成分名変更で取り下げ必要か | グルコサミン博士のブログ

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 機能性表示食品の届出を取り下げる動きが目につくようになってきた。なぜ撤回するのか首を傾げざるを得ないものもある。何が起きているのか。

 「機能性関与成分名称変更のため」。理由をこう説明する撤回届出2件が5月26日付で行われた。いずれも届出者は甲陽ケミカルで、グルコサミンを機能性関与成分とするサプリメント。撤回届出が受理されたのに合わせ、同社はホームページで事情を伝え、機能性関与成分名をグルコサミンからグルコサミン塩酸塩に変更するため届出を「一旦取り下げ」るとした。

 

 そこで同庁(消費者庁)担当課に撤回理由について見解を尋ねてみた。同課は新規届出が必要になる場合のうち〝1日あたりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量の変更がある場合〟を示しつつ、「この規定に該当すると事業者が判断し、撤回を申し出たと思われる」と推測。また、名称の変更が「この事項に該当すると自ら判断し、撤回したと思われる」などと話した。

 

 名称変更で含有量が変わるはずはなかろう。日本の健康食品業界でグルコサミンといえば、すなわちグルコサミン塩酸塩を指す。「グルコサミン」と表示があっても含有量に関しては「グルコサミン塩酸塩」としての定量値を表示しているのが一般的で、撤回された2商品もそのようにしていたはずだ。

 

 一方、別の考えもある。「グルコサミンとグルコサミン塩酸塩は別物」「機能性関与成分がグルコサミン塩酸塩であるなら、少なくとも定量表示はグルコサミン(塩酸塩)と記載すべき」──こう指摘するのは機能性表示食品制度の検討会委員を2度にわたりつとめた合田幸広・国立医薬食品衛生研究所薬品部長。正しい機能性関与成分名に対して強いこだわりを持つ。

 

 ただ、「別物」だとしても日本では慣例的に同じものとして扱われている。既存添加物リストでも「グルコサミン」として名称登録されているほか、日健栄協のJHFA規格基準でも名称は「グルコサミン食品」。消費者の誤認を防ぐため、機能性関与成分名は正しい名称を届け出る必要があるが、とりわけグルコサミンに関しては、そこまでこだわる必要はない。

 

 甲陽ケミカルはグルコサミン原料製造販売で国内最大手。グルコサミン機能性表示食品の届出支援も行っている。グルコサミンの名称で届出済みの事業者は他にも複数存在し、その名称変更を理由にした届出撤回が波紋を呼ぶ可能性は容易に想像できただろう。それにもかかわらず撤回を決めたのはなぜか。変更届出で済ませられなかったのはなぜか。

 

 撤回圧力を受けた結果だとしか考えようがないだろう。そもそもグルコサミンの名称で届出を受け付けたのは消費者庁であるはずだが、同庁担当課は「個別案件には答えられない」。仮に、水面下で圧力をかけていたのだとすれば、同庁は極めて微妙な制度運用を行っていることになる。ある人はこう指摘する。「右手で頭を撫でた後に左手で顔を殴るようなもの」

 

(健康産業流通新聞抜粋)