
ざっくり言うと
- 「世界一貧しい大統領」として知られた、ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領
- 300人以上の学生と市民が集まった大学の講演で、人生訓について話した
- 消費主義に支配されることなく、仲間を見つけて闘争せよと語った
「世界でいちばん貧しい大統領」が日本の学生に語った4つの人生訓
2016年4月8日 ライフハッカー[日本版]
http://news.livedoor.com/article/detail/11393035/
昼下がりのキャンパスに300人以上の学生と多くの市民が集まりました。ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカ氏の講演を聞くためです。
ホセ・ムヒカ前大統領は、その質素な暮らしぶりから「世界でいちばん貧しい大統領」として知られ、2012年にブラジルのリオで行われた国連会議でのスピーチでは「世界が抱える諸問題の根源は、我々の生き方そのものにある」と説いて、世界にその名が知られるようになりました。
そんなムヒカ氏が先日、書籍『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』(角川文庫)の発売を記念して初来日を果たし、東京外国語大学(東京都府中市)で講演会を行いました。
80歳を迎えたムヒカ氏が、真剣な眼差しで聞き入る学生たちに語ったのは「世界を変えるために戦った経験から得られた4つの教訓」です。以下、日本の若者に向けたムヒカ氏の言葉をまとめました。
1. 消費主義に支配されるな
現代の消費主義に支配されてはいけません。でもこれは、言うのは簡単です。消費主義は、蜘蛛の巣に引っかかるようなものです。企業はこれを買え、あれを買えとあなたにお金を使うように仕向けてきます。それに甘んじてモノを買い続ければ、あなたはもっとお金を稼ぐために、もっと長い時間を、お金を稼ぐために費やすことになるでしょう。そうなると、あなたの自由な時間はどんどん減ってしまいます。
本当に必要なものだけを買うようにしてください。そうすれば、あなたの自由な時間はもっと増えます。貧乏とは、多くのものを必要だと思ってしまう心のことです。無限にモノをほしがってしまう欲こそが「貧しい」ということなのです。
2. 歩き続けよ
人生でもっとも重要なことは、勝つことではありません。歩き続けることです。それはつまり、転んでも毎回起き上がること、新たに何かを始める勇気を持つということ、何かに打ち負かされたときにまた立ち上がるということです。
私は若い時、世界を変えるために戦いましたが、残念ながら世界を変えることはできませんでした。そして私は牢獄に入れられて10年以上を過ごしました。これは私にとって非常につらい時でした。でも、その辛い時間がなかったら、今の自分はなかったと思っています。
3. 同じ志を持つ仲間を見つけて闘争せよ
社会は集団というツールがないと変わりません。もしあなたが今の現状に不満を持っているなら、同じように不満を持っている人を見つけて仲間にしてください。仲間を集めて集団を作って主張すれば、大きな力はなくても、社会に意識を植えつけることができます。
これまでも、社会はこうして少しずつ変化してきました。100年も前は、労働者は15時間も18時間も長時間の労働をするのが当たり前でした。そんなとき、ある人がこんなことを言い出したのです。「1日の労働時間が8時間にして、寝る時間は8時間必要で、それ以外のプライベートな時間が8時間は必要だ」と。当時の人々の多くは「コイツはなんて頭のおかしいことを言うんだ」と思ったことでしょう。
でも、その人は仲間を集めて、闘争を始めたのです。今では8時間労働が当たり前になっていますが、自由な時間のために戦った人がいるのです。今ではそんな闘争をした人は忘れ去られているのかもしれませんが、彼らは闘争することで他の人の意識を変えたのです。
社会が変わり続ければ、1日の労働時間は4時間が当たり前になることも十分起こりうることです。
日本では、人々があまり希望が持てないと聞きました。若者の多くが投票にいかないそうですね。彼らは、社会が変化するということを信じていないのでしょう。
何か魔法のようなものが社会を変えてくれると考えないでください。あなたと同じ志を持つ人はたくさんいます。仲間を見つけて集まってください。そして、戦ってください。
