読書感想になります。

 

「野生動物の法獣医学 もの言わぬ死体の叫び」

 

野生動物の死因の中でも人間が関与するもの。特に、狩猟など許可を得てるものではないケースでは、どんなことが起きているのか?

 

人間なら法医学があるように、家畜や愛玩動物、野生動物にも法獣医学が必要ではないか?という話です。

 

前半は、そんなもの言わぬ死体に関する話です。

著者、何気にアニメの話題を出したり、野生動物の死体を「スルメ」とか「塩辛」呼びしてて、ちょっと笑っちゃう内容でもあります。表紙のイラストからも察っせられるように、中高生や獣医大に合格したばかりの子向けですね?あとは、素人だけど興味ある人向け。

 

面白いな〜と思ったのが、殺鼠剤の作用機序。なるほど・・・だから家の中で死なないわけなのね? わざわざ路上で死ぬ理由が分かりました! 一方で、そんな明るい場所に迷い出た、殺鼠剤を食べた死にかけのネズミちゃん。それを、狩りやすい獲物だ!と捕まえてしまう捕食者。猛禽などが殺鼠剤中毒になったりするそうです。殺鼠剤の成分は、昔の農薬のように生物濃縮しちゃうってことですね? ちなみに生物濃縮という意味では、今は違法になった鉛の弾による狩猟。鉛もそんな生物濃縮してしまう物質の一つ。

 

 

 

 

他にも海鳥の混獲や、タンカー事故などが起きた際、なぜ油の中に海鳥が飛び込んでしまうのか?

これは、この本を読むまで知らなかった。鳥さん、たまたま海にいたらタンカー事故の油が流れてきて真っ黒に?ではなかったのね? 海鳥は、事故で流れ出た油を、上から見た魚群と見間違えて、敢えて油の海に飛び込んでいた!?

他にも、風力発電で真っ二つにされる猛禽。猛禽の場合は、彼らにとって獲物は下にいる動物や鳥。要は下ばかり見て飛んでるわけで・・・まあ、スマホを見ながら歩いてたら踏切に気付かず電車に轢かれますよ?と同じですね? 人間は歩きスマホ注意!で、避けることが可能ですが、猛禽に下を見るな!なんて無理です。

 

 

色々と面白い・・・と言っては死んだ野生動物が悲惨ですが、知らなかったことが多々。

 

そしてラストは、法獣医学の今後。

法医学に比べて、海外もまだまだ黎明期。日本も然りで、獣医学と言えば、家畜やペットの病気予防や治療だけの時代が長かった。

これに関しては、以下の本でも同じような内容がありました。

 

 

今後は、野生動物管理の観点からも、さらに、野生動物を巻き込んだ心無い人による事件の解決のためにも、法獣医学は必要になってくるんだなと。

 

この前の、ドローンに猛禽がアタックした映像も、ちょっとした事故ですね?

改めて、こういう分野の必要性を認識した次第です。