サムウォルの診療所勤めが

急遽決まり

チェ家の女中頭は慌ただしく

動き出していた

 

マンボのところで募集を

かけてもらったが

ご主人様の側女狙いだったり

若先生に色目を使おうとしたり

ろくな女人が見つからない

 

チェ家の女中は給料もよく

手厚く保護もされていて

かなり働きやすい職場だ

という話もあって

やりたいという申し出は多く

人気はかなり高いのだが

ヘジャのお眼鏡にかなう人物は

なかなか表れなかった

 

そんなある日

ヘジャがホッとした顔で

ウンスに許可をもらいに来た

 

 

女中選び

ずいぶん難航していた

ようだったけど

その様子だと

良い人材が見つかったのね?

 

 

ようやく明るい顔のヘジャを

ねぎらうようにウンスは聞いた

 

 

はい

ようやくでございます

この屋敷の輪を

乱すような女人は

いくら器量好しだろうと

いくら良いところの子女だろうと

いくら口が上手かろうと

ヘジャは願い下げでございますよ

奥向きの平穏を守るのも

ヘジャの仕事でございます

そりゃあ 旦那様に限って

側女だの何だの

考えることもないでございましょう

けれども

人の口には戸が立てられない

というではありませんか

少しでもそのようなそぶりを

見せる女人は

このヘジャが許しませぬ

 

 

よほど思うところがあったのか

いつもは冷静なヘジャが

まくし立てるように話している

 

 

そお わかったわ

私はヘジャの選んだ人なら

大賛成よ

で どんな娘さんなの??

マンボ姐さんの紹介??

 

 

はあ それが・・・

マンボに口利きを

してもらうはずでしたが

どうにも手詰まりで・・・

それでまた姉に相談したので

ございます

 

 

へええ

そういえば

サムウォルもヘジャのお姉さん

の紹介だったわよね?

 

 

はい

それでそのサムウォルの

幼馴染の子はどうだろうと

いう話になりまして・・・

会って見たら

純朴で素直で真面目な娘

でございました

 

 

じゃあ その子に

決まりね

 

 

ウンスは二つ返事で

大きく頷いた

 

その娘の名前はユッキ

年の頃はサムウォルより

二つ年下の十五歳

三人姉妹の長女でしっかり者で

両親と畑仕事をしているが

このところ作物は不作続きで

農作業だけでは

一家の収入が不安定だから

勤め先を探していたのだという

 

 

サムウォルは早くから

奉公に来ていたけど

十五歳ならちょうど良いくらい

なんじゃない?

ヘジャも鍛え甲斐があると

思っているんでしょう?

 

 

このヘジャにお任せを!

チェ家の女中として

立派に育てる所存です

 

 

うふふ

ヘジャも何だかソンオクに

似て来たわねぇ

そういえばソンオクの命日が

近いけど

たまには実家に帰って

ゆっくり供養して来たら良いわ

 

 

何をおっしゃられます

奥様!

そのようなことをしたら

母に叱られます

供養よりも奉公第一

ヘジャがこのお屋敷に

尽くすことが

母への供養になるのですから

 

 

幼いチェヨンを守り慈しみ

この屋敷を守って来た

忠義者女中ソンオクの

目尻にシワを寄せて笑う

在りし日の姿を

ウンスはふと懐かしく思い出した

 

 

わかったわ

ヘジャの好きなように・・・

確かに

それもまた供養になるもの

実家にはうちから

心ばかりのお供えを届けておくわ

 

 

タンがまだお腹にいる頃

ソンオクが話してくれた

数々の昔話を思い出しながら

ウンスは言った

 

 

 

 

 

 

ヘジャが

新しい女中さんを

見つけたようよ

その子に決めようかと

思っているの

 

 

夕餉も終わり

子供達はそれぞれの部屋で

ゆつたり過ごしている夜

ウンスは昼間のことを

夫のチェヨンに話して聞かせた

 

 

奥のことを

任せっきりですまぬが

イムジャの気の済むように

決めたら良い

 

 

ええ

ありがとう・・・

それでね・・・

ヘジャと話しているうちに

ソンオクのことを思い出して

亡くなってから

ずいぶん経ったなぁって・・・

ソンオクが今の私を見たら

なんていうかしら?

