前回記事の補足

 

J・D・ヴァンスは祖父母がアルコール中毒、母親が薬物中毒という貧困家庭で育ったが、持ち前の明るさと努力でイェール大学に入学した。大学院在学中に妻となる女性ウシャと出会うが、彼女との関係が深まるにつれてこの幼少期の体験やトラウマに苦しんだ。抑えようのない怒りや逃避傾向は、彼女との関係を困難にした。

 

そのころペイパルの創業者ピーター・ティールの講演がイェール大学で開かれた。ティールはヴァンスより16歳年上。

 

バンスはティールの講演で「競争は敗者のためのもの」という独占理論に衝撃を受けた。アパラチア地方の貧困から這い上がったバンスは、ティールの「既存システムへの挑戦」に共鳴した。従来のエリート競争社会に疑問を抱いた。

 

バンスはティールから直接資金援助を受けてベンチャー投資家に転身し、政治的にもリバタリアン的価値観を採用した。政治的立場も180度転換、ティールが支援するトランプを全力で支持することになった。こうしてバンスはティールの後押しで副大統領に就任する。ピーター・ティールとの出会いがバンスの人生観と政治哲学を根本的に変革させた決定的瞬間であった。