第2話
私の汚部屋時代
今は兄が住職で、父は副住職を務めています。
子どもの頃、私が好きだったのは、お寺の本堂。
モノがほとんどない、広くて静かな空間にいると、不思議とほっと落ち着きました。
今思えば、私が「余白のある空間」を好きになった原点はここでした。
ところが、そんなモノの少ないスッキリとした空間の良さを知っていながら、若い頃の私は、とても散らかった汚部屋で暮らしていました…
雑貨が好き。とくに100円ショップが大好きで。
学生寮の狭い部屋にはどんどんとモノが増えていく一方。
しかも片づけられないので、部屋はいつもごちゃごちゃ。
恥ずかしくて友だちを呼ぶこともできず、寮の管理人さんに「こんな部屋は見たことがない !」とあきれられるほどでした。
それでも帰省して本堂を目にするたび、
「自分の家を本堂のようにスッキリさせたい」という思いが強くなっていきます…
転機が訪れる
転勤族だったわが家は、これまで何度も引っ越しをしてきました。
そして11年ほど前、アメリカから日本へ引っ越してきたときのこと。
なんと、荷物が1ヶ月届かないというハプニングが勃発!
慌てて必要最低限のモノだけをダイソーなどで揃えて、なんとか生活していたのですが…
その1ヶ月が、信じられないほどラクで快適だったのです。
モノがないから、散らからない。
片づけるものも、管理するものもほとんどない。
それまで片づけが苦手だった私が、初めて知った感覚でした。
「もうアメリカからの荷物は届かなくていい!!」
本気でそう思ったほど。
そしてこの1か月の暮らしが、
その後の私の人生を大きく変えることになります。
片づけ下手だった私が、モノを8割手放すことになるなんて、このときはまだ知る由もありませんでした。
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