4. 自分の利己主義を抑えよ
私は「最後の審判」を信じていません。でも何らかの人生の時点で、鏡の前に立ち止まって自分自身を見つめるときが来ることはあると思っています。そんなとき、これまで何かをやろうとして、何度も失敗したけど、行動に移した数々のことを思い出すかもしれません。「100やりたかったことがあるとすれば、5しかできなかったけど、行動に移すことができて有意義だった」と思えるかもしれません。
でも反対に、「私は人生で何もしてこなかった」「私の人生は浪費の連続だった」、「誰に対しても、手を差し伸べなかった」、「誰かのために時間を費やすことなんてなかった」と思うこともあるかもしれません。そんな人は、鏡の前に立ち止まったとき、自分の姿を見て失望するでしょう。そこに映っているのは、自分のエゴイズムでしかないからです。
すべての生命はエゴイズム(利己主義)を持っています。それは自分自身を守るために、自然が私たちに与えてくれたものです。でも、人間はひとりでは生きていけません。必ず他者を必要とする生き物なのです。
他人に勝つために戦うのはやめてください。そうではなくて、自分自身の心の中にあるもののために戦うのです。
講演や質疑応答の間、ムヒカ氏が何度も繰り返していたのは「闘争せよ」という言葉でした。「闘争を生まないことが理想だ」と教えられてきた人にとって、この言葉には抵抗感があるかもしれません。でも、ムヒカ氏はこう続けます。
あなたが生きている限り、他者との衝突は避けられません。大事なのは、コンフリクトを起こさないことではなく、どうやってコンフリクトを解決していくかということです。
あなたが闘争しないと社会は変わっていかない。ムヒカ氏のメッセージは、平和すぎる日本に向けられた警鐘なのかもしれません。
(文/大嶋拓人)
Photo by Flickr
コンフリクト 【 conflict 】
コンフリクト(conflict)とは、競合、衝突、対立、葛藤、緊張などの意味を持つ英単語。
これは参考になる。
この教えは日本の、「○○道」の「道」ですよねえ・・・
悪い「道」もありますが、良い方の「道」で解釈願います(笑)
コンフリクトの解決法は、武力や恫喝を用いない粘り強い話し合い。
「欲」と言うのは際限の無い心の問題で、それを有限の「モノ」で満たすという発想自体が、そもそもの間違いです。満たせるわけ無いので、足るを知りホドホドにです↓(笑)
足るを知る者は富む
【読み】 たるをしるものはとむ
【意味】 足るを知る者は富むとは、満足することを知っている者は、たとえ貧しくとも精神的には豊かで、幸福であるということ。
昔の日本人みたいなこと言っていると思ったら、日本人の影響であったと↓(笑)
つながってますね。
ムヒカ氏が、このタイミングで日本に来たのも、きっと重要な意味があるのでしょう。
日本人の心を思い出せと・・・そう言われているような気がしますた。
メモ。
安倍首相はウルグアイ前大統領から日本人の心を学べ
2016年04月02日 永田町異聞
http://hama-sush-jp.pro/aratakyo/entry-12145996888.html
「清貧」。私欲をすてて行いが正しいために、貧しく生活が質素であること。
そんな生き方を、少年時代、近所に住んでいた日本人移民から学んだウルグアイの政治指導者が4月5日、来日する。
ホセ・ムヒカ。このところ一部テレビでも紹介されている「世界一貧乏な大統領」。昨年3月に退任したが、ウルグアイ国民に今も愛され続けている前大統領だ。
安倍晋三は彼を知っているだろうか。
2012年6月、リオデジャネイロ。188ヵ国の首脳らが参加したRio+20 地球サミット2012 (国連持続可能な開発会議)で、ホセ・ムヒカ大統領は人間の幸せとは何か、そのために政治は何ができるのかを問いかけた。
「人類は消費社会にコントロールされている。私たちは発展のために生まれてきたのではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短い。すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません」
ムヒカは一人ひとりの人間が幸せに生きること、短い人生の貴重な時間を無駄にしないことが大切だ、と説く。
