第9講
二月の勝者×塾講×受験ブログ
生きてりゃ垢がついていく
(c)高瀬志帆/小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』
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やってよかったと思っています。
生徒情報の共有
残念ながらほとんどの学習塾でこのレベルの生徒情報の共有は行われていません。私も学習塾に正社員として就職して初めて知りましたが、多くの学習塾にとって生徒数、売上数が全てと言って過言ではありません。もちろん企業なわけですから売り上げがなければ企業体を維持できないので売上を気にするのは当たり前だとは思います。
しかし大手学習塾の場合、転勤も頻繁にあるため、拠点の責任者が生徒の個別な情報を把握したり、より良い授業サービスを提供したりそういうことを目指して拠点を改革していくということを諦めがちなのです。どうせ2〜3年やったらまた転勤でしょ。というような理論でしょうか。結果として、場当たり的にこの一年、生徒数さえ維持できればいい、売上さえ安定していればいいといったテンションで仕事に向き合う責任者が実に多いことか。
ですから拠点単位で生徒の情報を把握するような会議は全く行われないことも多いです。そもそも科目を担当する塾講師も個人プレーの仕事の進め方を好む人が多いのです。一緒に生徒を育てていこうというよりは、自分の科目の成績さえある程度とれてれば良いと考えるような講師も多々、お見かけします。
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サピックスの生徒層は偏っているよ

渋谷大崎の偏差値52を四谷大塚の偏差値と考えるとサピックスの偏差値に換算するとおよそ45といったところでしょうか。さすがに偏差値45で A クラスということはなさそうですが、サピックスという塾がいかに偏った生徒を集めているかを物語っている一コマだと思います。
四谷大塚の模試で偏差値50程度のお子さんは基本的にはSAPIX で下位クラスに所属することになります。サピックスが優秀な塾であるからそうなるわけではなく SAPIX に通っている生徒の層が優秀であるから起こる現象です。ここを勘違いしてしまうとサピックスに通わせているから大丈夫という発想になってしまいます。
ちなみに受験終了後にいろんな方がインターネット上で合格体験記的なブログを公開されていますが、はっきり言うと終わった後なら何とでも言えるよねという感想を持ってしまうことがあります。
また自分の子供が通っていた塾を基本的に悪く言う方はいませんのでどうしてもネット上では有名私立中学に受かったサピックス出身の方のサピックスを万歳しているブログや記事が必然的に多くなるように思います。
サピックスに入って SAPIX のカリキュラムについていけるように一生懸命頑張った子が難関中学校の合格を勝ち取っているだけであって SAPIX にいれば中学受験は何とかなるということは一切ありません。
逆にサピックス以外の塾に通っていてもそこでしっかりと学習を身に付けていけば第一志望に合格する子は数多います。当たり前と言えば当たり前の話ですよね
ダメ拠点と大砲理論

中学受験塾の目的とは何でしょうか。昨今はいろんな方が中学受験を志すようになりましたので様々な価値観が塾業界に流入しています。
しかしこれらに流されきってしまうと学習塾の持っている本来の価値を損なうことになるのではないでしょうか。
通わせても合格しない学習塾に誰が子供を預けるでしょうか。あの塾あんまり合格してないけど、子どものためを思って子どもに寄り添ってくれるから自分の子供を通わせよう何ていう保護者はいません。特に中学受験を志しているような保護者でこのような選択をする方は皆無だと思います。
2月の勝者において黒木先生が桜花ゼミナールに赴任してくる理由が合格実績の大不振を立て直す為という設定ですので、吉祥寺校には何かしらの問題があるというわけですよね。先生たちの発言を見ると生徒に寄り添いすぎてしまった結果厳しい要求ができない。従って限界ギリギリの攻めた受検をできないという状況に拠点が陥っているということが見て取れます。これを改善するために黒木校長が打ち出した方針が大砲理論による志望校の選択です。
自分の持ち偏差よりもかなり遠くの目標を第一志望に設定することで自身の成績の底上げも併せて行う。これを大砲理論と言います。
中学受験塾の拠点改革において難しい点が保護者の同意賛同をいかに得るかという点だと思います。高校受験塾の場合は生徒たちの賛同されてしまえば塾の雰囲気を1ヶ月2ヶ月でガラッと変えることは可能です。
一方で中学受験塾の場合は子供はそうでもないのに親が反発する、あるいはこれまでとの整合性を求めるような問題が発生するのではっきり言うと高校受験塾よりもだいぶ面倒くさいです。ここで黒木新校長は大多数の保護者の賛同を得るためにも大砲理論をあえて6年生のこの時期に提唱したのではないでしょうか。

人間は生きていると体に垢がつきます。お風呂に入れば体に着いた垢がを洗い流すことは簡単です。ただ仕事をしていく中で身につけていった常識という垢、当たり前という垢を洗い流すことはなかなか難しいです。そもそも仕事をしている本人が自分に垢がこびりついている自覚がないわけですから。こうした職員たちに垢がこびりついているという認識を持たせるところから黒木先生の教室改革が始まっていくのだと私は感じました。






