酒と悟り 真の意志が目覚める
こんにちは、マスターの浜田です。
著述家で登山家のアレイスター・クロウリーは、
全ての個人にはエゴにありふれた欲求や欲望等とは
区別されるべき「真の意志」があると言っています。
「真の意志」とは個人の天職であり、人生の目的そのものであると。
わたしたちの内には確かにこの「真の自己」があります。
それは仏教においては「仏性」と呼ばれ、
映画にもなった小説「DUNE 砂の惑星」では、
クイサッツ・ハデラックと呼ばれ、表現されてきました。
今日はこの「真の自己」がエゴの幻想から目が醒めるお話です。
ではメールマガジン「深層意識からの手紙」にて連載の
「酒と悟り」からの転載です。
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これまでのあらすじ
男はバーのカウンターで不思議な紳士と出会ったことがきっかけで、
真理と悟りを求める探求の旅がはじまりました。
座禅修行で人生の師となる老師と出会い、
男は自己の内面に深い静寂を見つけます。
座禅修行から帰ってきてからの男の講演や講座は
大好評となり、男は成功への道を走りはじめます。
ところが「あなたは必ず成功するわ」という言葉で
近づいてきたあやしい人物に男は
「この人は自分のことを解ってくれる人だ」と心を許してしまい、
男のビジネスは壊滅的な大打撃を受けてしまいます。
この人物と縁を切ることはできたものの、
男はその人物が自分自身の鏡で、
自分自身なのだとは到底認めることが出来ませんでした。
そんな中、男はいつの間にか夢なのか現実なのか定かでない
奇妙な世界に迷い込んでいました。
遊園地のミラーハウスのような空間に無数に映る人々。
そんな鏡に映る無数の人々の中に男は、
6歳未満の小さな自分自身を見つけます。
トラウマを抱えた幼い自分。
小学校に初めて行った日。
自分が忘れ物をしたこと。
忘れ物をしたことを言ったら怒られると思い、
教室で泣き出してしまったこと。
そうしたら先生から「赤ちゃんみたいに泣きだした」と笑われ、
クラス全員から大爆笑されたこと。
以来、小学校の間ずっと、ことあるごとに
クラスメイトから「赤ちゃん」と言われて傷つけられたこと。
男は幼い頃、自分の身に起こったことを思い出します。
先生の無神経な一言でひどく傷つき、
トラウマを抱えることになった自分。
大人になってもその影響を知らなうちに受けてきた自分。
男は先生への激しい怒りを感じます。
が、心の声は囁きました。
目を醒ませ。
真実を見抜け。
男は冷静になり、自分はずっと先生の被害者だと思ってきたが、
本当は先生がやったことが正しかったのではないか?
という思いを抱くに至るのでした。
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真の意志が目覚める
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先生が言った「赤ちゃんみたい」という一言。
その一言で幼い自分はひどく傷つき、
そしてクラス全員から笑いものにされた。
そして小学生の六年間の間、
ことあるごとに赤ちゃんとクラスメイト達にからかわれた。
屈辱的な記憶!
先生のあの無神経な一言が自分の人生に大きな影響を与えた。
どう考えたら、先生が正しかったなどと思えるのか!?
ありえない!
そんな思いが男の中に渦巻こうとする。
先生は軽い気持ちでからかったのだろう。
軽い気持ちで....。
そのことが男にはどうしても許せなかった。
軽い気持ちでからかったつもりのことが、
ひとりの人間の人生にどれだけ大きな影響を与えることか!
あの先生にはそれがわからなかったのだ。
そんな人間が教師になるなんて!許せない!
再び男の内に激しい怒りの炎が巻きあがりそうになる。
あんたのせいで、オレはひどく傷ついたんだ!
責任取れよ!
謝れよ!
土下座をして謝れ!
軽い気持ちでやったことがどれだけ自分を傷つけたことか。
それがずっとずっと心の傷になっていたんだ!
土下座をして謝る先生の頭を靴で踏みつけたい衝動。
それほどの怒りが男の内に渦巻きかけた。
待て!
落ち着け!
そんな考えに捉われては抜け出せなくなるぞ!
落ち着け!
そんなところに出口はない。
そこに入ってもただ苦しみが続くだけだぞ。
永遠に抜け出せない苦しみがっ。
怒りにとらわれ続ける終わりのない連鎖。
気がつく度に怒りを思い出し、感情が燃え上がり、
怒りの感情の炎に自らを燃やされながら、
けして癒えることのないこころの渇き。
自ら火をおこし、発火し、
自らの正しさを証明しようとすればするほど、
自らを燃やす怒りの炎は連鎖的に炎を生み出し続ける。
終わりのない、自らを苦しめ続ける怒りの連鎖。
けして抜け出せない苦しみの連鎖。
嫌だ、馬鹿馬鹿しい!
