「もったいないから、捨てられない」
「もったいないから、使わないで取っておこう」


私たちは、「もったいない」という言葉をよく使います。
でも、そもそも「もったいない」とは、どういう意味なのでしょうか。


辞書で調べてみると、「もったいない」には、

もともと「あるべきさまをはずれていて不都合」

という意味があります。



そして現在では、

「まだ使えるものをそのままにしておいたり、

むだにしてしまったりするのが惜しい」

という意味でも使われています。



私は、この意味を知った時、
「では、モノにとって“あるべきさま”とは何だろう?」
と考えました。


■そのモノは、何のためにある?

たとえば、洋服。
何のためにつくられたのでしょう。
多くの洋服は、着るためにつくられています。


では、水筒は?
水やお茶などの飲み物を入れて、持ち運び、飲むためにつくられています。


食器なら、料理を盛って使う。
椅子なら、座る。
バッグなら、モノを入れて持ち歩く。


 

モノには、それぞれ役割があります。
そして、その役割を果たすことで、

私たちはそのモノの価値を受け取ることができます。


そう考えると、
「もったいないから使わない」
という言葉が、少し不思議に聞こえてきませんか?


使うためにつくられたモノを、使わずにしまっておく。
私は、それこそが「もったいない」のではないかと思うのです。


 ■昔の「もったいない」は、使い切ることだった

モノが今ほど豊富ではなかった時代には、

一つのモノを長く使い、形を変えながら

最後まで活かす暮らしがありました。



たとえば、江戸時代の着物。
着物は、古くなれば仕立て直して子ども用にしたり、

布として別の用途に使ったりしました。

さらに着古した木綿の布は、

赤ちゃんのおむつや雑巾などに使われることもありました。

そして、それさえ使い切ったら、

燃料として燃やし、残った灰も肥料として土に還す。

一枚の布を、形を変えながら最後まで使い切っていたのです。



そこにあったのは、
「もったいないから、使わない」
ではありません。


むしろ、
「もったいないから、最後まで使う」
という暮らしでした。


私は、ここに「もったいない」という言葉を、

今の暮らしの中で考え直すヒントがあると思っています。


 ■時代が変わっても、「もったいない」は残った

ところが、時代は大きく変わりました。
モノが少なかった時代から、

たくさんのモノを持つことができる時代へ。


私たちの暮らしの中には、

次々と新しいモノが入ってくるようになりました。


今では、欲しいと思えば、

手頃な値段でさまざまなモノを簡単に買うことができます。


けれど、
「モノを大切にしなさい」
「まだ使えるのに捨てたら、もったいない」
という価値観は、今も私たちの中に残っています。


すると、
使わない。
でも、もったいないから捨てられない。
だから、とりあえず持っておく。
ということが起こります。


そして家の中には、
「使えるけれど、使っていないモノ」
が増えていきます。


昔は「もったいないから、最後まで使う」だったものが、
いつの間にか、
「もったいないから、捨てずに持っておく」
に変わってしまったのかもしれません。


でも、ここで改めて「もったいない」の意味を考えてみてほしいのです。
まだ使えるのに、そのままにしておくことも「もったいない」のです。


■「もったいないから使わない」は、反対かもしれない

「この食器は高かったから、普段使いするのはもったいない」
「この洋服は大切だから、着るのがもったいない」
そんなふうに思うことがあります。


でも、
食器は、使うためにある。
洋服は、着るためにある。
それなのに、
「もったいないから使わない」
と何年もしまい込んでいたら、

そのモノが持っている価値を、

自分は一度も受け取れないままかもしれません。


だから私は、
もったいないからこそ、使う。
と考えています。


大切な食器なら、今日使う。
お気に入りの洋服なら、今日着る。
素敵なバッグなら、持って出かける。

そして、
「やっぱり、このお皿好きだな」
「これを着ると、私、素敵だな」
「このバッグを持つと、氣分がいいな」
と、そのモノの価値を暮らしの中で十分に味わう。


それこそが、モノを大切にすることではないでしょうか。


■使わないなら、活かせる場所へ

では、
「まだ使える。でも、今の私は使わない」
というモノはどうすればいいのでしょう。


ここでも、
「もったいないから持っておこう」
ではありません。


まだ使えるものだからこそ、必要としている人に譲る。
売る。
別の用途で活かす。
そのモノがもう一度、役割を果たせる場所へ動かしてあげる。


私は、それも「もったいない」を大切にすることだと思っています。
もったいないから、持っておく。  
ではなく、  
もったいないから、活かす。


自分が使うなら、しっかり使う。
自分が使わないなら、次に活かせる方法を考える。


そうすれば、
「使わないけれど、もったいないから持っているモノ」
で、家の中がいっぱいになることもなくなります。


■「もったいない」を、今の暮らしに合わせて考える

「もったいない」は、とても素敵な言葉だと私は思っています。
だから私は、「もったいない」という氣持ちそのものを

手放してほしいわけではありません。


むしろ、その氣持ちを大切にしてほしい。
ただ、その意味を、
「捨ててはいけない」だけにしない。


昔の暮らしのように、

一つのモノを何度も形を変えて使い切ることは、

今の私たちには難しいかもしれません。


でも、その根底にある、
「モノの価値を最後まで活かす」
という考え方は、今の暮らしにも取り入れることができます。


使えるものは、使う。
大切なものほど、しまい込まずに使う。
今の自分が使わないなら、その価値を活かせる方法を考える。


そんなふうに「もったいない」を捉え直してみると、

モノとの付き合い方も変わってくるのではないでしょうか。


もったいないから、使わない。  
ではなく、  
もったいないからこそ、使う。


そして、
使わないのであれば、もったいないからこそ、

活かせる場所へ手放す。


「もったいない」は、モノを抱え続けるための言葉ではなく、
モノの価値を活かすための言葉。
私は、そんなふうに考えています。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

整えライフスタイリスト®
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