この家の嫁として

まだまだだって

言われるんじゃないかしら?

 

 

よくやっていると

褒めると思うぞ

あの婆さんは

気難しいが人を見る目は

確かだからな

手のかかる夫の手綱を

しっかり握って

子供達を大事に育てて

イムジャはよくやっておる

 

 

チェヨンは目を細めた

口うるさい婆さんだったが

間違ったことは決して

言わなかったし

常に幼いチェヨンを

気遣ってくれて

密かに甘やかしてもくれていた

母親のいない寂しさの中

おかしな道に走らなかったのは

ソンオクの存在が大きかった

 

 

ソンオクもあの世で

安心しているだろう

 

 

そお?

うふふ

それなら良かったわ

 

 

ウンスは夫の手を握り

微笑んだ

チェヨンはその手を握り返す

 

 

ん?ちょっと待って??

手綱をしっかり握る??

 

 

ああ

 

 

私が?ヨンの??

私 そんなに鬼嫁じゃ

ないわよ?

 

 

そうか?

だが こんな鬼嫁ならば

俺は大歓迎だ

 

 

あれ?

それ 褒めてる??

 

 

ウンスはまたふくれっ面

チェヨンはククっと笑うと

愛しい妻を抱き寄せ

頬をすり寄せた

 

 

ちょっとぉ

ごまされないんだから!

あのね

ヘジャは苦労したのよ

側女の希望者が殺到して

それで女中が

決まらなかったのよ!

ヨンの人気は健在なんだから

その自覚あるの?

 

 

ウンスは急に

八つ当たり

 

 

は?側女?なんのことだ?

俺はまったく興味がないぞ

妻のお守りで手一杯

俺はイムジャさえいれば良い

 

 

ちょっと ちょっと

妻のお守りって・・・

結婚して十年以上なのに

まだ言う?

そりゃあ

プロポーズを受けた時は

確かにそう言ったけど

今は五人の子持ちで

ちゃんと大人の分別もあるわよ

 

 

ウンスはぷうっと膨れたが

チェヨンはあははと笑って

その体をぎゅっと抱きしめた

 

 

妻に翻弄されているぐらいが

ちょうど良い

俺は生涯イムジャのお守りで

満足だぞ

 

 

チェヨンはウンスの首筋に

吸い付いた

甘噛みに背中がゾクゾクすr

 

 

ダメダメ

子供達 まだ起きてるわ

 

 

いいや

皆 もう寝ておる

気配がせぬゆえ案ずるな

イムジャ

俺は今宵 イムジャに

翻弄されたい・・・

よいであろう?

 

 

もう!翻弄って・・・

翻弄するのはいつも

ヨンの方でしょう

 

 

チマの裾が

するするたくし上げられる

太ももに 

指づかいを感じて

ウンスはぎゅっと目を閉じた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

昔の思い出を

懐かしく思い出せるのは

あの頃よりも

歳を重ねたせいだろうか

 

 

 

黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花

 

 

サムウォルの幼馴染の

新しい女中の「ユッキ」

アメンバー様の年末企画で

ご当選のゆきちゃん様より

お名前をお借りしております

 

サムウォル(弥生様)

ユッキ(ゆきちゃん様)の

名付け親は

奇しくも年末企画にご当選の

お二人様でした 

企画にご参加 また

お話にご登場ありがとうございます

 

 

 

そして現在は

 

アメ限でバレンタイン企画を

開催中です

アメンバーの皆様

ご参加お待ちしております!

 

 

 

 

 

週末

あいにくのお天気になりました

どうぞみなさま

事故や怪我にお気をつけください

 

週明けも安寧に

お過ごしくださいますように

 

またお付き合いくださいませ〜

 

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