幸せに生きるとはどういうことか。彼はシンプルに言い切る。「子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです」
世界の貧困問題などが議論されたその会議。ムヒカは貧しさについてこう述べた。
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらものがあっても満足しない人のことです」
ムヒカ自身が前大統領でありながら財産の少ない、普通の農村の暮らしをしている。
在任当時、大統領に与えられる給料の90%近くを慈善団体に寄付し、自身は月に10万円程度の生活費があればこと足りた。
無限の欲を満たそうと思えば、人は死ぬまで満たされず、貧しい心をかかえたままになる。昔の日本人のように、足るを知れば、苦しいながらも、心豊かに暮らしていける。
ところが、消費社会が進むにしたがって、カネや贅沢なモノを所有し美食と飽食にふけることが出世の証のような価値観が定着した。本質的な人間の幸福とはそんなものではないだろう。指導者としてのムヒカは言う。
「私たちが際限なく消費と発展を求め、世界中で原料を探し求めるグローバリゼーションの社会をつくってきた。たとえば消費をひたすら早く多くしなくてはならない。消費が止まれば経済がマヒし、経済がマヒすれば不況のお化けが現れる。10万時間もつ電球をつくれるのに、1000時間しかもたない電球を売る社会にいるのです。これは政治問題です。別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません」
そして次の言葉こそ「一億総活躍」を標榜する安倍晋三に贈りたい。
「残酷な競争で成り立つ消費主義社会で、みんなの世界を良くしていこう、というような共存共栄をめざす議論ができるのでしょうか。どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか」
競争と格差のなかで、非正規雇用をこれまで以上に増やす政策を進める安倍政権が、国民すべてが良くなる社会をめざすなんて、ウソをつくのもほどほどにしてほしい。
全国民が活躍する社会というのはどんなものか。活躍の“度合い”が気になる競争社会をイメージすべきか。それとも、活躍できない人でもそれなりに自立して生きていける共存社会をめざすのか。
辞書によると「活躍」は、「めざましく活動する」というのが本来の意味だ。「活躍」が世の中の全ての価値のようになってしまうのは、どれだけ怖ろしいことか想像をめぐらせてみなければならない。
社会は、人それぞれ個性の差、能力の差があってこそ、バランスがとれている。みんなが頑張り屋で優秀だったら、どれだけ競争が激しく、生きづらいことだろう。
活躍する人ばかりではだめで、活躍しない人ばかりでもだめなのだ。足らざる所を補い合ってともに生きる社会こそ、国の求めるところでなければならない。
総じて安倍政治には弱者への優しい視線、思いやりの心が感じられない。鬱に沈む人に「頑張れ」と励ますことが逆効果であることはよく知られている。
その人その人にふさわしい仕事や居場所があること。つらい時は逃げこむ先があること。それは「活躍」という言葉のイメージとは、かけ離れている。もっとしなやかで、地に足の着いた人間の生活だ。
ただでさえ、安倍政権は、この国を窮屈につくり変えようとしている。秘密を漏らさぬ政府。人間を管理する番号。秩序や道徳や伝統を守れ、全国民あげて活躍せよと号令をかけられる国民。…そんな社会。どうしても、国民全体を同じような色に染め上げたいらしい。
市場原理が大手を振る今の日本。競争からこぼれ落ちた人々は生きづらい。みんなが活躍する社会などと偽善的なことを言う前に、政官業を蝕む既得権の構造を解体し、税金の使い道の正常化をはかったらどうだろうか。
活躍しようにもできない本当の弱者を救済するために税金は使われなくてはな らない。活躍するかどうかまで政府のお世話になりたくはない。
活躍したい人が活躍できるよう、活躍しようにもできない本当の弱者が福祉の 恩恵にあずかれるよう、政治の力を発揮せねばならない。
あえて言うなら安倍政権が持ち出すスローガンは下品で軽薄である。「一億総 活躍」「希望を生み出す」「夢をつむぐ」「安心につながる」…。
それにくらべ、ウルグアイの前大統領の言葉はポエムのように聞こえるかもし れないが、その人ならではの真実の響きがある。安倍の使うようなお定まりの 美辞麗句など不必要なのである。