50年近く前。

実家へ里帰りした時。

祖父が寝込んでいた。

風邪が長引いている、と言う。


「風邪は万病の元よ。病院へ行った方がいいんじゃない?」

看病していた母親が

「何回、病院を勧めても、風邪位で病院へは行かないと言って言う事を聞いてくれない」と。


私も勧めて見たけれど

「風邪位で大袈裟な。寝ていれば治る」の一点張り。


結局、風邪症状が出て8ヶ月位で

病院を受診。

末期の肺がん。脳転移あり。


見舞いに行っても、献身的に看病した母親以外、分からない。

脳転移が、ある意味良かったのか、痛みや苦しみを訴える事無く、妄想の世界の中で楽しそうにしていた。


釣りが大好きで、入院中も、釣りの格好をしながら、天井を指指して

「あそこに、タコが」「どこに」

「あそこ。早く捕まえないと逃げるぞ」と皆で笑ったり。


母親が言うには、数年、近所の工場にアルバイトに行っていたらしい。

「全身、粉まみれになって、着替えて帰っても、頭の中迄真っ白。絶対あの粉が原因よ」と。

(アスベストか?)


入院後、一ヶ月で無くなった。

病院側から「医師の勉強の為、解剖させて貰えないか」と。

家族が承諾した。


解剖後、説明が。

心臓、胃、肺、腸等、説明する中、肺の癌も教えて貰った。


夫の腎細胞癌。

母の卵巣癌。

祖父の肺がん。

この目で見て。


何故、いつ、身体に入って来たんだろう。

こんな、ちっぽけな代物に、命が脅かされるなんて。


夫も、1年前の健診では何も無かったし、母親もお腹が異様に膨らむ迄、何も無かったし、

祖父も、風邪症状が出る前迄、何も無かった。


気付かない内に、いつの間にか忍び込んでくる、憎き癌。


癌の研究も日進月歩。

1日も早く、癌が治る病気になって欲しいものです。