ご近所さんに、毎日毎日周辺をお掃除してくれるお爺さんがいる。
誰にでも声かけて、気さくにしてくれるから、みんなお爺さんと仲良し。
そんなお爺さんと知り合って一年もした頃、近所のお婆さんも交えて世間話をしていたら、お爺さんが、照れくさそうに、申し訳無さそうに、話し出した。
「わしはな、ほんまのこと言うたら、極道やっててん。せやからな、せめて死ぬまでにちょっとでもいいことして死にたいねん。」
過去に何があったか知らないし、本当に酷い事してきたかも知れない。
でも、それも何か事情があった事ではないか?と今、目の前にいるこの人を見てそう思った。
と、しんみりしている所で、黙〜って聞いていたおばあさんが、
お婆さん「何て?」
お爺さん「極道やってたんや」
お婆さん「え?」
お爺さん「極道」
お婆さん「この人なんて言いはったん?」
私 「極道だったから良いことしたいって」
お婆さん「え?」
私 「極道!」
街中響き渡る様な声で、真っ昼間、人通りの激しい道路沿いで、ゴクドウを叫んでいる自分がいた。