今日はベネズエラについて書いてみようと思います。といっても、ベネズエラについて私は何も知りません。その昔、ベネズエラのテレビドラマが地上波で放送されたことがありまして、そのときに「ベネズエラには美人がいるなあ」と思ったくらいの記憶しかありません。

 あ、そういえば、昔は美人コンテストの常連だったでしょうか。ググってみたところ「「ミス・ユニバース」「ミス・ワールド」「ミス・インターナショナル」など世界三大ミスコンで数多くの優勝者を輩出し、「美人の国」として世界的に認知されています。」と書いてありました。

 日本も見習ったらどうでしょう。軍備拡張だの、核武装だの、増税だの野暮なことばかり言っていないで、これからは「美しい国日本」に代わって「美人の国日本」を目指してはいかがでしょうか。どうですか?高市早苗さん。

 と、前振りはそのくらいにして、ベネズエラはパナマ運河の近くにある、南アメリカ大陸北部の国です。西隣はコロンビア、東は大西洋、南はブラジルです。北はカリブ海を挟んでドミニカ共和国やハイチなどがあります。

 面積は世界32位の広い国で、日本の2.4倍もあります。地理的には大変に恵まれた国であり、さぞかしベネズエラの人々は南国の温かい国で(緯度はベトナム南部くらい)、のんびりとトロピカルフルーツでも食べながら暮らしているのかと思いきや、これが大違いのようです。不思議なものですね。人間は恵まれていたとしてもそれを活かせるとは限らないようです。

 人口は2800万人前後で、首都はカラカス(517万人余)です。1000mの高地にあるため、赤道が近い割には気候が温和だそうです。高原地帯はベネズエラの北側半分にあり、南半分はジャングル地帯で人口の5%しか住んでいないといいます。

 人種的には、先住民である黄色人種と侵略者であるスペイン白人系の混血が一番多く67%、次にスペイン白人系が21%、アフリカ系10%というところだそうです。また、混血が進んだために人種の特定が難しいくらいになっているといいます。グローバリストの喜びそうな国ですね。(以上
ウィキペディアから
)

 元々はスペインの植民地だった国であり、その頃はカカオを輸出していたようです。いろいろ争いの末に、ベネズエラが独立したのは1821年になります。日本でいえば江戸時代の末期になりますね。

 しかし、そこからのベネズエラは政治・経済共に不安定でした。世界最大級の油田が発見されたのは1914年でしたが、それが国の安定には結びついていません。政治的腐敗、貧富の格差、独裁政権、アメリカの介入によるクーデターなどがあり、極度のインフレや貧困、そして治安の悪さなどもありました。現在数百万人が難民として海外に逃れているともいわれています。

 よく分かりませんが結局のところ、地理的に恵まれていることや、豊富な資源などを有効に活用するだけの能力がベネズエラには育っていませんでした。その結果生じたことはといえば、国の資源(富)の奪い合いだったようです。

 石油でも、鉱物資源でも、権力者・有力者が奪い合いをして私腹を肥やすのがベネズエラのようです。なんだか日本とよく似ていますね。政界も官界も財界も、それぞれが自分たちの利権拡張にしか関心がなく、国全体のことを考えようとしません。その結果日本という国がどんどん衰退していっています。いい加減目を覚ましてはどうかと思いますが、一向にその気配がありません。

 前回は日本の核武装の記事を書きましたが、国が滅びたり栄えたりするのは核武装とは関係ありません。一番の原因は腐敗度でしょう。政界も官界も財界も、自分や自分の身内さえ儲かればいいと考えて、真面目に仕事をしなくなっているのが日本です。それでは国の勢いが衰えていくのは当然です。

 ベネズエラはそれがもっと極端な形で表れるようです。つまり、独裁政権になったり、クーデターが起きたり、親米であったり反米になったり、隣国のコロンビアとの軍事緊張を高めたり、極端な反政府活動が行われるなどの政治の不安定さがあります。また、それに呼応する形で金回りが良くなることもあれば、極度の不況に陥ることもあって、経済的にも安定することがありません。治安もずいぶん悪いようです。

