンはその呼称に
複雑な思いを抱いて呟いた
王宮へ上がる前はお互いに
ミョンちゃんスニョンちゃん
と呼び合っていた仲良しの
幼馴染だ
お互い物静かな性格で
小さな頃からなんとなく
気が合った
スニョンにとっても
兄のタンとはまた違う
もう一人の兄のような
掛け替えのない存在で
寡黙だが頼りになって
何かと影から支えてくれていた
またミョンも
そんなスニョンの期待に
応えられる人でありたいと
子供の頃から思っていた
二人はよくテマンの道場にも
通って剣術の技を磨いた
スニョンはムガクシを目指し
ミョンは父の後を継いで
ウダルチに入る
二人の志は同じだったはず
けれども
運命とは皮肉なもので
その志が二人の間に溝となって
立ちふさがった
あれはちょうど
スニョンが史上最年少で
ムガクシの長に選ばれた頃のこと
ミョンは自分の事のように
喜んでくれた
どころがちょうどその頃
ミョンの父親
チェヨンの右腕だった
ウダルチ隊長のチュンソクが
長年の無理がたたり体を壊した
気弱になったチュンソクは
ミョンに家督を譲りたいと
言いだし 嫁取りを勧めた
生きているうちに孫の姿を
見たいとふと思ったのだ
チェヨンの家に初孫が
生まれた時期とも
重なっていた
ミョンは心根の優しい青年で
父親の苦労を知っていたから
その願いをできれば
叶えてあげたかった
ただ ミョンには
幼い頃から心に秘めて
懸想している相手がいた
それはもちろんチェ家の長女
スニョン
その思いをすっぱりと
断ち切り
見合いをする気には
なれなかった
それでスニョンに
その思いの丈を打ち明けた
「一生守り抜くから
僕のそばにいてほしい
僕の妻になってください」
スニョンにとって
ミョンは男というよりも
兄のような人だった
それに
大抜擢されたムガクシの
長の座をすんなりと
諦めたくはなかった
嫁ぐということは
ムガクシを
やめるということになる
だから
「ごめんなさい」と
その申し出を断った・・・
そして 断ってから
どれほど自分がミョンのことを
大事に思っていたか
思い知ることになった
同じ王宮にいても
案外会わないもんなのよ
久しぶりに見かけた
いい面構えになったわよね
オンマもそう思うでしょう?
スニョンは
ひとり言のように
ボソッと言った
そおね
ミョンは優しくて強くて
いい男よ
ウンスは曖昧に微笑んだ
スニョンとミョンは
お似合いの二人なのに
機が熟してなかった
ただそれだけのことなのだ
それがウンスは残念でならない
あのね・・・オンマ
ヘジャにね
赤い糸が・・・
細々でも繋がっているなら
思いを大事にしたらいいって
言われたことがあるのよ
ヘジャとソクテも
遠回りしたけど
結局は結ばれたんですって
ああ 二人には
そんなこともあったわねぇ
ほんと
男女の縁というのは
不思議なものよ
私とヨンもそうだったわ
いくら心に蓋をしても
抗えない時もあるし・・・
後から気づくこともある
うん
スニョンは今を大事に
まずは目の前のお役目を
納得いくまで
務めあげたらいいわ
スニョンの運命の人も
きっと待っていてくれるわよ
そうかしら?
私は仕事が命だから・・・
仕事を優先してしまうもの
誰も待ってくれないと思う
あら?
女は欲張りな生き物なのよ
仕事か家庭か なんて
そんなことに縛られる必要は
ないわ
スニョンはスニョンよ
思い通りに生きてみなさい
私 応援するから
うふふ
やっぱりオンマは最高!
私の一番の理解者ね
あらあら クム?
アッパの腕の中
よほど気持ちいいのね
ほら見て 寝ているわよ
ああ そうだな・・・
気持ち良さげだ・・・
スニョンや
俺もそなたの味方ゆえ
いつどんな時も
俺たちがついていることを
忘れるなよ
ありがとう アッパ
それにしてもチュンソクめ
紛らわしい奴だ
あの時の気弱はどこへ行った?
昨日も ビシバシと
後進の指導にあたっていたぞ
チェヨンは苦笑いをした
イサやサンの丁寧な診察や
嫁のポムの励ましで
チュンソクは再び元気を取り戻し
今も暇があれば
ウダルチの宿舎に顔を出して
剣を握っている
家督を譲る話は立ち消えとなり
ミョンの嫁取りも
話が進んでいるとは聞こえてこない
ウンスは
たとえ遠回りしても
いつかスニョンが
愛する人と結ばれて
幸せになってくれたらいいな
と願っている
それはたぶんチェヨンも同じ
気持ちだろう
スニョン
あなたもいい顔しているわよ
ウンスはムガクシの制服に
身を包んだ娘を
そっと抱きしめ囁いた
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『今日よりも明日もっと』
その選択が正しいのかどうか
いつかわかる日が来るだろうか
たとえ悩み迷い傷ついても
自分らしくありたい
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更新が少々遅くなりました
ミアネヨ
というのも またまた
Wi-Fiの繋がりが悪い・・・
部屋での作業ができなくなって
ちょっと困ってます
そろそろ
ルーターの買い替え時期かも?
ああぁ〜 物価高なのに〜
色々と物入りの季節でため息です
どうぞみなさま
安寧にお過ごしくださいませ