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読了 2018.07.20

 

真砂代は十九歳になったが、見栄えのしない容姿であることは自分でも分かっていた。

近所のおばさんの仲介で見合いをしたけれど、相手の男性はほとんど話もしないうちに席を立ってしまう。

みんな自分のことを傷つけても踏んづけても構わないと思っているのだ。

見合いをした男性には、ずっと思い続けている貴子という年上の女性がいるらしい。

その貴子と偶然知り合った真砂代は、日中限定で家事を手伝うようになる。

働いている様子もないのに豊かな暮らしを続け、絵ばかり描いている貴子とは何者なのか。

時空を超え真砂代が辿り着いた真相に、あなたは必ず驚愕する!

 

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斉木香津さんの本は、前から読んでみたいと思ってましたえーんドキドキ

そう、めちゃくちゃ話題になった「凍花」です。

でもその機会より先に、こっちを借りてしまいました笑い泣き。

 

凍花の内容は、裏書きを読んで大体知っていて・・・・・・(確か、幸せで平凡な家族の内側の病巣が、殺人事件によって解き明かされていくミステリーだった気がする)。

『女性作家さんで、謎解き要素と意外性の盛り込み方、サイコロジカル・スリラー系は珍しいな〜』と思ったのを記憶していますDASH!

そのイメージで読み始めたので、この物語を読み進めていくにあたって、全く違う印象を持ちました。

 

 

この「踏んでもいい女」では、忘れてはいけない戦時中に出会った水と油のような女性が、互いに惹かれあって友情を築いていくお話でした。

真砂代は銭湯屋・吉田家の次女。

童顔、幼児体型、鈍臭い、と周りから散々言われて、いつしか自分を雑草に例えるようになる。

『自分は可憐な花と違って、踏みつけられる雑草と同じで、人の記憶には残らないつまらない女だ』とぼやく。

逆に、ひょんなことに真砂代の人生と交わることになった貴子は、とにかく謎。

戦時中にも関わらず、敵国の服・敵国の芸術・敵国の話・・・・・・。

戦時中は、見つかれば処罰されるほど「お国のため」を否定することは、NGだったが、貴子は自分の主張を曲げようとしない。

高嶺の花的存在で、舌鋒が鋭い貴子と、しょっちゅう言い合いになる真砂代。

だが、そんな世の中でも強く生きようとする姿勢に、次第に憧れを抱き始める。

 

こんな感じです。

 

全部書いてしまうところでした笑い泣きあせる

危ない危ない。

このキーパーソンは間違いなく、この上に書いた二人です。

 

十九歳の女の子がヒロインなんですが、この感覚は私も通ってきた道だったのでとてもリアルに感じ取れました。

自分の容姿に関すること、自分が取ってしまう行動、一つ一つ理由があるのに周りは誰も気にかけてくれない。

その上、口出しされるどころか、相手にもされない。

真砂代の描写が、十九の頃の私と重なり、何とも言えないくすぐったい気持ちになりましたにやりドンッ

 

それプラス、物語の舞台は戦時中。

いるはずもないその時代に、そのまま自分がフォーカスされていくのが、心地よかったです。

 

 

最終的には、『貴子』という謎が解けるミステリーではあるのですが、ダイナミックな仕掛けも、賢い探偵も登場しません。

ただ、時が解決する。

優しく、かつ力強く、『生きる』という謎を二人の人生を通して教えてくれます。

そして二人に関わる人たちも、かなりキャラが濃くてなくてはならない人物に仕上がってるし、そこに在るモノの大切さを再確認させてくれるような文章です。

 

いまこの現在にこの二人を登場させた物語なら、ありがちになってしまっていたかもしれません。

でも、戦時中においたことで、斉木さんの戦争に対する思いもひしひしと伝わってきます。

 

 

トラック諸島の陥落、サイパンの玉砕、マリアナ沖での敗退、本土空襲の危機。

そして敗戦。

この時代に産み落とされた二人の女性の物語は、私の中にリアルな戦時中を描いてくれました。

今生きる私たちが、絶対に忘れてはならない記憶。

それを改めて認識させてくれました。

 

 

私は影のために花を描く

花は光を求めて咲く

光は花に色を与える

死にゆく人は影を残し

光をいっそう際立たせる

 

 

皆さんも是非、この謎を解いてみてください。

きっと「明日からも力強く生きていこう」、そんな気持ちになれると思います。

 

 

ああ〜〜、凍花!!!

ますます気になり始めましたえーんラブラブ

 

しばらくこの余韻に浸りますドキドキドキドキ