「これ、10万円もしたコートなの」
「このバッグ、買った時すごく高かったのよ」
そう言いながら、
何年も使っていないモノを持ち続けていることはありませんか?
高かったものは、なかなか手放せません。
たとえ10年、20年経っていても、
「あの時、思い切って買ったんだよね」
という記憶が残っているからです。
今は使っていない。
今は着ることもない。
それでも、
「だって、高かったから」
と持ち続けてしまう。
でも、ここで私は一度、
「高かった」って、どういうこと?
と考えてみてほしいのです。
■「高い」「安い」は、何かと比べて決めている
そもそも「高い」「安い」という感覚は、人によって違います。
たとえば、大根一本100円。
「100円もするの? 高い」
と思う時もあれば、
「100円なら安い!」
と思う時もあります。
同じ100円なのに、です。
つまり、100円という値段そのものに
「高い」「安い」が決まっているわけではありません。
何かと比べて、
「私は高いと思う」
「私は安いと思う」
と判断しているのです。

10年前に10万円で買ったコートも同じです。
買った時の私は、
「10万円もする。高いな」
と思った。
それでも、そのコートに10万円を払うだけの価値がある
と思ったから買ったのです。
ここまでは、過去の事実です。
■「10万円で買った」と「今も10万円の価値がある」は別
では、そのコートを10年経った今も、
「10万円の価値があるもの」
と考える必要があるでしょうか。
10万円を払ったという事実は変わりません。
でも、10年経てば、自分も変わります。
サイズが合わなくなっているかもしれない。
デザインが今の自分には似合わないかもしれない。
生地が傷んでいるかもしれない。
何より、
「今の私は、もう着たいと思わない」
かもしれません。
それなのに、
「でも10万円もしたから……」
と手放せない。
その時、私たちが見ているのは、目の前のコートではありません。
「あの時の私が、高いと思った」という過去の記憶です。
だからこそ、私は「今」に戻って考えてみてほしいのです。
「今の私にとって、このモノにはどんな価値がある?」
■今も価値があるなら、使わない方がもったいない
反対に、
「今でも、このコートは大好き」
「着ると、とても素敵な氣持ちになる」
「今の私にもよく似合う」
そう思うのであれば、ぜひ着てほしいのです。
だって、10万円を払って買ったのですから。
高かったから汚したくない。
高かったから傷めたくない。
だから着ない。
それでは、その10万円分の価値を、自分が受け取ることができません。
洋服は、着るためにあります。
バッグは、持つためにあります。
食器は、使うためにあります。
価値のあるものだからこそ、
使って、その価値を受け取る。
私は、それがとても大切だと思っています。
■過去の値段ではなく、「今の私」を基準にする
モノを見る時、値札はもうついていません。
でも私たちの頭の中には、
「これは高かった」
という見えない値札が、
何年経ってもついたままになっていることがあります。
その見えない値札だけを見て、
「高かったから手放せない」
「高かったから使えない」
となってしまう。
でも、基準にしたいのは、
過去にいくら払ったかだけではありません。
今の私が、それを使うことで価値を感じられるか。
今の私が着て、素敵だと思える?
今の私が使って、心地いい?
今の私の暮らしを、豊かにしてくれている?
そこを見て選んでいきます。
今も価値があるなら、しまっておかずに使う。
今の自分にはもう価値を感じられないのなら、
「高かったから」
という過去だけに縛られず、これからどうするかを考えてみる。
高かったものだからこそ、
持っているだけで終わらせない。
モノの価値は、持っているだけでは受け取れません。
使って初めて、その価値を自分の暮らしの中に
取り入れることができるのです。
だから私は、
高かったものほど、使わない方がもったいない。
そう思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
整えライフスタイリスト®
中村のぶ子
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