二面性マジシャン 二つの人格の勝負の行方 | 全国No. 1短編小説家ー中国地方の観光&グルメレポ

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るるぶとかタウン情報おかやま、winkなどに載ってるスポットばかりアップしてます。メディア記載の場所に実体験したレポかな(笑)

6月27日の夜23時ぴったりにオラオラモードのままの賢は本当に倉敷市笹沖にある足高山神社の駐車場に到着したようだ。

もちろん豊田きよしから あれからLINEの返信も来ない。
だが 賢は きよしは絶対来ると なぜか確信していた。




三菱のsilverミニカが ブウブウブーン
と 勢いよく下の道路から 駆け上がってきた。

そこには 豊田きよしが 窓ガラスから 顔を出して
賢に なにやら 文句を言ってるようだ。

しかし 騒音が うるさすぎて聞こえない。

豊田きよし「俺様を呼び出しておいて どういうつもりだ  賢ちゃん?!」

薄気味悪い笑いを浮かべながら 豊田きよしはポケットに手を突っ込んでいる。

「うっせー!飛んで火に入る夏の虫とは まさに このことだ。 キサマは ここでオレにフルボッコにされて 悔い改める必要がある。」

話し合いの余地なしな表情で賢は拳をボキボキならしている。

「つまりは俺様とタイマンだね?ふふふふふふふふがいっぱい」
豊田きよしは この期に及んで 薄気味悪い歯をむき出しにして 変な冗談を言った。

「豊田きよし… キサマ ふざけてるのか?」

「ふざけてなんかいなーーい!俺様に殺されるのは 賢ちゃんの方だ!」

ズドン

なんと 警察官でもあるからか銃を装備してたのか!!

ポケットから銃を 瞬時に取り出し
賢の心臓めがけて 撃ち抜いた……

はずが…

神社の⛩方から  「もうやめてーーー」

女の声がしたので 豊田きよしは わずかに賢の心臓部を外したようだ。

賢は 胸部を撃たれたので 朦朧としながら 声のする方を見た。

そこには真央の姿があった。

真央「賢さん、あなたのLINEを見て LINEに書いてたブラックな内容が まんざらデタラメじゃない予感がして
神社の方で 23時前に あなた達を探してたの。
でも 神社の裏の公園なのか 展望台なのか、あなた方が どこにいるか わからず 探してたの……
しかし 手遅れだったみたいね」

真央は 泣き崩れた。

豊田きよしは 銃を持った手をガタガタ震わせながら言った。

「俺様は 警察でありながら やってしまった やって しまった…… 武田巡査ーーっ 私も あなたに近づきましたよーーー ひゃーはっはっは」

真央が泣き崩れてるあいだに 物凄い奇声をあげながら 車を走らせ 逃げて行った豊田きよし。


今は 豊田きよしを追うより 賢を病院に連れて行くのが先決、急いで救急車を呼んだ真央。

賢「真央! どうして オレなんかのために こんなオラオラモード発動してて  迎えがきて このまま死ぬかもしれないオレに    しかも あの時 LINEで 豹変したオレ的なメッセージを、送ったはず…」

苦しそうに喋る賢を 見兼ねて真央は こう言う。
「もう無理して喋らないでください! 私は 最初にあった時に 優しいだけのあなたが無理してるのを すぐ仕草や表情で感じ取ってました。
そう!本来のオラオラモードの あなたを あなた自身が否定してましたよね? でも 私は あなたのオラオラモードも優しいだけの男のモードも とっても気になってたの? だから 仲良くしたかったんです。」

それだけ聞いたら安心したのか 賢は そのまま意識を失った。
何日経過しただろうか……
賢の心臓部近くの大きな撃ち傷。

その傷口も治療により かなり良くなっていた。

時は平成30年7月5日、台風7号の影響と梅雨前線の影響なのか!?
西日本では 各地で記録的な大雨が降っていた。
賢も病室の窓を開けると ゴオーーー
と 空から 雨とは違う別次元のなにかが降っているような大雨の音を感じ取った。

