「剣も魔法もスキルも10歳になっても ぜんぜん上がらないのぉマルフォイ」
ラマール国のエリート貴族の族長は息子マルフォイに 言った。
「マルフォイや。
最近はラマール国も隣国に攻められることも知っておりますよね?
魔物に攻められることも知っておりますよね?
今の ままでは お前は この国を守れることはできません。」
と族長夫人は息子マルフォイに言った。
「僕、強くなります。 魔法の勉強も頑張ります。」
なにやら嫌な予感を感じたマルフォイは
少し泣きそうに声を震わせながら両親に言った。
「ここでは剣術の修行も さぼるばかりと聞いておりますよ。
魔法の勉強も さぼるばかりと聞いておりますよ」
夫人はため息をつきながら マルフォイに言った。
「我らは代々 エリート貴族として 武術も魔術も
トップレベルとされていた。
さらには ドラゴンをも倒せるバーサーカーになれるものも はるか昔には存在したそうだ。
だが
マルフォイや お前は ドラゴンどころかゴブリンにも勝てぬだろう。
よって 修行によって強くなる必要がある。
魔物だらけの島(ハーデス島)へ10日間ほど滞在してきなさい。
父親は嫌がるマルフォイを色々と説得した。
ハーデス島〜 そこまで凶悪な魔物もいないので
最初は 指導員を5名だけ つけて島に行かせる予定が
10名 もつけて島へマルフォイと同行することになった。
(マルフォイが もしも魔物に囲まれたら 指導員が多いほど 安心して過ごせるという理由があった。
指導員一人でも倒せないほど強い魔物もいるらしいからだ。
さらに マルフォイを総合的に強くするためだ。専門分野の指導員を多く配置した方が
10日間の間にマルフォイに様々なスキルを指導できると予測していたからだ。
中でも 女剣士 蓮(レン)はマルフォイの従姉妹でもあり 幼い頃からマルフォイと仲良くしていたのであった。
ラマール国では いじめられっ子だった
マルフォイを いじめっ子から守っていたのも蓮だった。
「ハーデス島」に向かって10人の指導員と船の操縦士達を乗せた船出した。
それに 最近 魔物(敵として人間を襲うもの)から 仲間になったハーピーを乗せた船は どんどんラマール国を離れていった。
マルフォイは他の指導員とは歳も離れているし
あまり絡みがないから 会話も ほとんどしなかった。
だが 蓮を姉のように慕っていたからか 蓮とは
話が色々と盛り上がっていたようである。
船を出て30分……
夕焼けの美しさが際立つ時間となった。
だが沈む太陽がやけに赤くて
不気味な波動を放出してるように見えた。
「姉御ー。 もうすぐ島に着くよね〜
しかし なんなんだろうね
美しい夕焼けに見えるんだけど
なんか 沈む太陽が血の色にも見えてくるよお。
なんだか 怖いよー
ハーデス島に 恐ろしい魔物が いっぱいいるんじゃないの?」
マルフォイは不安げな表情で沈む太陽と蓮を交互に見つめた。
「調査隊によれば ハーデス島は 魔物は確かにたくさん存在するらしいわ。
だけど 我ら指導員らが協力すれば そんなに苦戦するような魔物はいないらしいよ。
だから 安心してねマルフォイ。」
「うん。わかりました。
だけど なんか あったら 僕を守ってくれるよね?」
「もちろんよ!あっ でも 守られてばかりじゃ
強くなれないよ。 」
「だって 僕 落ちこぼれだもん……
僕の家系にバーサーカーという凶戦士もいたなんて……エリート貴族の生まれなのに
僕は ダメな子供だよ」
「マルフォイ 君は強くなれる
根拠はないけど 君はラマール国の英雄になれる
そんなポテンシャルを感じるわ」
「姉御〜 お世辞が過ぎますよ」苦笑いするマルフォイ。
さらに時間が進むと なんだか 強風が吹いてきた。
さらに ギシギシと船が揺れ出した。
大変だあ
最悪だあーー
滅多に この海には出没しないクラーケンが 現れたーー
船の操縦に携わっている人達が 船室にいる
指導員らに クラーケンから船を守るよう呼びかけていた。
武道家や
魔法使いや銃使い
その他のスキルに恵まれた指導員らが
巨大なクラーケンに立ち向かう。
しかし 海の魔物の中ではトップクラスを誇るクラーケンの前では 指導員らも どんどんクラーケンに
やられてしまった。
「僕のせいだ 僕のせいだ。
僕の修行に付き合わされた指導員達が 次々と
やられちゃうなんて」
マルフォイは 自責の念にかられていた。
「滅多に クラーケンってハーデス島のルートに現れることはなかったのに……なぜ……
グフっ」
クラーケンに巻きつかれていた指導員の一人は
そう言って 生き絶えた。
「くそぉ どうすれば良いの?
