レックスが目を覚ますと
そこは 井草の懐かしい香りに包まれた和風畳の敷物の上だった。
「気がついたようだな
羅漢へ ようこそ」
「だいぶ うなされておったぞ。」
「とりあえず みんな無事で何よりだ。
君が1番起きるのが遅かったぞ。」
見渡すと そこには僧侶達が複数人いた。
薪ストーブが置かれてて
めちゃくちゃ寒い羅漢の 中でも
レックスの寝てた部屋は 寒さを感じられないほど
複数台の薪ストーブが焚かれていた。
「オレ……いったい
いつまで寝てたの?」
「2日半くらい寝てたのではないかな?」
「こうしちゃいられない。
ミレーヌは無事か?
船は どうした?
船に乗ってた人たちは?」
レックスは 狼狽しながら
大きめの声で キョロキョロあたりを見渡した。
ガッシャーン!
扉の向こうから 大きな影が 近づいたかと思うと その影の 何者なのかが
戸を勢いよく開いてきた。
「オレの名前はキャプテンジャック!
羅漢の商業品や食料品、羅漢に たどり着いた人々を元の国に送り届ける海賊だわさーーっ」
そこには とんでもないほどの威圧感に包まれた
大男が立っていた。
義手がフック調の武器になってたり
ライフルを装備していたり
凄みを感じる。
日焼けしまくった身体からは
精悍な漢気が 漂っているではないか!!
キャプテンジャックという名の海賊だ。
「シードラゴンに襲われて
ここにたどり着いた船の人々は
全員無事だぜ!
ちょっと前に オレ達 海賊が
皆を元の所に送り届けてきたんじゃわい。
ガーッはっはっはっ」
ジャックは豪快に笑った。
「オレも 船に乗せて欲しい。
ミレーヌ も連れて
船に」
「黙らっしゃい!
おまえらは
ここで 死ぬほど厳しい試練を受けるんだ。
二週間な。
なので
二週間後に
おまえらが生きてたなら
オレの海賊船に乗せて
ザイールまで 運んでやる。
今!ザイールは大変なことになってるからな。」
「二週間もか?!
ザイールが大変って??
」
「まぁ 二週間後の楽しみだぜ小僧。」
ジャックは船が泊まっているという 雪の積もりも薄い船着場に足を向かわせていた。
「ザイールが ヤバいなら
オレ行かなくちゃ!
ジャックとやら
オレもミレーヌ を見つけ次第 船に乗せろー」
寒さを忘れて
裸足で ジャックの目の前に回り込んだレックス。
「今の おまえじゃ ザイールを救えねえ!!
単細胞めが」
ジャックは レックスの胸ぐらを掴んで暴言を吐いた。
「単細胞とは
なんだよー」
「単細胞だけじゃねえ。
おまえは 羅漢の試練も耐えられんのが予見できるぜ!
役立たずめが」
今度は 嘲笑いながら ジャックはレックスを見下した。
「くそぉ 言わせておけばーーてめえ
喧嘩売っとんか
ゴラァ」
レックスは ジャックの右頬にパンチを繰り出した。
ぐぐっ
少しは いい攻撃してんじゃねえかよぉ
でもなぁ
本当の攻撃とは
こういうのを言うんだー
カスめぇ
ドガン!!
雪が しっかり積もってる 木々のところに
レックスを軽々と
ネックハングツリーを決めて
投げつけたジャック。
「つ
つぇええ こいつ……」
また気を失ったレックス。
今度は 囲炉裏や 竈門、畳、さまざまな彫刻、
龍のアートなどに
囲まれた
お寺らしきとこにレックスは連れられていた。
「ここは……?」
「フォフォフォ フォー
ジャック如きに 倒されるなんて
とてもじゃないけど おまえさん
ザイールの危機を救えんよ。
どうじゃ
ここで10日ほど修行を受けてみるか?
とても厳しい修行じゃが
お主の限界を超えた能力を身につけたいなら
受ける必要があると思うが……
まぁ 無理そうなら 一人で 修行中のミレーヌ を残してザイールに戻るのも止めはせんよ」
貫禄ある80代くらいの功夫着の老人がレックスの方に来て 問いかけた。
「爺さん、オレさあ 修行できる できないなんて
問題じゃねえと思うんだ。
やるんだよ!
