オランダの犬と言えば、日本では誰もが「フランダースの犬」を思い出すことでしょう。オランダはヨーロッパにおける農業大国の一つ、チーズ製造のための乳牛飼育など古くから家畜を中心とした経済が盛んで、民間ではまた、牛乳をはじめとした畜産物などの運搬にパトラッシュのような大型の荷引き用の犬が普及していたと同時に、多くの野良犬が町のあちこちで気ままな生活を送っていたという背景があるそうです。
オランダで最初の動物保護団体Dierenbescherming
が創立されたのは1864年、19世紀のオランダでは町の犬の数を制限する目的で犬税が導入され、また狂犬病の流行により飼い犬達はリードと口輪着用を義務づけられた一方、リードも口輪も着用のない犬や野良犬たちは一斉に捕獲・殺処分された経緯もあったそうです。
Dierenbeschermingによって家畜の置かれた状況の向上を求める活動が始まり、その一環としてこの団体は荷引き犬たちが過酷な労働条件を強いられている状況を見かねて、1912年から犬を荷引きの使役に供することへの禁止を政府へ根気強く続けた長い嘆願した結果、荷引き犬の使用は1962年に施行された動物保護法により、ようやく禁止されました。
そして1975年には動物保護検査機関として国立財団Landelijke Inspectiedienst Dierenbescherming (LID)が設立され、動物保護法は20世紀末までにはオランダで最も重要な法律の一つにまで数えられ、動物の虐待行為は最高3年以下の懲役あるいは16,750ユーロの罰金が科せられるようになりました。