オーストリア旅行をきっかけに誰もが知っているミュージカル映画の名作「サウンドオブミュージック」を、DVDで初めて観ました。美しい風景のもと、音楽好きの家庭教師と子どもが出てくるというくらいの内容と思っていたのに、音楽はもちろんのこと、物語の展開は見事で、内容も深いものでした。
少し、内容に触れておきます。
1930年代のオーストリアを背景に、奥さんを亡くしたトラップ大佐の厳しいしつけでひねくれた子どもたちを、修道院から派遣された家庭教師のマリアがどんどんリードしてすっかり打ち解けさせ、歌の好きな素直な子供たちに変えていく。そして次第にトラップ大佐自身の心も解きほぐしてゆく。しかし、それを感じたマリアは、神に仕える身として混乱してしまいトラップ家を去ってしまう。一方トラップ大佐は以前から親交のあったウィーンの男爵夫人と再婚の約束をするが、マリアを慕う子供たちは男爵婦人にはなつかない。一方、自分の気持ちを確かめるためにマリアが修道院からトラップ家に戻ってきて、最終的にはトラップ大佐も、マリアへの愛を自覚して結婚してめでたし。
そこで終わるかと思ったら、今度はついにオーストリアがナチス・ドイツに併合され、オーストリアへの愛国心が特につよく、その分、反ナチ的であったトラップ大佐は危険分子とみなされて強制的にドイツ海軍に徴兵されることに、とストリーが急展開。大佐は徴兵を逃れ、一家でスイスに通じる山麓を渡るところでお終いになる。
なかでも印象的だったのは、亡命直前の音楽会で大佐がうたった「エーデルワイス」でした。
有名な曲ですが、それが歌われる状況を考えると一入(ひとしお)感慨深くきこえました。
Edelweise,Edelweise
Every morning you greet me
Small and white,clean and bright
You look happy to meet me
Blossom of snow may bloom and grow
Bloom and grow forever
Edelweise,Edelweise
Bless my homeland forever
純白の可憐なエーデルワイス(もちろんそれはナチに併合された祖国・オーストリアの比喩)を称えながら、愛国心は最後にたった一言
Bless my homeland forever=我が祖国を、永遠(とわ)に祝福してあれ
と吐露されるだけにすぎない。
そもそも祖国に対してだけでなく、人が、ある対象を真に愛するならば、
「好きだ好きだ大好きだ、君は僕の太陽だ」
とか、
冒頭から
「我が国とその君主の支配は千年も八千年=永遠に、砂が堆積して岩になり、それに苔がはえるまで続くにちがいございません」
などと、歌えるはずはないと思った次第です。
ともかく、サウンドオブミュージックは、単なる娯楽を超えた深いメッセージが込められた作品なのだと感心しました。3時間近いこの作品を、飽きのなく見ることができました。
せっかく写真を撮ってきましたので、いくつか映画のロケになった場所を載せてみます。
バラのトンネル
不気味な妖精
ドレミの階段
ミラベル庭園