賢「僕は また オラオラモードになり迷惑かけちゃったようだ。 あ〜あ また 真央さんまで 巻き込んだかも…って ニュースに 真備が  なんだってー!?」

病室のテレビのニュースを見ると
真央の住んでる真備町が 止まない雨により床下浸水したり 河川の堤防が決壊したという情報が入ってきた。


賢のオラオラモードも おどおどモードも 承認してくれた 気になる異性の 真央は 真備の「かぐや姫幼稚園」に勤務してる…

これからの人生のキーパーソンになりうる真央が この豪雨により未曾有の危機にさらされているのが賢は直感で気づいたようだ。

賢は真央に電話してもでないが 五分おきに 根気よく電話したら 50分後に ようやく真央に繋がった。

真央「今は外は記録的な大雨で 園児とともに かぐや姫幼稚園に待機してる。でも ここも 運が悪いと浸水してしまうかもしれません。 幼稚園は二階が ないので…
私は ともかく 子供達まで…」

その真央の 怖れのあまり 震えてるような怒ってるような絶妙な声をきき、賢は こうしちゃいられないと思い
私服に 痛々しい手つき で 着替えて 病院を抜け出そうとした。

白鳥舞「あの〜 加藤さん、この大雨の中どこへ行かれるのでしょうか!? あなたは まだ怪我が治ってないのですよ 大人しくしといてくださいな」

賢「すいません。 僕を認めてくれてる人を助けに行きます。」

白鳥舞「素晴らしいですねえ  ……って おい!コラァ!ーー てめえ 何考えとんじゃい!」

賢「うっせえんだよ。 おばさん!」

白鳥舞「おばさんちゃうわー あたしは まだ34じゃい!」

賢「とにかく どけよーー!」

白鳥舞「キャーー」
賢「すいません。 僕は 人を助けたいんです。困った大切な人を助けるのに理由っているのかい?」

白鳥舞「いえいえ いりません。 ほな 行ってきなはれ」


賢は オラオラモードと おどおどモードが この土壇場で「融合」したのか、うまく 二つの人格を使い分ける術を身につけたようだ。
これこそ 怪我の功名と言って良いだろう。


車を走らせ 大雨の中 凄い視界が悪いが 真備町かぐや姫幼稚園に向けて車を走らせる賢。
オラオラモードが、宿ってないと こんなワイルドな行動は賢は絶対出来なかったはず。

また 人を助けたい 優しい気持ちが高まって おどおど系モードの良さも相まって 心奥は善で満ちている賢。
おどおどモードMAXなので 真央だけでなく子供達も助けたい 将来の展望がある子供達のために 自分が何かできるなら やりたい
そんな気持ちでいっぱいだった。