やってザイールを救うんだ。」
「その爺さんってのは
やめてもらうぞよ。
ワシの名は カンドンゴ
なので カンドンゴ様か 師匠って呼んでちょ。
厳しい修行じゃが もし 素質がないとわかれば
喜んで 罰を受ける覚悟はあるか?レックスとやら」
「ぁあ 約束しようー罰は受けるぜ!」
「少し不安そうな口調じゃなあ
まぁ罰は 脱出不可能的な
ものを考えてある。
その罰を 乗り越えたら
レックスよ!おぬしは
今より 相当 レベルアップする。
でも 罰を受けることがないよう
してくれえよ?」
「おう!爺さん」
「じゃから ワシのことは
カンドンゴ様か、師匠と呼べや」
「そしてレックスよ。
今、修行中のミレーヌは
修行僧の集まる
西の宴会砦にいるぞよ。
行ってみるが良い」
「わかった
師匠」
雪に包まれた竹林の道を歩いて
カンドンゴの館から200mほど離れた
宴会砦へ
向かうレックス。
「分厚いセーターとか
長靴とか
自由に使っていいと 言われて使ってんだけど
寒すぎるわーー
鼻水が出てくるぜ……
こんな寒いところなのか
羅漢は……
寒さになれてないオレに とっちゃ
これだけですでに修行のような気がするが」
獅子舞や数百の羅漢像に囲まれた
門をくぐり
中国風な 龍や鳳凰、虎の彫り物が施された建物の大扉を
開けて
回廊を歩き
大きな金の間の扉を 開けたレックス。
そこには
半分は笑顔、でも よくみると 泣きそうなミレーヌ が バタバタしまくっていた。
どうやら 多くの修行僧のオーダーを聞いたり
食器を片付けたり
実際に料理を作っているようだった。
「レ、レックスーーーーっ
よかった〜気がついたのね。
……って
今 手が離せませーん。
これも 修行らしいけどーー
単に
こき使われてるだけのような〜
もお やぁだぁーーー
」
もお やぁだぁーーー
の部分だけ
レックスに甘えるかのような
女をハッキリ表したような口調に変わったミレーヌ 。
「おい女ーーっ 酒はまだか」
「前菜 はよぉ 引きにこんかーい」
「バタバタ
ほこりを立ててくるんじゃねえ。
きたねかろうがぁ。
このアマー」
パワハラ?!
修行僧とも あろうお方らが
ミレーヌ らに
理不尽とも言える口調で
ミレーヌ に指図していた。
それを見かねたレックスは……
「おい!坊主共よぉ
お前ら やりすぎなんじゃねえの?
」
レックスは激しい口調で
吠えた。
が
その時
扉を開く音がした。
「荒れておるのぉ レックスよ。
ミレーヌ は
日常の雑用、掃除、料理、全てが
修行だと受け入れて
笑顔で 頑張ってるのが わからぬのか?
日常の仕事 これ 鍛錬なり
普段見えてこない ものが 日々の仕事により
見えてくる。
仕事があるって
ありがたいものじゃぞ」
カンドンゴが 颯爽と現れ レックスに問いかけた。
「なんか理不尽なんだよなあ
修行だの仕事だの
都合主義なんじゃね?
てめえらは」
レックスは拳をふりかざしながら
カンドンゴに向かって 大きな声で怒鳴った。
「あわてない あわてない。
何事も 感謝ですぞ。
まぁ ゆっくり深呼吸を3回してみんしゃい。
お主も気づいておると思うが
呼吸を 緩やかにできん癖があるじゃろ?
それ 戦闘においては
命とりじゃぞ。
まずは 呼吸を鍛える鍛錬をしてみるか?」
「おう!望むところだ
クソじじい」
「じゃから カンドンゴ様か
せめて師匠って呼べや」
「すまん 師匠。
ところで
呼吸を鍛える場所とは?」
「こっちじゃ」
レックスは カンドンゴの後について回廊を歩いていった。
一方 ミレーヌ は
宴会砦の後半タイムにて
「ミレーヌさんよぉ。
おめえさん
パラレルワールド(レックス達の世界からしたらパラレルワールドと思える地球)
歴2021年7月に 流行った映画の主人公に似てるねぇ?
なので
その主人公の歌ってた歌を めちゃくちゃ素敵に
あと二週間以内に我らに聞かせてくれ。
それができたら
「伝説のグローブ」を 与えよう。」
羅漢の 貫禄たっぷりの ごつい僧侶がミレーヌ に
いきなりふってきた。
それは 何者かはわからないけど パラレルワールド歴2028年に 地球歴2028年の人が こちらの世界に転移した時の 歌詞を僧侶が拾ったことから始まったそうなを
地球歴2028年の何者かわならない人が 落とした?忘れていったであろう 紙に書いた歌詞。
そこにはミレーヌ に よく似たキャラのイラストが描かれていたのだった。
歌詞のタイトル「You」 歌ってるアーティスト
millennium paradise with Bell
映画タイトル 「龍と野獣になる姫ベル」
歌詞の途中に
何度も
ララライ〜
ララライ〜
という部分が印象的だ。
それを見てミレーヌ は?!