 2024年のベネズエラの一人当たりGDPは4,510ドル(IMF統計)だったといいますが、2012年には12,688ドルもあったそうです。なんと3分1に減ってしまいました。極端な低下ですから、国が無事に治るはずがありません。

 ただし、日本もベネズエラのことを笑ってはいられません。ベネズエラ同様、日本の一人当たりGDPが一番高かったのが2012年で49,175ドルでした。それが2024年は32,443ドルまで減少しています。

 また、日本の一人当たりGDP世界ランキングを調べると、2024年は40位ですが、1995年から2000年までの順位は驚くことに、3位、3位、4位、6位、3位、3位となっています。常にアメリカよりも上でした。一体日本に何があったのでしょうか。クーデターでも起きたのでしょうか。そうかもしれませんね。(皮肉)

 恐ろしいものですね。人間が真面目さを失うとこんなことになってしまうということでしょう。しかもですよ、その張本人が「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」といいながら軍備拡張を行い、中国に喧嘩を売り、戦争にうつつを抜かしているのですから、日本が沈んだまま浮かび上がれないのも無理はありません。

 話をベネズエラのことに戻します。今回、ベネズエラのことを書き始めたのは、もちろんアメリカがベネズエラに対して攻撃を行ったからです。まだ全貌は分かりませんが。

 私に分かるのは、アメリカ軍がベネズエラのマドゥロ大統領を拉致してニューヨークに連れていき、拘置所に監禁していることです。朝日新聞の報道によりますと、1月2日夜にアメリカ軍が首都を爆撃して防空システムを破壊し、ヘリコプターで運ばれた兵隊がマドゥロ氏の邸宅に突入、マドゥロ氏と妻を拘束したそうです。

 また、NHKの報道によりますと、
アメリカとベネズエラは1999年以降対立が続いてきたそうです。トランプ大統領は、2019年にマドゥロ大統領が人権侵害を続けて国民を苦しめているとして経済制裁を強めたほか、反政府側を支援したそうです。


 さらに、2020年、マドゥロ大統領が隣国コロンビアの左翼ゲリラと連携し、大量のコカインをベネズエラからアメリカに密輸したとして、起訴を発表したといいます。そして、2024年行われたベネズエラの大統領選挙をめぐっては、選挙に不正があったとしてアメリカはマドゥロ氏を大統領として認めていないようです。

 2025年からは、麻薬密輸船であるとみなした船を見境なく攻撃して爆破したり、ベネズエラの麻薬組織を外国テロ組織に指定したりしています。加えて、ベネズエラに石油タンカーが出入りすることを阻止すると表明し、2隻のタンカーを拿捕しています。いずれも、アメリカの独断であり、問答無用の実力行使になります。

 あれこれと理由をつけていますが、いずれもとってつけたような説得力のないものばかりです。アメリカがベネズエラを支配したがっていることは理解できても、その動機は公式に表明されるものとは違いそうですね。

 では、アメリカは何のために軍事力まで用いてベネズエラに介入するのでしょうか。私が真っ先に思いつくのは、アメリカにとって戦争は"公共事業"であることです。戦争がないとアメリカの景気は落ち込んでしまいます。

 というのも、巨大な軍事産業を抱えているからです。戦争がなくなってしまうと、軍事産業も衰退しますし、そこで働いている150万人から200万人以上ともいわれる労働者も干上がってしまいます。また、軍事産業は「ビッグファイブ」と呼ばれるような巨大企業(ロッキードやボーイングなど)が中心になっており、ビッグファイブのトータルの売り上げはトヨタとどっこいどっこいですが、サプライチェーン全体を考えると、アメリカの重要な基幹産業になります。

 どうやらウクライナ戦争は終戦間近になってきた気配があります。しかし、そうなるとアメリカはウクライナ戦争に代わる戦争を必要とします。大変に理不尽で、一体人の命をなんだと思っているのかということになりますが、それがアメリカです。

 余談ですが、高市政権は武器・兵器の国産化あるいは輸出をすることで利益を得ようとしています。しかしそれを推し進めると、日本は戦争を待ち望む国になってしまいます。さらに進めば戦争を煽る、そしてついには自ら戦争に突入するということさえ起こり得ます。アメリカを手本とするとそうなります。

