グルコサミン研究会第6回学術大会は神戸薬科大学北川先生を招き、先生は『コンドロイチン硫酸の生合成と機能』をテーマに講演されました。
コンドロイチン硫酸はグルクロン酸とN-アセチルガラクトサンミンが交互に繰り返した構造を持った高分子として知られています。異なる硫酸基転移酵素によって構造多様性を獲得しており、実はコンドロイチンのさまざまな機能はその特異的な硫酸化構造が深く関与しています。コンドロイチン硫酸プロテオグリカンが多く存在する軟骨組織や中枢神経系を例えますと、硫酸化の程度と構造の異なるコンドロイチンがそれぞれ異なる機能を発揮し、軟骨細胞の分化や神経回路網の形成に重要な役割を果たしています。
Fam20c遺伝子変異がコンドロイチン異常合成の原因になり、その結果Raine症候群になってしまうことが知られています。また、OMANI型脊椎骨端異形成症もコンドロイチンの硫酸化が異常になる疾病であり、コンドロイチン硫酸化は機能発現つまり軟骨形成に重要です。また、軟骨細胞、繊維芽細胞、神経細胞が作り出すコンドロイチンの種類が違うこと、肝臓には高硫酸化されたコンドロイチンが多いことも述べられました。
軟骨や神経細胞以外に、癌やアルツハイマー病、その他の多くの疾病における生体分子の異常の一つとして、硫酸化糖鎖の構造の変化が知られています。たとえばヘパラン硫酸が合成されなくなると、骨のがんになることや小腸でヘパラン硫酸が合成されない遺伝病では腸管吸収の異常をきたし、出生後すぐに死亡してしまう…なども紹介されました。
一方では、硫酸化糖鎖がエイズや癌をはじめとする種々の疾病の治療薬としての可能性をもつとも言及されました。