「楽譜ねぇーー
昔 習ったけど
くぅーー
どうだったかなぁ
なんか思い出しそうで
思い出せない
私は 歌えるかしら……
それにしても 龍と野獣になる姫ベルのヒロインに
私は 似てる かもーー」
歌が 探し求めていた伝説の武器「伝説のグローブ」を手に入れる鍵となるとミレーヌ は悟った。
なので
なんとか上手く歌えるように
日々の仕事の合間に音楽の参考書などをヒントに
歌、音階などの訓練も続けた。
さらに
汁風に連れ去られたアランは???
「いゃあ〜 風の便りの術の使い手のアラン〜
その術は
結局は
あたいにしか
効果的やなかったなぁ」
上空で汁風は 風の渦状のアランを
引っ張りながら
言った。
「うん。
風の便り術、それすなわち
遠隔の相手に風の噂のように 自身の考えを
伝える術さ。
ジパングタウンにいた時
その術を 色んな人に試みたが
通じたのは
汁風だけだったもんな。」
風の渦に
引っ張られながらアランは言った。
「まぁ そのおかげで
あたいも 色々な裏情報を
アランに 術で
送ることができたんで
ええんちゃうん?」
「まぁな。
まぁ この計画が
レックス達に知れたら レックス達も死ぬことになりかねなかったからな。
オレ様達だけで
乗り込むために あえて敵の フリしてくれてサンキュー 汁風。」
「敵を欺くにはまず味方からって 言うやんかー
ええって ええって
しかし
もう
妖精の森に デビラーが到着してたら
厄介なことになってるかもしれへんなぁ。
急ごう アラン。
」
「確か 2030年4月4日 すなわち今日がデビラーの誕生日、 その日の夕方の4時44分に 妖精の森に行くと
汁風は デビラーから 以前 聞き出したんだっけ?」
「そやねん。
あんたらが ザイールのバトルから離脱したあとなあ
あたいは あえて デビラーらと 仲よなるふりして
酒飲んだりして 楽しく過ごしてたんやぁ。
そこで デビラーの 妖精の森の 泉を攻めるのは 奴の誕生日だという話を あらかじめ 聞き出せてあったんよなぁ」
アランを風の渦にしたまま
汁風は より深呼吸して
風の力を増して「妖精の森」
へ急いだ。
その頃……妖精の森では………
ザザザザ
ザザザザッ……
異世界への扉を守る
ユメ様の後ろで
明らかに違和感ある音が聞こえた。
「何者!?
誰かいるのか?」
ユメ様は あたりを見渡した。
すると
茂みの中から
デビラーが
赤い血のついたナイフを取り出しながら
ユメ様に歩を進めてきた。
「その異世界転移できる泉の向こうに
オレを行かせろ。
オレが
そちらの地球とやらの世界を変えてやるから。
そう!恐怖にな
イヒヒヒ
イヒヒヒ」
狂ったように高笑いしてるデビラー。
「デビラーごときに
この正義の裁き主である あたしは倒せないよ。」
ユメ様は ジャスティちゅちゃん状態に変身した。
「甘いわー!神の使いだから
まともにかかれば オレの真の力を使わない限り
勝てないのは百も承知……
だが
この後 オレに真の力を使わせる奴が現れる予感がする。
おまえでは ない。
だから 後から相手してやる
今は 眠ってくれ
最高のバースデーにしたいしな
イヒヒヒ イヒヒヒ」
眠眠血流波ーーーっ!
デビラーは
血のついたナイフを 空に様々な模様に刻んで
その呪いの文字を
ジャスティちゅにかざすと
ジャスティちゅは
バタッと倒れた。
デビラーの 究極変則技で
どうやら ジャスティちゅは 熟睡してしまったようだ。
「勝つか負けるか
大苦戦必須の厄介な奴は眠ったか………」
さあて
異世界転移の泉に入るとするか???
いや もう少し待とう……
楽しい奴らが もうじきここに来る予感がする。
異世界転移は
その後からでもよかろう
イヒヒヒ イヒヒヒ」
レックスの修行とは?
ミレーヌは歌を極めれるのか?
欺く技に適した汁風とアランは 「妖精の森」に待ち構えているデビラーと 一戦交えるのか?
続く




