こうして始まった

チェ家の夏休み・・・

 

タンは初日からソダンで

大きな子供らに混じって

一日中 学問に励んでおり

 

スニョンは宣言通り

ポムの息子ミョンと一緒に

テマンとジュヒの道場で

汗を流して武芸の腕を磨く

 

そして

ユニョンとサンとゴンは

宣言通り 屋敷で

のんびりと過ごしていた

 

ユニョンはイサにもらった

異国見聞録という本を読み始め

異国の生活や食べ物や

文化に触れ

広い世界に

すっかり夢中になっている

 

ゴンはサンの期待を裏切り

木登りよりも ユニョンの横で

母親が作った天界式の数字の

パズルを解いて

遊ぶことが多かった

 

ゴンに相手にされないサンは

目論見が外れ

少しばかりヘソを曲げ

ヘジャの夫ソクテについて

チェ家の農園に出かけている

 

鶏が産んだ卵を

素早く集めるのが楽しいらしく

野菜の収穫よりも気に入っている

そしてその卵で

オンマが作ってくれる料理や

お菓子を心待ちにしていた

 

チェヨンはこのところ

なりを潜めていた倭寇の動きが

活発になったとの報告を受け 

出没に備え

海岸の警備計画の練り直しに

忙しい

 

そしてウンスは

四期生の現場実習を引き受けた

一ヶ月余りの実習計画で

前半はサクラ イ・ジウ

ホ・トマ ユチェが参加し

後半はオル アン・ズ サノが

参加することになっていて

狭い診療所の中に

学生たちの熱気が充満している

 

 

 

そうして 夕方

学生たちが今日の観察記録を

まとめ上げ

今日の実習を終了し

タンがソダンから戻る頃

 

ウンスは仕事を終えて

奥に戻り庭を眺めていた

 

庭では

ゴンとサンとユニョンが

大きな桶に水を張って

水遊びに興じていた

スニョンはまだ道場から

戻って来ておらず

三人だけの水遊びだが

楽しそうな笑い声が響く

 

 

暑い日は

やっぱり水遊びに限るわね

水しぶきを見ているだけで

涼しい気がするもの

 

 

うちわでそよそよと

扇いでくれているヘジャに

ウンスは言った

 

 

そうでございますね

ですが・・・

見ているだけでいい

とは・・・

奥様も随分と分別が

ついたようでございますねぇ

ふふっ

以前でしたら・・・

 

 

ヘジャはクスッと

思い出し笑い

まだ新婚の頃のウンスは

足を桶の水につけて涼み

それを夫であるチェヨンに

見咎められているのを

ヘジャはよく目撃していたのだ

 

 

誰に見られるかわからぬ

と言うのに

イムジャは無防備すぎる

その美しい足を見るのは

俺だけでいい

 

 

と・・・

屋敷の中には

旦那様奥様そしてヘジャ

と言うことは

ヘジャに足を見られるのも

悋気の対象なのかと

あの頃 苦笑したものだ

 

 

まあ ヘジャったら!

昔のことを混ぜっ返して〜

私は今でも

水遊びしたい気持ちに

変わりはないのよ

暑い日に足の裏を冷やすのは

熱中症対策の

理にかなっているもの

ただねぇ 今日はちょっと

水遊びする気にならないの

もうはや夏バテかしら??

 

 

それは大変でございます!

きっと

お疲れが溜まっているので

ございましょう

このヘジャにお任せを!

伏の日ですから参鶏湯を

ご用意してございます

 

 

わ〜 嬉しいわ

ヘジャの参鶏湯で

元気モリモリになりそう

忙しい旦那様にもいいわね

 

 

ウンスの返事に

ヘジャはふふっと笑った

 

 

そこへ

テマンに連れられ

道場からスニョンが帰宅する

 

 

おかえり スニョン

 

 

ただいま〜オンマ

テマン先生 送ってくださり

ありがとうございます

 

 

スニョン様

俺はこの屋敷の私兵です

先生はいりません

それに

お嬢様を送り届けるのは

私兵として当然のことです

 

 

ううん 違うわ

テマンもジュヒも

もちろん大叔母様も

大事なお師匠様なのよ

だから

師匠に送ってもらうのは

贅沢ってもんでしょう?