こんなバカげた苦しみの輪廻に囚われたくない。
そんな思いが男の内に生み出され、
火に油を注ぎ続ける自らの心の手を止める。
そうだ、冷静になれ。
先生が....もし先生がやったことが正しかったとしたら...?
男は自らの中心にそう問いかけた。
自らの内の冷静な自分...。
深淵な静けさの向こうの自己。
するとあるアイデアが浮かんできた。
そうだ、まず基本に立ち還ろう。
基本...それは全ての現実は自分が創り出しているということ。
男は怒りを静め、ようやくそこに立ち還った。
基本...それは全ての現実は自分が創り出しているということ。
ならば....先生に「赤ちゃんみたい」と言わせたのは自分だ。
先生に「赤ちゃんみたい」と言わせたのは自分だ。
男はそこに立った。
そしてそこから見える風景を見ようとした。
ならば...なんのために?なんの目的があって、
自分は「赤ちゃんみたい」と先生に言わせたのか?
なんの目的があって..........?
男は冷静に、静かに、心を静め、
思考を静め、心に空白の空間をつくり...待った....
.......深層意識から、深淵から言葉が生まれるのを。
すると突然、男の脳裏に思いもかけなかった事実が浮かび上がった。
そう...そうだ、オレは困った時にはいつも泣いていた。
...怒られそうになったとき
立場が危うくなったとき
隠し事をしていたとき
ばつが悪くなったとき
かまってもらえなかったとき
そう、オレはそんなときいつも泣いていた。
自分にとって何か都合が悪そうなことが起こると、
オレはいつも泣いたんだ。
泣いたら...大人たちは手のひらを返してくれた....。
「ああ、ごめん!ごめんね!今度から気をつけようね!」
そう言って幼い頃、大人たちは自分のご機嫌をとってくれた。
自分にとって都合が悪いことが起こりそうになると泣く。
泣き落としをする....それがオレの幼い頃の常とう手段だったんだ。
その瞬間、幼い自分の心の声が聴こえた気がした。
自分は悪くない!
自分はなにも悪くない。
だって自分は子供なんだもの。
何も知らない、汚れのない、純粋無垢な子供なんだもの。
そんな自分をあなたはいじめるの?
そんな自分をあなたは責めるの?
自分は何も悪くない。
自分が正しい!
お...おい!
目の前の幼い自分の心の声が聴こえた気がして、
男は一瞬後ずさりした。
そうだ...なにかばつが悪くなると、
都合が悪くなると、オレは泣いていた。
泣いたら周りの大人たちはご機嫌をとってくれた。。
それが、それが、オレのいつもの手口、いつもの常とう手段だったんだ。
だからあの時も泣いた。
泣いたら「ごめんごめん、今度から気をつけようね」と、
優しくしてもらえるとオレは判断したんだ。
だが....その手は通じなかった。
今まで通じていたはずの手が通じなかった。
先生の方がうわてだったんだ。
泣き落としをしようとする子供。
そんな子供の、そんな姑息な手口は先生はわかっていたんだ。
だから...
「そんな手口はここでは通用しないよ」。
そう、あの出来事はそういうことだったんだ。
先生に「赤ちゃんみたい」と言わせたのは、自分だったんだ。
男は初めて目が醒めた気がした。
ずっと自らにかけていた催眠術から目が醒めた気がした。
歪められた記憶が....
歪んだ像しか見えない眼鏡を自分がかけていたことに気づき、
はじめて目が醒めた気がした。
自分の内の真の自己が、
自分の内の進化した大人の自己が、
「そんな幼稚なことはもうやめよう」と
先生に「赤ちゃんみたい」と言わせたんだ。
いつまでも幼稚で卑怯な手口が通用しないことを
そんなつまらない生き方をもうやめさせようと
自らに知らせるため、先生に言わせることで、
常とう手段だった手口を封印させたんだ。
男ははじめて目が醒めた気がした。
自らの眼をくらましていた歪んだ記憶の解釈から。
今夜21時のメールマガジンにつづく
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【著者プロフィール】
浜田義之 1966年 京都生まれ。
子供の頃から大好きなことを仕事にすると決め、
20代でアメリカの世界的トップコーチに師事し、
その後、「生き方」の師となる禅の老師に師事、
真理をもとめアマゾンの先住民のセレモニーにも参加
生きがいある人生の探究をライフワークとし、
深層意識を活用したコーチングを実践
既存の枠に捉われない、斬新な観察眼を大切にし、
執筆、深層意識を使った能力開発、
深層意識を使ったライティング講座、
コーチング、セミナー講師として活動している。
特に文章表現においては「深い気づきが得られる」
「世界に引き込まれ、まるでその場で体験しているよう」など高い評価を得ている
かつてバーの経営者であったこと「マスター」の愛称で呼ばれる
著書に「わたしが目覚める~マスターが体験から語る悟りのお話」ナチュラルスピリット社がある

