タイトル「60代の男性が若い子人気の鬼滅の刃に乗っかかろうとする話」
昭和28年生まれ68歳のキサブローは数年前に定年退職をしてる。
だが 日々 ウォーキングなどで身体を鍛え その後は近くの喫茶店に行くのを日課にしていた。
いつものようにウォーキングを終えて喫茶店に入ろうとしていたら
遠くから キサブローを呼ぶ声がした。
「おーーい キサブローくーーん。
ワシじゃあ ワシ ワシ」
(おや? 誰じゃ?
もしかしたら ワシワシ詐欺?)
そこには何十年も会ってなかった元気という幼馴染がいた。
近くに来た時に 面影で認識できたキサブロー。
「おおーっ 元気くんひさしぶりじゃのお。
いつぶりかのお?」
「二十年くらいキサブローくんと会ってないと思うでぇ」
「元気くん いつ岡山に帰って来たの?
大阪から岡山に帰ってきたんなら
連絡してくれてもえかったのに」
「実は 最近のことじゃてえ。
まぁ このへん歩きょおたら
キサブローくんに また 会えると思ってたんで案の定〜」
「はぁ? 明日のジョー??」とキサブロー。
「いや 違う アシカのショーじゃ………っておい!
冗談じゃ〜」
「ほんまに懐かしいなぁ 最近は オラや元気くんが住んでた頃の家々を
あんまり見んようになったのぉ
時代の移り変わりを感じてる」
「ところで積もる話もあるけえ
目の前にある 喫茶店に入ろうやぁ。」
「死滅の刃」かぁ
ワシのことかと思ったわい
そう……元気の前歯は 入れ歯ではないけど
虫歯を放置してたので
すでに ボロボロになっていた。
こうして二人は 「鬼滅の刃」トークから「死滅の前歯」トークに変わり さらに
初恋の頃の思い出とか……語り出した。
どうやら二人は高校生の時に「梅津ちゃん」という三つ編みと 八重歯の女の子 に恋をしたそうだ。
その子は「梅津の八重歯」ちゃんと言われてたそうだ。
そして その 「梅津の八重歯」の桃子ちゃんを巡って
二人は 殴り合いの喧嘩をしたことがあったなと今では笑顔で語っていた。
思いっきり殴り合ったからこそ 二人は友から親友になったこととか。
そして 「梅津の八重歯」は 数年前に癌で亡くなったキサブローの嫁だった話など〜
「オラぁよお 桃子には先立たれたけど
桃子の分まで健康に生きたいんじゃ。
じゃから 毎日 読者したり
若者文化に少しでも触れるようにしてる。
それで鬼滅の刃にも少し興味を持とうかなと思っておる。」
「桃子さんの通夜に行けなくてごめんなぁ。
まぁ お互い これからは健康には気をつけて生きようなぁ」
「健康トークをしてたからなのかな?
そういえば ワシ
昨日
微熱があったけど 今日は
熱は下がった。
でも
でも
今さらながら
鼻が ムズムズしてきたわい!
へ
へっ
へへへ
「へーーーくしょーーーん
大魔王〜」
「微熱は下がったのは
わかるけど
これじゃあ
飛沫の刃じゃわいなぁ」とキサブローは
おしぼりで
ばっちい部分を拭き取った。
「そういやあ
嵐の相葉君って
I LOVE動物園で、微熱で
ちょっとしんどそうな時にでも
番組のために頑張ってたらしいよ」
「まぁ さすがは 相葉さん
you やっちゃいなよさんに
無理しても頑張れって言われたんじゃねえかのお」とキサブロー。
「キサブローくん……
ジャニーさんは 最近
亡くなったけど……」
「おおお
そうじゃった
そうじゃった。」
「キサブローくん、微熱がある時の相葉くんの写真を撮ったけんみるか?」
「おう!」
「こりゃ鬼滅の刃というか
微熱の相葉じゃが笑」
「そういえば 明日の映画じゃけど 金かしてくれん?キサブローくん」
「なんで?元気くんも年金が今月も支給されるのでは?」
「実は うちの息子が競馬にはまってのぉ
競馬したいけん
金かしてーー言うて
息子に ちょっと前に金を振り込んだんじゃ。
それで 今
金がねえんじゃ」
「息子殿……競馬によって人生を壊すことがねえか心配じゃわい」
「では そろそろ店を出よう元気くん。
明日は昔
大正薬局があった 昔の通りの外れに集合な。
「おーーいっす。
キサブローくん
明日は
イオン岡山で映画観るんじゃけん
ぼっけえ
ナウいヤングな 格好で
決めていこうぜ!」
「そうじゃな
では
明日」
そして翌日
二人は
ナウくて
ヤングな
ファッションに決めてきたのか?
結局は
自滅の衣装の せいで
2日後に映画は
持ち越しになった。
「よかったよかった
今日は
こないだのように元気くん 年相応の格好じゃが」
「キサブローくんこそ
60代ですぞ的な
ええ格好やなあ。」
「おっと イオン行く前に
昔 オラ達が よー行った映画館
今は
どげんなっとんか
ちょっと行ってみん?」
「ええアイデアじゃ
キサブローくん」
二人は
昔の映画館を想像しながら
歩を進めた。
路地裏にある映画館〜
昔は 映画料金も今のように2000円近くは
いらなかった。
はるかに安かった、
三本立てで観れることも常だった。
昔の映画館の場所に到着した二人。
しかし
思わぬ変わりように二人は腰を抜かした。
なんと
そこには
自滅の焼き場
に 変わっていた
気を取り直して
二人は「鬼滅の刃」を観にイオンモールに入った。
そして
若い人や
家族連れの多い中
おっさん二人は
若い子の流行を吸収してやるぞと
意気込み
気合いいれて席に座った。
そして鬼滅の刃〜無限列車編〜
はスタートした。
開始10分
二人は 鬼滅の刃に
全集中してるのだろうか??
開始20分
二人は
話を理解してるのだろうか?
そして開始30分が経過した
二人は すっかり夢心地。
上映終了後
キサブローは 言った。
「無理に若者文化を取り入れるべきでもないなあオラ達」
「そうじゃのお。
若い子人気なものとか これからのものは若者世代に 任せようキサブローくん。」
「じゃな。
でも古き良き時代って忘れさせたくないのぉ。
で、どうじゃ 二人して
これから SNSに 古き良き物とか 番組とか 映画とか
街並みとか 色々 発信していかんか?」
「キサブローくん ええ閃きじゃが!
古き良き時代ーー ワシらが 発信していこうぞ!
そして これを 今後のワシらの生き甲斐にしようやあ」
「だね 元気くん。
おっしゃあ なんだか 明日から 毎日
楽しくなりそうじゃあ。
元気くん これからもよろしくな」
こうして 二人は がっちり握手をして微笑んだ。
完
*pen-96さん
イラスト使用許可など ありがとうございました。