ミョンちゃんと

二人でちゃんと

帰ってこられるのに・・・

 

 

いやいやいや

お嬢様に

万が一のことがああれば

テジャンにも医仙様にも

俺は顔向けできませんよ

 

 

大げさなんだからぁ

 

 

そんな二人のやり取りを

ウンスは微笑ましく見ていた

テマンは変わらぬ忠誠心で

チェ家を支えてくれているし

スニョンのよき師匠として

寄り添っていてくれる

 

それにしても兄弟姉妹の中で

一番内向的で

屋敷にこもることが好きだった

あのスニョンが

剣術と出会ったことで

こんなにも生き生きとしているとは

人とは

何がきっかけで変わるのか

わからないものだと

ウンスはしみじみ思う

 

 

幼い頃からユニョンの方が

活発な子だったから

体を動かすことや

剣術にハマるのはユニョン

の方かと思っていたのに

人はわからないものねぇ

 

 

ん?オンマ?

なんか言った?

 

 

ううん 

なんでもないわよ

テマン 

暑い中送迎ご苦労様

少し涼んでから戻ってね

ヘジャ 冷たいお茶を

 

 

はい ヘジャにお任せを

 

 

ヘジャは井戸へ冷やした

竹筒を取りに行く

 

 

あああ いいなぁ

ユニョン〜〜〜!!

スニョンも桶に入れて〜

 

 

スニョンは他の子供らが

歓声をあげて水遊びしている

様子を見て言った

 

 

ええ いいわよ

スニョン

早くいらっしゃいな

 

 

ユニョンが手招きすると

スニョンは一瞬行きかけて

それから

くるりとウンスに向き直ると

ぐふっと笑って言った

 

 

オンマぁ あのねぇ

にぃにがねぇ

表で若い女人たちに

囲まれていたよ

にぃにはいつも人気者ね〜

 

 

ええええ????

スニョンったら

にぃにのこと

助けてあげればよかったのに!

黄色い声の女の子たちに

にぃには迷惑しているのよ!

 

 

話を小耳に挟んだユニョンは

いささか

憤慨してスニョンに迫る

 

 

あら〜

だって にぃに

そんなに困ってないように

見えたんだもの〜

それにイサもいたし

大丈夫よ!

 

 

え?イサもその場に???

もしかして学生さんたち?

 

 

ああ うん そう

そうだった 

今日から実習かぁ

 

 

それを早く言ってよ!

サン ゴンのこと

お願いね

ユニョン表に行って

様子見てくるから

 

 

そう言い残すと

足から水をしたたらせ

ユニョンはにぃにとイサのいる

正門へと急ぐ

 

 

西に傾いたお日様が

まだジリジリと照りつけている

暑い夏は当分続きそうだ

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

何気ないことにでも

あら?大人になったわねぇと

思う瞬間が嬉しい

 

 

 

くま猫うさぎねずみトラ波

 

 

 

お暑うございます

みなさま

お元気にお過ごしでしょうか?

熱中症にお気をつけくださね

 

そんな暑い中 昨日ようやく

映画 国宝を観てきました

なんか・・・すごかったです

上映時間3時間と長いけれど

それを感じさせない映画でした

歌舞伎の見所もたっぷりで

人生模様もたっぷりで

いい映画でした

 

 

さてさて お話の中にも

出てきている伏の日は

初伏・中伏・末伏とあり

日本で言うところの

土用の丑の日のようなもので

滋養のつく参鶏湯を食すのが

韓国の習わしです

 

2025年は初伏7月20日

中伏7月30日末伏8月9日

 

夏バテ防止に

皆様も参鶏湯は如何でしょう?

 

またおつきあいくださいませ

 

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