三つ子の誕生日を

明日に控えた夜

 

ヘジャは仕事を終え

自分の部屋で孫のタルの

繕い物をしながら

いつのまにか大きくなって

と目を細め

そして小さく息を吐いていた

 

タルはヘジャが養女に迎えた

オクリョンの一人娘で

チェ家の三男坊ゴンより

少しばかり産み月が早いが

二人は同い年で乳兄弟だ

 

「分け隔てなく」が信条の

天界人の奥様には

赤ん坊の時分からタルも

随分と良くしてもらって

まるでチェ家の娘かと

錯覚しそうになるくらいの

高待遇を受けてきた

 

サンはタルのことを

とても可愛がってくれていたし

お嬢様二人も

妹のように接してくれていた

 

けれどもヘジャはタルが

物心つき始めた昨年あたりから

チェ家のお子様たちとの間に

わざと隔てを作った

 

奥の間にも遊びには

行かせないし

しょっちゅうあるチェ家の

宴にも参加させていない

 

と言うのも

いずれタルはこの屋敷の

女中頭として

チェ家の繁栄を支えていく身だ

 

分不相応なことに慣れ

余計な夢を見せて

後から傷ついて欲しくなかった

 

使用人は使用人として

節度をわきまえねばならない

 

それは母ソンオクから

骨身に染み込むように

教え込まれたことでもあった

 

お嬢様たちのお下がりを

もらうこともあったが

絹織物は民には贅沢品だ

食事は奥様の計らいで

使用人たちも主人家族と

ほぼ同じものを

いただいているが

それも本当は贅沢すぎる

 

何でもかんでも

チェ家のお子様たちと同じ

と言うのは

タルのためにもならないと

ヘジャは思っている

 

 

どうした?ヘジャや?

タルのこと

なんぞ気になることでも

あったのか

 

 

小さなため息を見逃さず

ヘジャを気にかけたのは

愛妻家の夫ソクテだった

 

働き者で寡黙な男で

日頃から口数こそ少ないが

ヘジャの機微には

よく気がつく

 

 

あんたにはかなわないねぇ

なんでも

お見通しされている

気がするよ

 

 

ヘジャは苦笑いで答えた

 

 

ヘジャ夫婦の住処は

使用人部屋といっても

そんじょそこらの家屋より

よほどしっかりした作りで

ふかふかの布団も用意され

床にはオンドルの設備もあり

何不自由ない

いい暮らしを送れている

 

もちろん隣の棟に住む

オクリョン夫婦の住処も

同じように住み心地がよく

タルも同じ年頃の民の子より

随分と

いい暮らしをしているのだが

 

成長するにつれ

自分の境遇とチェ家の

お子様たちとの違いを

まざまざと

感じているような節もあった

 

 

タルが

自分にはどうして

サンタハラボジが

来ないんだなんて

真剣に聞くもんだからさ

ちょっと困ってしまってね

 

 

サンが嬉しそうに

サンタハラボジが来たことを

タルに話し

タルは純粋に

「どうして自分の枕元には

何もないのだろう」

と思ったようだ

もちろん奥様が気を使って

タルにも

巾着に入った飴を用意して

くださったのだが

ヘジャはそれを枕元には

置かなかったのだ

 

 

なるほどなぁ

それでヘジャは

なんと答えたんだい?

 

 

お屋敷のお子様たちが

特別な存在だからだよって

言い聞かせたんだよ

サンタハラボジは

特別なお子様のところにしか

来られないんだから

外で余計なことを

言ってはいけないよ

サン様たちが困るからってね

そしたら怪訝そうに

ふ〜んって言ってたけど・・・

奥様には

とても良くしていただいて

タルはこれ以上ないくらい

幸せな子だと思うのに

でもねぇ 

寂しそうな顔を見ると

ちょっと

かわいそうな気もしてね・・・

でも だからと言って

サン様たちと同じだと

思うことは許されないよ

線引きはちゃんと

しないとならないんだ

タルは貴族の娘でも

王家の姫様でもない

この屋敷の使用人の娘

ちゃんとそこを

わからせてやらないと

あとあと困るのはあの子だから

 

 

そうさな・・・

ヘジャの気持ちも

わかるってもんだ

 

 

そうでしょう?

