私は経済学部出身だが、
ステイグリッツも伊東元重も試験以外では役に立っていない

げんじつを突き付けてくる青木雄二氏の著書は
時折いきすぎかと思ったり、
それはちょっと飛びすぎでないの???
ということもあるが
とても現実的だ。

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このあいだへ新聞を見ていたら'お金についての世論調査の結果が掲載されていた
崩日新開一九九八年三月十一日)
「お金さえあれば'たいていの楽しみは手にはいる」と思-人が四十パーセント-
「そうは思わない」人が五十九パーゼント- 
これはバブル時代の八五年の調査とまるで逆転した結果だったという。 
バブル当時は'「お金さえあれば'たいていの楽しみは手にはいる」と思っていた人が六十パーセン-を占めていたんや。
それが、バブル崩壊後の九三年に僅差で逆転。
いまや'「そうは思わない」派が多数になったのである。
 調査結果に対して'ある作家なんかは'「消費が質実になってきた」 とかへ「みんな消費がむなしいことに気づいた」なんていうnメン-を出している。
けど'なんかちがう気がする。じつは、このすぐあとにまだ'別の質問があるんや。
「買いたいものはあるが、お金がない」という人が七十パーセン-0
「お金があっても'買いたいものはない」という人が二十四パーセン-。
つま-、ほとんどの人は'ゼニがないのである。
ゼニがなく-せに'「お金があっても、楽しみは手にはいらない」と答えているのである。
なんかおかし-ないか?
僕は'どこかおかしい気がする。
なんかム-がある。
ゼニをたんま-持っている人間が'「い-らお金があってもー-」というなら話はわかる。
けど'ゼ二がない人間がい-らそれをいったところで、まるで説得力はない。
ただの負け惜しみや。
キッネの話があるわな。
僕は'あの話を思い出した。
高い-ころにあるブドウがとれないので'「あのブドウは酸っぱいに決まってる。いらんわい」-
'無理矢理に自分を納得させてしまう、イソップ童話かなんかのあのキッネである。
この世論調査'どこかそれに似た-ころがないか。

基本的にいって'人間というのは、ご-少数の例外をのぞいて、まずほとんどがゼニを欲しがる生き物であると'僕は確信している。
もちろん'ゼニに対して'いたって執着の強い人間-いれば、淡泊な人間もいる。
程度の差はいろいろあるけれどもへそれにしたってへゼニはあったほうがいいと思っている人が多いはずや。
これが正直なところではないだろうか。
なぜなのか?なぜ、ゼニはあったほ-がええのんか?
僕の尊敬するロシアの作家ドス-エフスキーは'
「貨幣は鋳造された自由である」という名言を残している。
ゼニがあれば'人間はいろいろなことができる。
好きな物が食べられるし、働かずにずっとぜいた-ぎんまい遊び続けたり世界中の高級ホテルを泊まり歩いて賓沢三昧の大名旅行をするのも自由である。それは、だれにとって-'楽しいことではないかOそういう生活は、ほとんどの人間の垂潜の的ではないか。
ゼニがないと'人間はきわめて不自由である。
ゼニがないと'人間は食べたいものが食べられない。
いや'食べたいものどころかへゼニがまった-なければ、人間は餓死してしまう。
自然のなかで採集生活を営めた原始時代ならいざ知らず、現代社会では'ゼこがないことは、そのまま死を意味しているのである。
衣食住を手にいれるゼニを持たない人間は'ほんの数日のうちに死ななければならない。
日本で-そういう境遇の人が大勢いるO
世界中には'食べ物も住むところもな-て、餓死してい-人が'いまだにた-さんいるではないか。
さきほどの放論討査の結果は、僕には、中流意識にボケた、日本人のたわごとのように思えてならない。
ほんまの-ころ、人間はゼニがなかったら'楽しみどころか'生きてい-ことさえできないではないか。
いつだったかの新開に、発展途上国の小学生の娼婦が'「エイズが心配ではないのか?」とい-記者の質問に、こ-答えていた。
「エイズになっても、一年か二年は生きられる.。
でも'家には今日の食べ物がない」この少女の売春行為を'だれが非難できるだろうかo
日本円にして'ほんのわずかのゼニがあれば'彼女は生き地獄から抜け出せるのである。
彼女の幸福は、ほんの数百円のゼニにかかっているのだとさえいってよい。
こういう不景気な性の中になって-ると'さっきの性論調査みたいに、「幸福というのは'ゼニ・カネの問題やない。
心のあ-かたなんや」-い-人間が増えて-る。
けど、僕にいわせれば'そんなのはまるでごまかしにすぎない。
ゼニがなければ、人間はほんの一握-の幸せだって'手にいれることはできないのである。

僕は、マンガの『ナニワ金融道』で'借金地獄の話をいろいろ描いた。

ゼニがなければ、人間の生活は悲惨である。


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