ここまで、私たちがモノを手放せなくなる、
さまざまな理由を見てきました。
「いつか使うかもしれない」
「高かったから」
「いただいたものだから」
「大切な思い出があるから」
どれも、そのモノを持っている理由があります。
そして、その多くには「過去」が関係しています。
買った時のこと。
いただいた時のこと。
大切な人との思い出。
子どもが小さかった頃のこと。
過去は、もちろん大切です。
今の私があるのは、これまで歩いてきた過去があるからです。
でも、ここで一つ忘れないでほしいことがあります。
今、この家で暮らしているのは、「今の私」です。
■私たちは、あっという間に過去を増やしていく
私たちは生きているだけで、どんどん過去をつくっています。
昨日の出来事も、もう過去。
一年前に買ったものも過去。
子どもが小さかった頃も過去。
大切な思い出も、これまでの経験も、
時間が経てばすべて過去になっていきます。
その一つひとつを、
「大切だから」
「思い出だから」
「せっかく買ったから」
と、すべてモノとして残していたら、
家の中は過去のモノでいっぱいになってしまいます。
でも、私たちは過去の中で暮らしているのではありません。
私たちが生きられるのは、いつだって「今」です。
■今の私が、このモノと暮らして幸せ?

だから私は、モノと向き合う時に、
「これは捨ててもいい?」
ではなく、
「今の私が、このモノと一緒に暮らしていて幸せ?」
と問いかけてみてほしいと思っています。
この洋服を着ている今の私は、心地いい?
この食器を使っている私は、うれしい?
このモノが部屋にあることで、私は満たされた氣持ちになる?
そうやって、「今の私」を主語にして考えていくのです。
昔好きだったかどうかではありません。
高かったかどうかでもありません。
誰にもらったかでもありません。
「今、私はどう感じる?」
そこを見ていきます。
■過去を大切にすることと、過去のモノに囲まれることは違う
これは、過去を否定するということではありません。
大切な思い出も、
誰かからいただいた優しい氣持ちも、
一生懸命頑張ってきた自分も、
全部、今の私をつくってくれています。
だから、過去に感謝する。
でも、
過去を大切にすることと、
過去のモノをすべて持ち続けることは別です。
過去を大切にしながら、今の自分が心地よく暮らす。
その両方があっていいのです。
■「何を手放す?」ではなく「何を選ぶ?」
「捨てられない」と悩んでいる時、私たちの意識は、
「何を捨てよう」
「何を減らそう」
「何を手放そう」
という方向に向いています。
でも、それでは苦しくなってしまいます。
だから、見る方向を反対にしてみる。
「今の私は、何を選びたい?」
と考えるのです。
今の私が使いたいもの。
今の私が着たいもの。
今の私が見ていたいもの。
今の私が触れて心地いいもの。
そんなモノを、自分で選んでいく。
すると、家を整えることが、
「嫌なモノを捨てる作業」
ではなく、
「今の私が幸せになるものを選ぶ時間」
に変わっていきます。
■決めるのは、「今の私」
そして最後に、もう一つ大切なことがあります。
誰かに、
「これは捨てた方がいいよ」
と言われたから手放すのではありません。
世間で、
「これはもう必要ない」
と言われているからでもありません。
決めるのは、自分です。
昨日の私でもなく、
いつかの私でもなく、
今の私が決める。
「私は、これを使いたい」
「これは、今の私にはもう必要ない」
「これは、これからも大切にしたい」
一つひとつ、自分に問いかけて、
自分で選び、自分で決めていく。
その積み重ねが、自分の基準をつくっていきます。
家を整えるということは、
単にモノを減らすことではありません。
「今の私は、どうしたい?」と自分に問いかけ、
自分で選び、自分で決めること。
だから私は、
「捨てられないモノをどうしたらいいですか?」
と聞かれた時、
「捨てることを考えなくていいですよ」
とお伝えします。
考えてほしいのは、
「今の私が、幸せに暮らすために何を選びたい?」**
ということ。
モノを通して、何度も自分に問いかける。
そして、今の私が決める。
そこから、家だけではなく、
自分自身の「整え」も始まっていくのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
整えライフスタイリスト®
中村のぶ子
✨2027年2月 初書籍出版決定!✨