 ではアメリカは軍事産業のためだけにベネズエラに侵攻したかといえば、理由はそれだけではありません。例えば、中国は自国で消費する石油の30〜40%をベネズエラから輸入しているそうです。ベネズエラの石油は硫黄分が多く、粘度が高いことから精製が難しく採算が取れにくいのですが、中国だとうまく活用できるようです。今回のベネズエラ侵攻でアメリカはライバルである中国とベネズエラの取引をストップさせるかもしれませんね。アメリカは手札の一枚を手に入れたのかもしれません。

 まだあります。それは第三国への見せしめ効果です。アメリカが無法で凶暴な国家であると思わせることで他国を萎縮させ、外交の主導権を握ってアメリカの要求を飲ませることを狙っています。最近の世界情勢は中国、ロシア、インドなどの国が台頭してきて、アメリカの影が薄くなってきましたが、悪のアメリカを見せつけることで舐められないようする狙いがあるのでしょう。

 まだまだあります。それは、ベネズエラの国内が混乱していることです。政治・経済が安定しない国ですから、まとまりがありません。不満を持つ者が多く、加えて私利私欲に走る者も多く、国内がバラバラです。

 このことが、アメリカをして軍事コストをあまりかけずに征服することが可能であると思わせます。どこかと戦争しなければならない、あるいは支配しなければならないとしたときに、その最適解がベネズエラなるのでしょう。

 

 さらにはトランプ大統領の個人的な趣味もあるかもしれません。豊かな自然、豊かな資源、恵まれた国土がありながら、「何をやっているのか、俺ならばうまく統治してみせる」という自負がトランプにはあるでしょう。そのような面に目の向く人です。支配権を奪って再開発を始めるかもしれません。


 それにしても、日本はベネズエラに似ていますね。実は日本にもベネズエラの石油に匹敵するだけの資源があります。それは何かといえば税金です。無尽蔵に次から次へと取り立てることが可能で、石油以上に安定した資源です。最近の日本は国民から搾り取った石油代わりの税金を、力のある者が寄ってたかって奪い合うという国になってきました。ベネズエラと同じです。

 本来税金というものは、いかに効率的・効果的に国民に還元するかを考えるべきものですが、現在の日本政府はいかにして自分たち(政・官・財界)で分捕るかをめぐって利権争いばかりをしています。日本の国民はよく我慢しているものだと思いますが、おそらくは頭が悪いのでしょう。

 しかし、そのような国は衰退していきます。日本ももはや衰退していることを隠しきれなくなっています。国全体が腐敗してきました。政・官・財界の全てが本来の存在意義を忘れ、税金の争奪戦に血眼になっています。そうなるとどうなるのでしょうか。そうです、腐った物にはウジが湧き始めるのです。国としての機能は麻痺してきます。

 その結果、他国の侵略を容易に許すようにもなります。現在のベネズエラのように。あるいはまた、ウクライナも政府の腐敗ぶりや国のまとまりの悪さが世界的に有名でしたがやはりウジが湧きました。

 動物の世界もそうですね。ライオンや狼などの捕食動物は無闇に獲物を襲うのではありません。病気であったり虚弱であったりする個体を狙います。健康な動物を捕まえるのはライオンや狼であっても難しいですから、自然とそうなります。

 アメリが戦争を仕掛ける国も同様です。できるだけ抵抗されないような、乱れた国を狙います。政・官・財界が国民のことなどそっちのけにして利権争いに終始しているような国は、国力衰えるばかりでまとまりがありませんから、狙われやすくなります。

 国の防衛力は軍事力を強化することではありません。できるだけ国民が満足して生活できる国にすることがその国を強くします。重税にあえぐ国民の多い国はどれだけ軍事力を強化しても、実際の防衛力は高くなりません。外圧がかかると簡単に割れてしまうからです。

 そのように考えていくと、ベネズエラのことは対岸の火事ではありません。他山の石としての価値を持っています。日本も利権争いにばかりに終始していないで、あるいは国民から石油代わりの税金を搾取することばかりに熱心にならないで、身を正してはいかがでしょうか。