それにソダンのことも

正直 頭痛のタネなんだよ

 

 

ソダン?あああ

 

 

春からゴン様も通われるだろ

同じ年のタルも一緒にって

奥様に勧められていてね・・・

でもあたしは

ソダンで学問をするより

手元に置いて

家事仕事を教えた方が

あの子のためになるんじゃ

ないかと思っているんだよ

 

 

そうさな

それも一つの考えさな

オクリョンとよくよく

相談して決めたらいいさ

 

 

そうだね

 

 

けどなぁ 

ヘジャや

人の道ってのは

一つとは限らないってこと

俺たちゃよく知ってるだろう?

俺もここでこんな風に

所帯を持って

穏やかな余生を過ごせるなんて

思いもしなかったしなぁ

 

 

かつては私兵として生き

命をかけた戦にも

出向いていたソクテの言葉には

重みがあった

 

 

それは奥様のお力添えが

あってこそだよ

だからこそ

あたしら家族はご恩返しを・・・

 

 

そうさな

だがよ

奥様は果たして

ご恩返しをお望みかな?

 

 

は?

一体何を言いたいんだい?

 

 

いやなぁ

奥様ならきっと

将来はタルの好きなように

させたらいいって

言うと思うんだがなぁ

タルはヘジャの跡を継ぐかも

しれないし

もしかしたら医女になりたい

とか?

まさかの医官様になりたいとか

言いだすかもしれねぇだろ

だったら勉学は必要だ

タルの行く道を狭めることは

奥様の考えに反する気がして

ならねえんだが・・・

まあ 先のことは誰にも

わからねぇが・・・

使用人だからとか

身分が低いからとか

そんな線引きで

タルに我慢を強いるのは

かえって

奥様の意に反しているような

気がするのは俺だけか?

タルのやりたいことを

手助けしてやるのが

俺たちハラボジハルモニの

役割ってもんじゃないか?

 

 

口下手で無口な夫が

熱弁を振るう様に

ヘジャは少々驚いた

タルとソクテの間に

血の繋がりこそないが

ソクテはタルのことを

実の孫以上に

とても可愛がってくれていて

大事にしてくれていた

だから

そんなソクテの言い分に

「確かに一理ある」

とヘジャは素直に思えたのだ

 

 

そうだね・・・

そうかもしれないね

 

 

ヘジャや

明日は宴の用意で

朝から忙しいんだろ?

そろそろ寝るとするか?

サン様たちに最高のお誕生会を

して差し上げたいもんな

 

 

うん そうだね

ご馳走を作って

お出かけの準備もして

晴れ着は届いているから

着付けもして差し上げなくちゃ

ヨボ・・・あの

色々聞いてくれてありがと

 

 

ヘジャはどこか

スッキリした顔で

ソクテに言った

 

 

そうさな

構わんよ

俺はヘジャの話を聞くのが

好きなんでね

 

 

ソクテは口元を緩めて

そう答えた

 

 

明日は

三つ子の生まれた日

大晦日

誕生日の宴は家族だけで

こじんまりと行う予定だ

 

と言うのも 大晦日の夜は

王宮で年の瀬の行事があり

風灯(ランタン)が

夜空に舞うことになっていて

チェヨンも

警備だなんだと忙しく

王宮で年越しをすることになる

 

だから 宴の後は

チェ家御一行は

王宮に向かうことに

なっているのだ

もちろんヘジャも一緒に・・・

 

 

綺麗だろうねぇ

夜空に舞い上がる光は・・・

 

 

そうさな

せっかくだ

タルにも

見せてやろうじゃないか

 

 

ああ

それがいいねぇ

 

 

二人は微笑みあって

床に就いた

 

急に冷え込んできた

晦日の夜・・・

明日はどんな一日に

なるのだろうか

と 思いを馳せながら

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

きっと

いい日になりますように

願いを込めて

 

 

神社門松お年玉神社門松お年玉お祝いケーキ

 

 

晦日ですね

今年も残すところ

大晦日だけ・・・

 

月日の流れはなんて

早いのでしょう

どうぞ

安寧にお過ごしください

良いお年をお迎え下さいませ

 

 

 

 

 

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ご当選者様のご連絡が

遅れましたこと

申し訳ありませぬ〜

そして

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よかったらアメ限を

のぞいてみてくださいね〜

 

 

 

 

 

 

 

 

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