米粒がパラパラと
傘に当たる音
静かに降る朝
時たま
ボツんと音を奏でる
フィクションは
一歩で
具現化する
今日の様な朝
紙袋の取っ手が濡れ
抱えてる女性
肩からは
アルトサクソホン
そして
大きく傾く傘
つい声をかけた
持つよと
普通なら遠慮されそうだが
彼女から出た言葉は
助かる
背は俺の肩くらい
ショートカットが似合う
紙袋の中は
友から貰った楽譜やら本だ
4階建のマンション前
彼女に紙袋を渡そうとしたが
入ってー
おいおい良いのか?
会ったばかりだよ
と
思いながら着いて行く
凄くサッパリした人だ
まるで長年の友でも部屋に招くように
部屋は女性っぽいと言うより
音楽好きが溢れてた
どうやらお茶を入れてくれてる
いや
コーヒーの香りだった
音楽ステッカーが
ビッシリ乱雑に貼られた
小さなテーブルに
カップを置かれ
さっき
紙袋持たれた時
女性の匂いしたね〜
と
聞かれた
彼女の家から出て来たの?
まさか
昨夜たまたま知り合った
とは言えず
友達?
バレた言い方で返してしまった
濡れたサクソホンのケースを拭く
彼女に
それアルトだよね
見ていい?
自慢げな顔して彼女は
ケースを開けた
中を見るなり
俺は
セルマー
彼女の驚きと
共感は
土砂降りの様に
俺に降りかかって来た
外は
まだ静かな雨なのに
さて
フィクション?
事実?
では(。・o・。)ノ