オラオラモードと おどおどモードの融合は 何かしら奇跡を起こすかもしれない。


奇跡的に 賢が、行く道は ぬかるみに はまらず スイスイと かぐや姫幼稚園近くまで走れた。

しかし カーナビで 後「かぐや姫幼稚園まで1km」という ところで 車が 全く進めないほど 浸水した土地が 立ち塞がっていた。

空からの雨も ずしりズシリと 賢に突き刺さる。

賢「なんとかならねえーのか!! 」

そんな時
天の助けか?神の意向か?
大きな木が流れてきた。

賢「なんて幸運な。これは使えるかもしんねえ」
適度な木すぎて 驚いたが それに しがみつき

オラオラオラオラ  どけどけとけーー!
と気合入れながら
人とは とても思えないほど超ワイルドに 浸水した道を泳いで進んだ賢。

そして かぐや姫幼稚園に到着した。

真央「賢さん!? あなた正気なの!!?
これは夢なの?幻なの?」

子供達と真央が 浸水しつつある幼稚園の体育館で 賢の登場に 驚きを隠せないようだ。

子供達「うわっ ヒーローみたいだ  かっけええ」

賢「ようやくたどり着いたぜ!てか まだ救助の人は こねえのか!?」

真央「いちおう救助ヘリが もうすぐ来る予定です。でも 遅いねえ  このまま 救助ヘリが こなかったら 私たちは…」

賢「大丈夫だ。真央さん。僕に 任せておいて 君たちも助けるからね 待っててね。」

真央だけでなく 子供達に あえて笑顔で接しようとする 賢。

子供達「お兄ちゃん 怖いよー」

賢「大丈夫ー僕がなんとかするから。 辛くても 笑おう。なんとかなるから ね」

賢は いきなり 外に出ようとした。

真央「賢さん! 正気なの?? なにをする気?」

救助ヘリが いつまでたっても 来ないのは ダムや山で囲まれているからだ。

また堤防も決壊してるし、土砂の色と 幼稚園の 黄土色が 色彩的に似てて救助ヘリも 探しにくいのかもしれない。

そう思ったからか 賢は 先ほどまで 泳いで進んだ大きな木を どこに そんな力があるのか!? 旗のように持ち上げた。

並みの男性でも、 持ち上げるのに かなり苦戦するほどの大きな木を、持ち上げる賢。

しかも 足元は雨水に とられているし 身動きもままならない。

そんな状況で、オラオラモードMAXなので 苦戦しつつ木を持ち上げて 旗のように 左右前後に 振る賢。

しかも
それが30分も続いた……

とても人間技とは 思えない。
しかし賢の おどおどした優しい男モードもMAXに達してたので 真央だけでなく これからの未来を担う子供達20名を救いたいという気持ちが 火事場のバカ力を 発動させていたのかもしれない。

どんどん 雨が賢の身体を埋め尽くす。

賢「天気の神よ!ふざけんなよ! オレは 賢様だーーっ! ここで 生きて 豊田きよしのクソを フルボッコにするんだーーー だから オレは沈まねえ」

そんな言葉などで 気合い入れつつ 木を持ち上げて震えつつ 振る賢がいた。

さらに3分経過した。
賢の顔部分まで沈むほどの洪水状態となった。

ゴボゴボっ

「ウゴゴ  モゴモゴ……

僕は どうなっても構いません。 神様  どうか 子供達
そして 真央さんを救ってあげてください。ウゴゴ……」

それから2分経過…

上空に数台の救助ヘリが 賢の振ってる木に気づいたのか
立ち止まって
「かぐや姫幼稚園」に 降りていった。


賢「よかった………

神様   ありがとう

みんなを救ってくれてありがとうございます……


僕は  かぐや姫幼稚園のみんなを  救えて


しあ


しあ………


ゴボゴボ………


しあわせ……

で、し、  た。  真央さん

あとは  た


む」


この後 賢の「オラオラ系モードMAX」と「おどおど優男モードMAX」の融合の効果もあってか

救助ヘリにより かぐや姫幼稚園の園児、全員 救助された。

もちろん  真央も救助された。



どれくらい年月が経過しただろうか…


「今、私は あなたと出会って あなたの ご家族にも会って あなたの友達にも 何人か会ってきました。
そして あなたと出会う前の あなたの事色々と調べてきました。

あなたが いてくれた おかげで 私達は 救われました。

私は あなたの事 一目惚れしてて ひだまりサークルの あの日 なぜか冷たいトークになっちゃいました。
ごめんなさい。
でも あなたの 二重人格?二面性は 私からしても 王子様でありヒーローでした。
子供達に とってもヒーローでした。
令和に元号が変わり
今、天気の子って映画を観て あなたと過ごした西日本豪雨の7月7日までの 日々を 思い出しております。
あれから私は彼氏ができて
結婚しました。
なんとなく、あなたにも似た恋人です。

そして 子供が7月7日 産まれました。
その子を  賢と名付けました。

あなたのように
英雄になってほしいから 旦那と 意気投合して名付けました。
令和元年7月7日
亡くなった賢さんが 一年後
我が子 賢として生まれ変わりますように…

って私の 勝手な妄想かな(笑)

真央は手紙を 書き終えた…

劇終