私の剣術だと 火力不足なの?!
クラーケンに効いてるのか効いてないのかもわからない……」
蓮は 揺れる船上で クラーケンの触手に剣で何度も斬りつけていたが 一向に弱らないクラーケンに辟易していた。
こうなったら
私の奥の手よ!
くらいなっ
ボルトスファイブ!!
蓮は 必殺技の雷属性の五連続の稲妻をクラーケンに落とした。
その形は 蓮の花のようにも見えて大変美しいグラフィックの技でもあった。
クラーケンは はじめて 動きが止まった。
「よし! チャンスだ。
今 胴体を切り裂いてやるわ」
動きが鈍くなったクラーケンに一気に突っ込んで行った蓮。
しかし……
動きが止まった=技が効いて クラーケンを本気にさせたのか?
クラーケンの触手が高速で
蓮の身体を貫いた。
「うそだろぉーー
姉御ーーーーっ!
返事してよーー
ねぇ」
「この窮地……あなたなら 乗り越えられる
いや……窮地に なった時こそ
人生ってのは 大きく 変わる
大変 とは
大きく 変わる こと」
蓮まで生き絶えた。
これで船の上には
元敵モンスターのハーピーとマルフォイしかいなくなった。
「絶体絶命
だけど
あきらめるもんか
あきらめてたまるか
僕のせいで
みんな
みんな
死んでしまったしま……った
くそぉーーっ
うぉおおおおおおおーー」
マルフォイは
バーサーカーになり理性を失ったのか
時々、クラーケンの攻撃を 食らいながら
フラつきながらも
怯まず クラーケンの首まで
辿り着いた。
そして
首を かっ斬る勢いで 伸びた爪で クラーケンの首を えぐりまくった。
(肉を斬らして骨を断つ)
それでもクラーケンも負けずと応戦してくる。
このままでは
バーサーカー化したマルフォイとクラーケン
先に尽きた方が勝ちとなるが……
マルフォイはクラーケンの首元にできた傷を発見した
(本能で)
それは蓮がボルトスファイブで付けた傷口だった?
その傷口に向かって マルフォイは両爪に力を込めて
技を繰り出した。
クローズVの字トリミング
クラーケンの首元から
大量の血が噴き出た
そのままクラーケンは絶命した。
そのあとマルフォイは バーサーカーモードから普通の姿に戻った。
「や、やった……僕は 覚醒した
今は 元に戻ったけど
なんだか桁違いの魔力とフィジカルを
感じている
姉御……
そして みんなぁ
僕の勇姿を見せれなくて
ごめんなさい」
マルフォイも力を使い果たし
その場で倒れる寸前だった。
その時
ヒールエナジー
そう、戦いの最中 ずっと逃げ回っていた
ハピコが
マルフォイに回復魔法を唱えた。
「た、助かった……」
運良く ハーピーが生き残っていたので
ハーピーに頼んで ラマール国まで
無事に帰れたマルフォイだった。
そしてマルフォイは両親に
ハーデス島に行く前の惨劇について報告した。
さらに バーサーカーモードに覚醒できるようになったことを伝えた。
そしてバーサーカーにならなくても 魔力やフィジカルが 窮地から 強くなりたい一心で 不思議と底上げされたことを話した。
すると 両親から このような格言が語られた。
凶戦士バーサーカーに変身とは ドラゴンとも互角以上に戦える能力者だと聞いておる。
これで魔物に攻められても敵国に攻められても マルフォイはラマールを守ってくれるだろう
「はい父上母上 喜んで 僕が国を守ります。」
父親「何かを得るためには(マルフォイの覚醒)
何かを失った。(多くの精鋭達)
でも、何か大きな物を成し遂げるには 人生には
多大な犠牲はつきものだと言えよう。
それは今回のような犠牲になった人達という場合もある。 時間や お金なども必要なこともある
それが世の定めなり」
母親「マルフォイは窮地に立たされずにハーデス島に行ったら 今よりは強く ならなかったと思う。
もちろん たくさん魔物を倒して指導員達に稽古をつけられるなら 多少のレベルアップはできてたと思うけど」
「ハーデス島に行かなくても
心底激怒し悲しさにまみれてしまった
僕は……」
と 悲しさな表情でマルフォイは言った。
しかし マルフォイに近づき頭を撫でながら
母親は言った。
窮地に立たされて はじめて 能力が飛躍することも よくある話です。 窮地=大成のチャンスあり ですね。」
マルフォイと その敷地内で話を聞いてたものは
マルフォイの両親の話に共感し拍手をした。
そして 覚醒マルフォイ万歳 ラマール万歳と声も上がってきて マルフォイも その両親も讃えられて この物語は終わりです。






