皆さま昼間にこんにちはニコニコ

猫も漫画もない、ただの文字だけで綴る

藤緒の毛問題の時間ですもやもや

 

 

 

高校合格のご褒美を「脱毛サロン」に

変換した私だったが、その結果は無惨に散り

相変わらず蚊が逃げられないすねのままだった。

サロンに通えば数ヶ月後にはツルツルが手に入ると

信じて疑わなかった高校生ミルカにとって

期待値がMAXだった分、無念さは底なしだった。

 

もう私にできることは、毎日剃ることだけである。

親に頼って高級な方法を実行してみたが

全く話にならなかったので、

大人になって稼げるようになったら

自力で何とかしよう!と心に決めた。

考えてみれば生意気な話なのだ。

いくらご褒美に〜とは言え、親にこんな大枚をはたかせて…。

剃ればいいんだ!こんなもんっ!

 

無念さは隠しきれなかったが、文句を言う立場ではない

と言う気持ちはあったので

それからは毎日、粛々とムダ毛を剃った。

 

 

藤緒は高校生時代も、体育の時間はブルマー着用

であった。

毎日ジョリジョリな日々である。

しかし中学生の頃とは違い、暑い時期が過ぎると

長いジャージに移行するタイミングは自由だった。

別に毛深さ関係なく、女子たちはみんな

秋口からすぐに長ジャージを履いて生足を隠した。

 

そもそもブルマーって何なんだよ。今見てもゾッとするわ。

あれ考えたの誰だ!くそっ!ぶつぶつ……………

 

こうなってくると、真夏の体育の時間以外は

剃らなくても過ごせると言う日が生まれるのである。

非常にありがたい。

冬も厚手の黒タイツを履いていれば、まぁ分からない。

こうして年間300日くらい剃っていたのが

120日くらいにシュッと短縮されたのであった。

 

とは言え、毛がなくなると言うわけではないので

その後も何かと毛を処理する機会からは

逃れられず、ずーっと剃っていた人生だった。

 

 

時は経ち高校も卒業して、晴れてブルマーとも

永遠の別れを告げることができた。

これで人前で生足を晒す機会はなくなったのだ!

やったー……

 

と思ったが、そうでもなかった。

 

 

私は一浪を経て県外の大学へ進学した。

小中学校までは校区が決まっていて

そこら辺に住んでるやつ皆んなココ〜

といった具合の寄せ集めで、高校は流石に

受験があるくらいだからバラバラにはなるものの

それも人によっては家から近いことを理由に

選ぶこともあったくらいだ。

どの道自宅から通うんだから、田舎の文化圏内からは

出られていない状態だったのだ。

 

そして県外の大学。

やはり、行きたくて!ここへ来たくて!

と言う人たちが全国から集まってくるので

田舎かから出てきた私にとっては異文化の嵐で

楽しくて仕方なかった。

 

すぐに友達もたくさんできた。

そもそもが学生数が非常に少ないので

みんな仲良くなれたし、その距離感は

そのころの年齢特有のものなのか、とても近かった。

 

そんな距離感の近い友達ができた頃

学校でとある課題が出る。

どういう課題だったかは忘れたが、その課題をこなすためには

どうしても実際の人体をモデルにしないとできない

と「距離近な友」が言ってきて、私に

「裸でこのポーズをとってスケッチさせてほしい」

と懇願してきたのだ。

これは今でも鮮明に覚えている。

 

私は一瞬ギョッとして、断った。

しかし流石に裸の人体をスケッチさせろと言うのを

知り合い程度の人間には頼めない、と

ものすごい粘られたので、渋々ではあるがOKした。

 

ほんと渋々である。

おそらく、その子の前で裸を晒すことなどに

そんなに羞恥心はなかったのだ。

嫌だったのは「毛」だドクロ

 

もう私は友達に裸を晒すことより

毛深いのを見られることの方が数万倍恥ずかしい

と言う脳になっていたのだ。

 

人体モデルとなるために、まずはあらゆる毛を剃る…泣

 

おそらく「距離近な友」にしてみれば

骨格の構造とか肉のつき方とか流れが知りたかっただけで

そこに毛があろうがなかろうが全然関係なかったのだろうが

一応こちらとしては「観察される」わけだから

幼少の頃から忌み嫌っている我が身の剛毛を

友の目に触れさせるわけにはいかなかったのだ。

 

せめて体毛が薄ければ…こんなお願いにも軽く

「いいよー」と言ってあげられたのに

熊一歩手前みたいな状態な故にためらい

その友達に余計な心理的負担を与える羽目になってしまった。

 

しかしその後、「私は毛深くて処理が大変でとても悩んでいる」

と言うことも話したら、急に楽になり

「私も剃ってる剃ってる!当たり前やーん」と返された。

そして「ちゃんと保湿せんといかんで」と言う情報も

教えられた。

 

さすが距離近!さすが異文化!

毛深いことはそんなに悩むべき項目じゃない

多分、女子ならみんな剃ってるし、だからこそ

いろんな肌に優しいもの売ってるやーん

とケロケロっと笑いながら教えてくれた。

 

そうなのだ。

田舎で固定された価値観のまま育ってしまって

自分の要らない毛を剃るにも、父親の剃刀を借りて

恐る恐る剃っていたのだ。

もちろん保湿なんかしたこともなかった。

そりゃ肌も傷めると言うものである。

今からざっと30年以上前の話ではあるが

当時でも女子のムダ毛処理のためのグッズは

ちゃんと世の中にあった。

 

知らんかった……チーン

 

 

そんな友のおかげで、毛深い私でも

多少生きやすくはなったのだが

相変わらずジョリジョリな日々は続いていた。

 

<続く>