前回からの魔女つながりでもう一作品紹介します。

松本零士先生の『魔女天使』です。
顔も頭もさえなくてひがんだ少年・物野けじめ(ものの・けじめ)と、彼につきまとう美しき魔女天使が巻き起こす不思議な出来事を描いたSFファンタジー

ひがんだ少年の前にあらわれた魔女、目的は人間を堕落させて不幸にしたり、自殺に追い込んだりする筈だった。
だが、
そんな魔女の誘惑に対して「そんな事は夢物語、現実に起きる筈はない」と相手にしないのだが、悔しさで一人鳴くのであった。
甘い誘惑にのらないほど、ひがんで身の程を知る男が居るとは魔女には想像できなかったのだ。


このセリフって
なんだか、聞いていて身につまされるって言うか、誉め言葉ではないよね?
その後、魔女(天使?)は何故か少年のそばによりそい、ただ見守るようになる。
ところでっ!
松本零士と言えば『キャプテンハーロック』ですが。(?)

これは名言中の名言ですよね。
それに負けず劣らずの名言がこの作品中にあるのです!(当社比
テストの成績を廊下に貼りだされて落ち込む少年に宇宙の広大さを見せ、

これに比べたらあなたの悩みなんてちっぽけなものよ。
とテンプレの慰めをするのですが、
「宇宙がいくら広くたって、星がいくらあったって僕の心の中とは関係ないやい!!」
と魔女はまた自分の力の及ばない事を知る・・。
この件は多感な青春時代に読んだから、なんだか忘れられないんだよなぁ~。
そう、自分の悲しみは自分だけの物なんだよね。
他人と比べてどうだとか、もっと不幸な人が居るとか関係ないんですよ。
ぐっと飲みこんで自分の糧にしたら良いんですよね。
悔しさをも噛みしめて男は成長するんだと松本零士は言っているのだと思う。
真の男の価値は耐える事にあるのです。
それを踏まえると、
『銀河鉄道999』の原作版と映画のラストが違う事に納得が行くかと。
そういえばーー
メーテルの別れ際の言葉

「いつか私が帰ってきて、あなたの傍にいても、あなたは私に気が付かないでしょうね。」
「私は、あなたの想い出の中にだけいる女。
私は、あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影。」
昔観た時は、メーテルに恋心を抱いた鉄郎をあしらうだけの言葉かと思ってました。
今思うとメーテルも魔女みたいな物ですもんね。

